アスパラギン酸ペプチド触媒による不斉エポキシ化
Aspartate-Catalyzed Asymmetric Epoxidation Reactions, Peris,G.; Jakobsche, C. E.; Miller, S. J.J. Am. Chem. Soc.2007, ASAP. DOI:10.1021/ja073055a
Yale大学のScott J. Millerらによる報告です。Miller教授はオリゴペプチド型有機分子触媒の開発研究で世界的に有名ですが、本報告はその展開の一つとして位置づけられるでしょう。
有機分子触媒を用いた不斉エポキシ化は、Shiらによって開発された糖由来のケトンを用いるキラルジオキシラン法[1]が大変有名で、類似のコンセプトで多くの改良法が報告されています。
その一方で、本報告はそれとは全く異なるアプローチをとっています。すなわち、キラルカルボン酸触媒と過酸化水素から縮合剤(カルボジイミド)存在下にキラルパーオキシド活性種を生成させる、というアプローチです(下図)。キラルパーオキシドはmCPBA酸化と同様の機構にてアルケンをエポキシ化しうると考えられます。類似の酸化法は過去に例が知られていたようですが、不斉触媒化に成功したのはどうやら本報告が初めてのようです。
論文をざっと眺めてみた感じ、不斉を出すのに大変苦心しているようです。基質にカルバメート保護基が欠かせないなど、適用可能範囲はごくごく限られています。とはいえ、コンセプト面では着目に値する論文といえるでしょう。これから類似のコンセプトに基づいた改良型不斉エポキシ化が沢山発表されてくるのではないでしょうか?(ただ、何をやるにしても二番煎じはハードルが低いですし、評価も低くなってしかるべきですが。)
関連文献
[1] Shi, Y.Acc. Chem. Res.2004,37, 488.
関連リンク
2007年6月28日 cosine | 個別ページ | コメント(0)
タグ:Movable Type Movable Type> アスパラギン酸ペプチド触媒による不斉エポキシ化
コメントする