論文の最近のブログ記事
ホウ素は求電子剤?求核剤?

ホウ素は求電子剤?求核剤?の続きを読む
95%以上が水の素材:アクアマテリアル
(写真は毎日新聞より)
東京大学の相田卓三教授のグループから、組成の95%以上が水分でありながら、シリコンゴム程度の強度と自己修復性を合わせ持つハイドロゲルが発表されました。[1] その高含水率から「アクアマテリアル」と命名されています。
新聞各紙やYahoo!ニュースのトップにも取り上げられたので、そちらをご覧になった方も多いかもしれません。
これまでのハイドロゲルは、共有結合による架橋を利用しており、もろくて不透明なものでした。近年報告されている、層状粘土鉱物(クレイ)と高分子を用いたゲルは、クレイと水の存在下で高分子を合成して作成するために調製に手間がかかる上、実用レベルの強度、高含水率、自己修復性を獲得するには至っていません。
今回のアクアマテリアルは、超分子的なアプローチにより、水分含有率が95%以上のハイドロゲルでありながら簡便な作成・自己修復性・高強度を実現しています。
では、詳しいその原理を見てみましょう。
95%以上が水の素材:アクアマテリアルの続きを読む
不斉Corey-Chaykovskyエポキシド合成を鍵としたキニーネ・キニジンの選択的合成

Practical and Highly Selective Sulfur Ylide Mediated Asymmetric Epoxidations and Aziridinations Using an Inexpensive, Readily Available Chiral Sulfide. Applications to the Synthesis of Quinine and Quinidine.
Illa, O.; Arshad, M.; Ros, A.; McGarrigle, E. M.; Aggarwal, V. K. J. Am. Chem. Soc. 2010, ASAP doi:10.1021/ja9100276
Corey-Chaykovsky反応はアルデヒドに硫黄イリドを1,2-付加させ、エポキシドを合成する反応です。
当然ながら、光学活性なスルフィドを用いた不斉化の試みはいくつもなされています。ユニークな反応形式が期待できるものの、その実用度は未だ発展途上です。とにもかくにも、性能のよいスルフィドキラル補助基の調整が難しい、というのが実用性を下げている大きな要因としてあるようです。
英ブリストール大学・Aggarwalらによってこのたび開発されたキラルスルフィド補助基は、この反応形式における問題点をかなり解決したものになっています。
不斉Corey-Chaykovskyエポキシド合成を鍵としたキニーネ・キニジンの選択的合成の続きを読む
顕微鏡で化学反応を見る!?
Observations of Chemical Reactions at the Atomic Scale: Dynamics of Metal-Mediated Fullerene Coalescence and Nanotube Rupture
Chuvilin, A.; Khlobystov, A. N.; Obergfell, D.; Haluska, M.; Yang, S.; Roth, S.; Kaiser, U.
Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 193-196. DOI : 10.1002/anie.200902243
フラスコの中では一体何が起こっているのだろう......?
化学者が毎日想像する化学反応の様子を観測してしまった、インパクト抜群な論文が登場しました。
冒頭の図にある黒い点は、ジスプロシウムというランタノイド原子。始めは、カーボンナノチューブの中のフラーレンのそのまた中に入っていたこの原子が、フラーレンを喰い破り、さらにはナノチューブまで破壊してしまった――「フラーレン」「カーボンナノチューブ」といった化学を好きな人なら一度は耳にしたことのある花形分子たちが反応するその様子を、TEMを用いてリアルタイムで捉えることに成功しています。
早速その内容を見ていきましょう。
顕微鏡で化学反応を見る!?の続きを読む
最近の金事情
Moneyではなく、Goldの方です。
カップリング反応に使う金属、と言えば皆さんどの金属が思い浮かびますか?パラジウムやニッケル、亜鉛、銅などが一般的なところでしょうか。
ところがここ数年、JACSやAngewに「金」触媒を用いた反応を頻繁に見かけるようになっています。
なにゆえ今「金」なのでしょうか???
そこで今回、金触媒を用いた様々な有機合成に関する最近の論文をいくつか紹介したいと思います。
最近の金事情の続きを読む
ホーム > 論文

