[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

howeverの使い方

[スポンサーリンク]

副詞「however」は、日本人に最もよく誤用される語の一つです。その誤用は何種類かに分けられますが、ここでは文法上の誤りを考察します。

「however」には主な意味が二つあり、それぞれ、「but」そして「in whatever way」と同義です。前者の場合には「 however 」は必ず副詞ですが、以下が示すように誤って接続詞として使用されていることをしばしば目にします

  • [誤] I would like to go to a movie, however I have no money.
  • [正] I would like to go to a movie, but I have no money.
  • [正] I would like to go to a movie. However, I have no money.
  • [誤] The argument given in Ref. [3] may be correct, however it is not convincing.
  • [正] The argument given in Ref. [3] may be correct, but it is not convincing.
  • [正] The argument given in Ref. [3] may be correct. However, it is not convincing.
  • [正] Although/While/ the argument given in Ref. [3] may be correct, it is not convincing.

上記の訂正例では、「but」、「although」、「while」はいずれも正しく接続詞として機能しており、「However」は副詞となっています。

詳しくはグレン・パケット:『科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現』(京都大学学術出版会,2004)の第65章をご参照下さい。

出典元:エナゴ学術英語アカデミー

化学論文での「however」の利用例

Compared to other hydrofunctionalization methods, however, transition metal-catalyzed hydrothiolation is relatively underexplored, likely due to sulfur’s strong coordinating ability and ensuing catalyst deactivation.
引用: 10.1021/jacs.6b07142

Over 160 chiral vicinal bromochlorinated natural products have been identified; however, a lack of synthetic methods for the selective incorporation of halogens into organic molecules has hindered their synthesis. 引用:10.1021/jacs.5b08398

There was good agreement between our observations and computational predictions. No reaction or low yields were seen for substrates 7a7e (entries 1–5). However, when the calculated DG and the oxidative addition barrier were favourable, substantial formation of product 8a was observed (entries 6 and 7) 引用:10.1038/nature14615

 

%e8%8b%b1%e6%96%87%e6%a0%a1%e6%ad%a3%e3%82%a8%e3%83%8a%e3%82%b4

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. プラスチックに数層の分子配向膜を形成する手法の開発
  2. マスクをいくつか試してみた
  3. 有機化学系ラボで役に立つ定番グッズ?100均から簡単DIYまで
  4. 【サステナブルなものづくり】 マイクロ波の使い方セミナー 〜実験…
  5. 生命の起源に迫る水中ペプチド合成法
  6. 表面処理技術ーChemical Times特集より
  7. 「神経栄養/保護作用を有するセスキテルペン類の全合成研究」ースク…
  8. 細胞が分子の3Dプリンターに?! -空気に触れるとファイバーとな…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 太陽電池を1から作ろう:色素増感太陽電池 実験キット
  2. ポヴァロフ反応 Povarov Reaction
  3. ペラミビル / Peramivir
  4. ベン・シェンBen Shen
  5. 電池材料粒子内部の高精細な可視化に成功~測定とデータ科学の連携~
  6. 化学のブレークスルー【有機化学編】
  7. 有機反応を俯瞰する ーヘテロ環合成: C—X 結合で切る
  8. 有機合成化学協会誌2022年9月号:π-アリルパラジウム・ポリエンマクロラクタム・Sirtuin蛍光プローブ・安定ラジカルカチオン・金属-硫黄クラスター
  9. 暑いほどエコな太陽熱冷房
  10. チチバビン反応 Chichibabin Reaction

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年2月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728  

注目情報

最新記事

十全化学株式会社ってどんな会社?

私たち十全化学は、医薬品の有効成分である原薬及び重要中間体の製造受託を担っている…

化学者と不妊治療

これは理系の夫視点で書いた、私たち夫婦の不妊治療の体験談です。ケムステ読者で不妊に悩まれている方の参…

リボフラビンを活用した光触媒製品の開発

ビタミン系光触媒ジェンタミン®は、リボフラビン(ビタミンB2)を活用した光触媒で…

紅麹を含むサプリメントで重篤な健康被害、原因物質の特定急ぐ

健康食品 (機能性表示食品) に関する重大ニュースが報じられました。血中コレステ…

ユシロ化学工業ってどんな会社?

1944年の創業から培った技術力と信頼で、こっそりセカイを変える化学屋さん。ユシロ化学の事業内容…

日本薬学会第144年会付設展示会ケムステキャンペーン

日本化学会の年会も終わりましたね。付設展示会キャンペーンもケムステイブニングミキ…

ペプチドのN末端でのピンポイント二重修飾反応を開発!

第 605回のスポットライトリサーチは、中央大学大学院 理工学研究科 応用化学専…

材料・製品開発組織における科学的考察の風土のつくりかた ー マテリアルズ・インフォマティクスを活用し最大限の成果を得るための筋の良いテーマとは ー

開催日:2024/03/27 申込みはこちら■開催概要材料開発を取り巻く競争や環境が激し…

石谷教授最終講義「人工光合成を目指して」を聴講してみた

bergです。この度は2024年3月9日(土)に東京工業大学 大岡山キャンパスにて開催された石谷教授…

リガンド効率 Ligand Efficiency

リガンド効率 (Ligand Efficacy: LE) またはリガンド効率指数…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP