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情報用紙の研究開発

 

名前 佐藤 理英さん
年齢 34歳
所属 会社員
研究分野 表示材料、表示素子
最終学歴 修士課程修了
趣味・特技 スポーツ全般(特に野球)
格言 有言実行

 

 今回は、企業で情報用紙関連の開発研究を行っている佐藤さんへのインタビューです。スポーツ全般が得意ということで非常に活発な人です。それでは、ご覧ください。

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インタビュー内容

この道を選んだ理由

研究に関して

研究 環境・生活について

学習とインターネット

目標、アドバイス 

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ブレビ:それでははじめさせていただきます。研究だけでなく研究者の生活という意味でもいろいろな話をお聞きしたいと思います。よろしくお願い致します。はじめに、まあ趣味とか、なにか得意なものとか、好きなこととかそういうことからお聞きしてよろしいでしょうか?
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佐藤:学生の頃から野球をやっていたので、やっぱり野球が好きです。

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2〜3年前まで会社の中の軟式野球部に所属して実際にプレーもしていたのですが、結婚してからさっぱりです。ひいきの球団は特にないですが、一応千葉ロッテマリーンズのファンです。

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独身寮が千葉にあって5年ほど住んでいたのですが、ちょこちょこマリーンスタジアムに行くうちにファンになってしまいました。

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ブレビ:野球ですか。今年はロッテが好調ですから楽しいですね。今年は優勝なるでしょうか?私はアンチ巨人で阪神が好きです。それはいいとして、会社でも野球部に所属していたとは本格的ですね。それでは、そろそろ本題にはいりましてインタビューを開始したいとおもいます。

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ブレビ:学生時代の研究内容と生活、また現在の会社に入った理由について教えていただけますか?
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佐藤:大学では、キチン・キトサン1)をベースとしたポリマーブレンド2)の研究をしていました。キチン・キトサンと合成ポリマーとを複合化させ、その相構造をいろいろな分析手法で解析しよう、という研究です。研究室には、だいたい十時から十時まで居ました。

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        実験でびっしりの時もありましたが、友人や先輩・後輩たちと議論(単なるおしゃべりの時も)して遅くなることもありました。大学での研究室生活は、私のこれまでの研究生活の中で一番充実していたな、と今でも思っています。
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ブレビ:生分解性プラスチックとかその辺の分野になるのですか?もうすこし基礎研究なのでしょうか。分析手法で解析とは具体的にどのようなことをなさっていたのですか?
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佐藤:どちらかというと基礎研究ですね。論文のイントロダクションには、生分解性がある、分子選択性のある気体透過膜となる、というようなことを書きますが、実際にはこれらの検討は行っていませんでした。
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キチン・キトサン、あるいはセルロースなど水溶性高分子を使ったポリマーブレンドは、これまで主として行われてきた合成ポリマー同士のポリマーブレンドより、相溶性が良いことがわかっています。(もちろん組み合わせによりますが)合成ポリマー同士ではvan der Waals力が働いて相溶性を発現するのに対し、我々の研究室で扱っていた水溶性高分子では水素結合力が異種分子間で働いているのではないか、という仮説を実証するための研究です。

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分析手法としては、熱分析(示差走査熱量計、動的粘弾性測定)や分光学、特に固体NMR3)を用いた解析を行いました。
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ブレビ:ありがとうございます。それでは現在の会社に入った理由を教えていただますか?
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佐藤:会社に入った理由は、ズバリ北海道に残りたかったからです。今の会社は北海道に工場がたくさんありますので、それが決め手となりました。新入社員の一年間は北海道の工場にいましたが、東京の研究所への転勤が決まった時は、「やったまた研究でできる」といううれしい気持ちと「北海道から離れてしまう」という悲しい気持ちが混在していました。

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ブレビ:そうですか。それでは次に現在の研究のお話についてお聞きしたいと思います。

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ブレビ:現在の会社ではどのような研究をなさっているのですか?
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佐藤:今は、新しい表示技術、または表示素子に関する研究を行っています。始めて1年程度ですので、成果はまだまだです。この研究を始める前は、昇華熱転写記録紙4)(プリクラが有名です)やインクジェット用受容紙の開発を6〜7年行っていました。研究というよりはむしろ製品開発です。開発は研究と違ってちょっと泥臭いところもありますが、開発した製品が実際に世の中に出て行く喜びは、大学での研究成果とはまた違った喜びです。
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ブレビ:昇華熱転写記録紙とインクジェット用受容紙というのは具体的にはどのような研究を行っていたのですか?(話せる範囲でお願いします。)また、表示 素子に関する研究とは?
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佐藤:昇華熱転写受容紙は、主として染料を受け止める受容層に関する研究を行っていました。受容層は、紙基材(昇華では主としてプラスチックフィルムが用いられる)の上に、インクリボンから転写される染料を受け止めるために設けられます。私は、受容層樹脂の分子構造と染着性・堅牢性との関係、また受容層樹脂の架橋方法に関する研究を行っていました。

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           インクジェット受容紙では、主として受容層のコーティング技術の改善を行っていました。つまり、生産効率を高めるための仕事です。
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現在行っている仕事については、ちょっと企業秘密的なところがあり、あまり詳細には紹介できませんが、簡単に言えば、文書を書いたり消したりを何回でもできる紙、すなわち「リライト紙」に関する研究を行っています。

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ブレビ:リライト紙ですか。最近はディスプレイ上で論文や図書を見れる時代ですが、そのような電子メディアが発達しても紙媒体は重要ですからね。ありがとうございました。

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研究環境、生活

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ブレビ:研究(開発)している環境と、現在の生活についてお聞きしたいと思います。現在、どのような設備で(例えばどういう測定機器を使っているとか)、どのようなスケジュールで(例えば1日の会社での生活であるとか)、どのような人と(例えば何人のチームでやっている。会社の研究員の構成であるとか)研究を行っているか教えてください。
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佐藤:現在私の研究グループは4人います。みんな化学系の研究者です。私はその中ではNo.2ですが、上下関係はあまり関係なく研究をしています。開発をやっていた頃は、パイロットスケールのコーティング設備などをよく使っていましたが、現在はごく普通の化学実験レベルです。それほど特別な機械は使っていません。

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私の1日は、現在はAM8:30に出社してPM6:00に帰宅する、というスケジュールです。昔は青天井で残業をやっていましたが、今は残業規制がかかっていて残業がし難くなりました。大学時代と異なり、時間内はしっかり仕事をしなければなりません。

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夜の時間が少し持てるようになったので、英会話学校に行っています。英語に関しては、学生の頃さぼっていたつけで、今非常に苦労しています。大学にいても会社いても、研究者である限り、英語は必須のスキルであることを思い知らされています。
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ブレビ:英語大切ですよね。私も最近海外と研究者と話す機会が何度かあり、非常に思い知らされました(苦笑)。
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ブレビ:コンピューターの利用と学習について少し質問させていただきます。なにか、化学に関する書籍でおすすめのものや普段使われているものがあれば教えてください。また、インターネットで化学に関して検索やそのような
サイトに行ったりしますか?もし、普段行っているサイトや研究、その他化学関連の有用なサイトがあれば教えてください。
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佐藤:大学時代の教科書で、今でも役に立っている書籍は、
ハート基礎有機化学.
ハート基礎有機化学 H.ハート著/秋葉欣哉・奥彬 共訳

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今まで読んだ有機化学の教科書の中で、一番わかりやすいと思います。

(有機化学の教科書として大学の教科内容によく適合したものとして定評を博する、原著第10版の全訳。よりわかりやすい記述に書き改め、カラー写真を導入して図表の見栄えを改善した。)
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エッセンシャル 高分子科学 中浜精一らエッセンシャル 高分子科学
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高分子のことをざーっと勉強するには、ちょうど良い内容だと思います。

(高分子を作ること(合成)、それがどのような構造、物性を持つかを順次記述し、高分子科学の基礎事項をコンパクトに解説した教科書。)

化学系実験の基礎と心得 頼実正弘著

ちょっと古いですが、市販の試薬の濃度、ガスボンベの規格などが出ているので、たまに見ています。

確率と統計要論確率と統計要論 田代嘉宏・脇本和昌・大崎紘一共著
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大量のデータを統計処理する必要がある時に見ています。
(本書は大学・高専用の教科書として書かれたものである.とくに高校レベルから説き起し,豊富な例題を随所に取り入れて,わかりやすさをねらいとして初学者にも無理なく理解できるように執筆したものである.)

の4冊です。


インターネット上でのお勧めのサイトは、ナノエレクトロニクス.jp - ナノテクノロジー入門サイトです。最新の研究、技術動向が勉強できるので、大変役に立っています。(もちろん、Chem-Stationも重宝させていただいております)
最近、わからないテクニカルタームが出ると、みんなインターネットで検索しています。便利だなと思う半面、図書室に行く回数が減ってしまいました。

 

ブレビ:ありがとうございます。インターネットの検索は便利ですが、正確な情報だけでないのが難点ですね。

 

目標とアドバイス


ブレビ:最後の質問となります。今後、研究や生活に対してどのような目標をもっていますか?また、今後化学の研究者となる、なりたい人に何か助言のようなものがあれば教えて下さい。

佐藤:目標は、一人前の研究者になることですね。ありきたりですが。外部で同じ仕事をしている研究者に、名前を覚えていただけるようになりたいです。そのために、今の仕事でなんらかの成果を出して、学会で発表できるレベルまで持っていきたいと思っています。

これらのことは、もちろん海外も含みます。(なので英語を勉強しています)大きな目標ですが、実現できるようにがんばりたいと思っています。今後研究者になる方は、会社に入っても、大学院時代同様研究心、探求心を忘れないで欲しいと思います。あとは向上心を持つことです。弊社の中でも、向上心のある人とない人では、入社から5年後でかなり差がつきます。自分が成長するために向上心を持ってがんばる、それがイコール会社のためにもなる、と信じてがんばって欲しいと思います。

 

ブレビ:その通りだと思います。よく就職が決まったら終わりと考えている人がまだいますが、そう いう人に読んでもらいたいものです。ありがとうございました。

 

語句説明

 

1) キチン・キトサン

 

 キチン類はカニやえびの甲羅の成分に含まれる生体高分子です。キチンはN-アセチル-D-グルコサミンがβ結合した直鎖の糖構造を有しています。さらにキチンからアセチル基を外して、抽出精製したものがキトサンです。キトサンをつくる際にアセチル基が除去できないキチンが残るためキチン・キトサンと呼ばれています。

 

 

2) ポリマーブレンド

 

 2種以上の物質からなる混合物、異種ポリマーのブレンドのこと。

 

3) 固体NMR

 

 固体状態の試料の高分解能NMRスペクトルを得る手法であり、固体状態での構造解析に有効な分析手法です。

 

4) 昇華熱転写記録紙

 

デジカメ写真をプリントする方式のひとつです。インクリボンと専用の受像紙を使い、プリンタの中でインクリボンの染料が熱によって受像紙に染みこむことによって、受像紙の上に画像をつくります。プリクラなどで爆発的な人気がありました。

 

関連書籍

 

紙への挑戦 電子ペーパー―情報世界を変えるメディア紙への挑戦 電子ペーパー―情報世界を変えるメディア
  新しい活字の担い手として期待される電子ペーパー自体に関して,基本コンセプト,応用用途等について述べるとともに今後の展望を考る.

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デジタルペーパーの最新技術

 紙、ディスプレイに次ぐ第3のメディアであるデジタルペーパー。その技術の基本コンセプト、開発中の個別の技術候補、ヒューマンインターフェース面での検討、適用分野についてのねらい、応用事例等を網羅的にまとめる。

 


インクジェットプリンターの応用と材料


無限に近い応用範囲を持ったインキング技術であるインクジェット技術。そのポテンシャルの本質を理解し、ユーザーニーズを満たすシステム開発、製品開発を行うことが求められている。各分野における最新動向をまとめる。


紙薬品と紙用機能材料の開発
 紙の加工に必要な材料や薬品を中心に、抄紙段階、二次加工、将来注目される新材料、紙加工にインパクトを及ぼす加工技術とに分けて解説。

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高機能紙の開発
 紙の機能性に関する総説、機能紙用原料繊維、後加工による機能化の代表例である感熱記録紙やバイオ・メディカル関係紙などについて紹介する。

 

 

関連リンク

 

キトサンファイル

生物資源としてのキチン・キトサンの情報、選別方法などを紹介。キチンキトサンリンク 集、医療・健康リンク集、環境リンク集、消費者問題リンク集等を提供。

 

水転写 熱転写 昇華転写 スクリーン印刷

高機能インクジェットフォトペーパーの開発(PDFファイル)

 

ピクトリコ:テクノロジー

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