[スポンサーリンク]

ディスカッション

私がケムステスタッフになったワケ(2)

[スポンサーリンク]

今回の記事は、第1回ケムステオンライン座談会『ケムステスタッフで語ろうぜ』において、2013年3月20日~4月10日までFacebookのケムステグループで交わされたやりとりを抜粋したものです。テーマは「なぜケムステスタッフになったのか」について。ケムステスタッフの脱線も交えた、本音トークの模様を実況中継します。

もう第一回を読まれた方はお気づきかもしれませんが、自由に発言できるようにするためスタッフはHNを伏せてあります(今回はバレバレですが)。今回の回答者は大学教員X先生です。

問:なぜケムステスタッフになったのか?

大学教員X:どういう考え方でスタッフ稼業に取り組んでるか書くことにします。昔も今も根っこは変わってませんし、ほとんどすべてこういうスタンスで取り組んでます。

  1. 自分の手持ちスキルを、強引にでも何でも別分野で活かす方向に持っていけないか」という考え方は、昔から何ごとにも当てはめていました。
  2. 「役立たないのにこんなのやっててもしょうがない」と平然と主張する方には、「そういう君は社会の役に立ちうる位置から程遠くないのか?」と思っています。
  3. 「最初は少々粗くても、他人と若干かぶるところがあっても、そこを気にしたら負けだ」と思っています。
  4. 「アウトプットの品質向上にはどうしても時間がかかるので、最初から過剰にこだわってはいけない」と思っています。
  5. 頭で理屈をこねるばかりで、いつまでも始めないのは論外です。
  6. 個人的見解を浸透させる手段として、文系的なFace to faceのやり方は(効果のほどは認められる部分があるにせよ)自分にとっては効率悪いし不向きな方法だと考えています。

スタッフA:ウェブに興味をもち始めたのはいつくらいですか?HTMLとか。

大学教員X:大学1~2年のころです。入学祝にノートPCを買ってもらい、インターネットが自在に使える環境が大学にあったのでネットを巡回しまくってたことがきっかけです。あとHTMLは言語として一番ハードルが低かったのも良かったです(Cの習得は挫折しました(笑))。ホームページスキルが手持ちで最初からあったので、それを足がかりにケムステへと触手を伸ばしました。実は留学先選びでも、この考え方を重視してました。逆に「広く有効なスキルを集中的に習得すべし」的な考え方は、死活問題レベルの必要性に迫られない限り、優先度高く出てくることが僕の中ではありません。そもそもの話として、面白くないと突き詰められないからです。たとえば英語は必要ですがあまり一生懸命やってませんでした。うまくなる気もしなかったですしね。でも外国行った事でそれが死活問題になって、必要に迫られて工夫しました。

スタッフA:手持ちスキルが無い人はどーしましょ?私の話になってしまいますが、文書を書くスキルが無いので、無理やりにでも上げようと「ブログを書こうかな?」という気持ちもありました。仲間と読者がいなきゃ続かないワケですが…

スタッフB:ブログなので文章の完成度が高い必要はないんじゃないでしょうか?

大学教員X:ない人は作るしかないですよね!これ当然(笑)。ただうまい作り方はあると思います。ブログは練習としていい場でしょう。ブログの文章に完成度が高い必要はないです。でも皆勝手にハードルを自分で作って上げてるように思います

スタッフA:以前後輩に、私もケムステで記事を書いてる事を話したら「先輩っぽい文章だなって思ってました!」って言われてしまいました。 外に出て行く時におめかししたいのは当たり前で(人により程度の差はあるけど)、出来るだけかっこいい文章を、と思うのは普通でしょう。ただ、書かなければ上手くならないので、やりながら「いつかうまくなるさ!」と思って、まずは下手でも投稿するのが大事なんだろうと思います。

大学教員X:何をやるにしても世の皆さんは、「表に出すことはちゃんとしてないとね」と口をそろえて言うのですが、日本人のそれは正直過剰すぎるきらいがあるのではと僕には思えています。結局、あらゆる対応が後手後手になって、品質を上げる前にあっぷあっぷで頓挫し、何にもならないように見えるケースも多かったのです。過ぎたるはなんとやらです。見方を変えれば、これこそが育ちのいい一般人の「付け入る隙」だと考えたのですね。僕はMark Zuckerbergの言うところの“Done is better than perfect”は真理のひとつだと思っています。ただ前提として、目線が十分に高くないと有効機能しない哲学だとは思いますが。

スタッフA:ビジネス入門書にもquick & dirty って書いてあるけど、実践は難しい…

大学教員X:目線が低いとdirtyになるばかりなんですよね。そこが難しいところです。実施すること自体はそんな大変ではないはず。こういうディスカッションめちゃくちゃ面白いですね。

スタッフC:Done is better than perfect. Quick & Dirty.ですか。では、今回の「ケムステスタッフで語ろうぜ」のつぶやきまとめ記事もそんな感じで(苦笑)。

スタッフA:つぶやき一回分の量じゃないですね

スタッフC:大丈夫、内輪すぎるコメントなど冗長にならないように多少カットします。目的の半分以上はスタッフで楽しむことで、記事は副産物でいいのではないでしょうか?

大学教員X:各人のスレごとに記事をつくれば文量的には適当でしょうが、10記事ぐらいになるかも。となると大掛かり過ぎ?コンテンツ分離の必要性が現実味を帯びてきたか(笑)

スタッフC:次回からは「あなたはどうですか?-自分はこうです」ではなく「これをどう考えますか?-自分はこう考えます」となるようなトピックにしましょう?

スタッフA:「目的の半分以上は内輪で楽しむ」と記事に書くと、「あれ?スタッフに成ると記事よりもっと楽しいの??」って成るかな?

第3回に続きます。

関連リンク

(The original article was reformatted and organized on 25.03.2020 by Gakushi)

Green

投稿者の記事一覧

静岡で化学を教えています。よろしくお願いします。

関連記事

  1. 特定の場所の遺伝子を活性化できる新しい分子の開発
  2. 一流科学者たちの経済的出自とその考察
  3. JSRとはどんな会社?-1
  4. 2010年ノーベル化学賞予想―海外版
  5. 二量化の壁を超えろ!β-アミノアルコール合成
  6. ノーベル賞化学者に会いに行こう!「リンダウ・ノーベル賞受賞者会議…
  7. 炭素-炭素結合を組み替えて多環式芳香族化合物を不斉合成する
  8. 研究者版マイナンバー「ORCID」を取得しよう!

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. House-Meinwald転位で立体を操る
  2. 円偏光発光を切り替える色素ー暗号通信への応用に期待ー
  3. 女性化学賞と私の歩み【世界化学年 女性化学賞受賞 特別イベント】
  4. エステルをアルデヒドに変換する新手法
  5. 「女性用バイアグラ」開発・認可・そして買収←イマココ
  6. 自己修復する単一分子素子「DNAジッパー」
  7. 第143回―「単分子エレクトロニクスと化学センサーの研究」Nongjian (NJ) Tao 教授
  8. 核のごみを貴金属に 現代の錬金術、実験へ
  9. 光刺激で超分子ポリマーのらせんを反転させる
  10. アフリカの化学ってどうよ?

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2013年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

十全化学株式会社ってどんな会社?

私たち十全化学は、医薬品の有効成分である原薬及び重要中間体の製造受託を担っている…

化学者と不妊治療

これは理系の夫視点で書いた、私たち夫婦の不妊治療の体験談です。ケムステ読者で不妊に悩まれている方の参…

リボフラビンを活用した光触媒製品の開発

ビタミン系光触媒ジェンタミン®は、リボフラビン(ビタミンB2)を活用した光触媒で…

紅麹を含むサプリメントで重篤な健康被害、原因物質の特定急ぐ

健康食品 (機能性表示食品) に関する重大ニュースが報じられました。血中コレステ…

ユシロ化学工業ってどんな会社?

1944年の創業から培った技術力と信頼で、こっそりセカイを変える化学屋さん。ユシロ化学の事業内容…

日本薬学会第144年会付設展示会ケムステキャンペーン

日本化学会の年会も終わりましたね。付設展示会キャンペーンもケムステイブニングミキ…

ペプチドのN末端でのピンポイント二重修飾反応を開発!

第 605回のスポットライトリサーチは、中央大学大学院 理工学研究科 応用化学専…

材料・製品開発組織における科学的考察の風土のつくりかた ー マテリアルズ・インフォマティクスを活用し最大限の成果を得るための筋の良いテーマとは ー

開催日:2024/03/27 申込みはこちら■開催概要材料開発を取り巻く競争や環境が激し…

石谷教授最終講義「人工光合成を目指して」を聴講してみた

bergです。この度は2024年3月9日(土)に東京工業大学 大岡山キャンパスにて開催された石谷教授…

リガンド効率 Ligand Efficiency

リガンド効率 (Ligand Efficacy: LE) またはリガンド効率指数…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP