論文の最近のブログ記事
超一流誌による論文選定は恣意的なのか?
日々研究現場で過ごしていると、こういう批判を聞く機会には事欠きません。それは日本でもアメリカでも、どこでも変わらないようです。
各自の基準で判断すれば、掲載に納得行かないところもでてくる・・・これは何も不思議なことではありません。人それぞれ評価基準は違うのですから。
しかし人は、とかく一般性のある「他人を納得させられる理由」を求めようとしがちです。必然、根拠の薄い有象無象の噂(myth)が、研究者間で飛び交うことにもつながってきます。
先日、超一流ジャーナルたるNatureが、この「ジャーナル審査に関する根拠のない風評」に対してEditorial上で払拭を試みていました (Nature 2010, 463, 850.)。
大変面白い内容なので、ここで紹介してみましょう。ジャーナルが研究発表の場となっている以上、編集サイドの考え方も知っておくに越したことはありませんしね。
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タングトリンの触媒的不斉全合成

Catalytic Asymmetric Total Synthesis of Tangutorine
Nemoto, T.; Yamamoto, E.; Franzen, R.; Fukuyama, T.; Wu, R.; Fukamichi, T.; Kobayashi, H.; Hamada, Y. Org. Lett. 2010 ASAP. doi:10.1021/ol902929a
千葉大薬学部の濱田康正教授らによる合成です。
タングトリンは中国産薬用植物・白刺(ハクシ、Nitraria tangutorum) の葉から単離される細胞毒性・抗癌活性を示すアルカロイドです。
ラセミ体での全合成は報告されているものの不斉全合成は未達成であり、今回の報告では彼らが独自開発した不斉触媒反応を武器に、初の不斉全合成へとアプローチし、見事達成しています。
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5配位ケイ素間の結合
佐藤健太郎氏の「有機化学美術館・分館」やchemistry worldでも取り上げられられていますが、Nature Chemistry 2010, 2, 112-116.にて、5配位ケイ素-5配位ケイ素間の結合をもつ化合物が見いだされました。
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ホウ素は求電子剤?求核剤?

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95%以上が水の素材:アクアマテリアル
(写真は毎日新聞より)
東京大学の相田卓三教授のグループから、組成の95%以上が水分でありながら、シリコンゴム程度の強度と自己修復性を合わせ持つハイドロゲルが発表されました。[1] その高含水率から「アクアマテリアル」と命名されています。
新聞各紙やYahoo!ニュースのトップにも取り上げられたので、そちらをご覧になった方も多いかもしれません。
これまでのハイドロゲルは、共有結合による架橋を利用しており、もろくて不透明なものでした。近年報告されている、層状粘土鉱物(クレイ)と高分子を用いたゲルは、クレイと水の存在下で高分子を合成して作成するために調製に手間がかかる上、実用レベルの強度、高含水率、自己修復性を獲得するには至っていません。
今回のアクアマテリアルは、超分子的なアプローチにより、水分含有率が95%以上のハイドロゲルでありながら簡便な作成・自己修復性・高強度を実現しています。
では、詳しいその原理を見てみましょう。
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