[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

有機機能材料 基礎から応用まで

内容

研究者養成のための先進的なテキスト。色素、高分子、液晶から生体材料、有機無機ハイブリッドまで幅広く解説し、最新の研究についても紹介します。1冊で材料の基礎から応用、材料設計のコンセプトまでわかります。

1章 序論
2章 有機材料の機能
3章 有機材料における分子間相互作用
4章 有機色素
5章 高分子材料
6章 液晶材料
7章 有機半導体材料
8章 界面活性剤
9章 生体分子
10章 生体材料
11章 炭素材料
12章 有機-無機ハイブリッド材料 (引用:講談社 Book倶楽部

対象

  • 大学生、大学院生以上

 

解説

有機機能材料に関する書籍。2014年3月に発売されたものなので、最新刊ではないが、類似のタイトルではかなり新しい書籍である。

講談社がだしている「エキスパート応用化学テキストシリーズ」からの一冊。有機材料関連の若手研究者9名によって執筆されている。ケムステでもインタビューを掲載させていただいている、矢貝博士中西博士も執筆者の一人である。著者らは全員、日本化学会の新領域グループ「エキゾチック自己組織化材料」に属しており、各章を分担執筆して書籍として出版するに至っている。

本書は非常に基本的なところから丁寧に記載しており、分野外でも分子構造に抵抗がない人は大変読みやすい。焦点は個々の材料の歴史的背景、基礎的な原理から最新研究までを紹介する内容で、コストや製造プロセスなどはあまり取り上げていない。個々の有機材料に関する書籍に比べると、1つの有機材料で一章なので、少し物足りなく感じるかもしれない。

逆に言えば、多くの有機材料の基礎について学ぶことができる格好の書籍であろう。大学上級生や大学院生の参考図書としても利用できそうだ。有機化学的な観点が強い内容なので、深く化学を学んでいない材料系の研究者にもオススメしたい。

また、いくつか掲載されているコラムがよい。話題の有機材料について1-2ページで述べている。片手に収まる大きさ、ページ数も250ページ弱とコンパクトなので、時間のあるときに1章ずつ読んでいってもよいだろう。

 

関連書籍

The following two tabs change content below.
webmaster

webmaster

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ここまで進んだ次世代医薬品―ちょっと未来の薬の科学
  2. 化学の歴史
  3. なぜあなたの研究は進まないのか?
  4. 化学物質はなぜ嫌われるのか
  5. できる研究者の論文作成メソッド 書き上げるための実践ポイント
  6. HOW TO 分子シミュレーション―分子動力学法、モンテカルロ法…
  7. 【書籍】『これから論文を書く若者のために』
  8. 有機合成のナビゲーター

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

注目情報

ピックアップ記事

  1. 官能基「プロパルギル基」導入の道
  2. 雷神にそっくり?ベンゼン環にカミナリ走る
  3. 学振申請書の書き方とコツ
  4. 次なる新興感染症に備える
  5. ヒンスバーグ オキシインドール合成 Hinsberg Oxindole Synthesis
  6. 美しい化学構造式を書きたい方に
  7. シガトキシン /ciguatoxin
  8. バックワルド・ハートウィグ クロスカップリング Buchwald-Hartwig Cross Coupling
  9. 最後に残ったストリゴラクトン
  10. クラプコ脱炭酸 Krapcho Decarboxylation

注目記事

関連商品

注目情報

試薬検索:東京化成工業



最新記事

元素紀行

先日、こんな記事を読みました。内容を一言で申せば、筆者の前川ヤスタカさんご自身の著書タイトルである「…

日本酸素記念館

大陽日酸の記念館で、創業時にドイツから輸入した酸素分離機が展示されていて、酸素分離機は、認定化学遺産…

室温でアルカンから水素を放出させる紫外光ハイブリッド触媒系

 プリンストン大学・Eric Sorensenらは、光駆動型水素原子移動(HAT)触媒-卑金属触媒ハ…

ケムステイブニングミキサー2017ー報告

先週の日本化学会年会に参加の方々お疲れ様でした。ケムステでは、例年通り「付設展示会ケムステキ…

芳香族カルボン酸をHAT触媒に応用する

ミュンスター大・Gloriusらは、可視光レドックス触媒を用いる位置選択的なC(sp3)-Hチオトリ…

日本薬学会第137年会  付設展示会ケムステキャンペーン

先日閉会した日本化学会年会。付設展示会では毎年恒例の付設展示会ケムステキャンペーンを行いました(Pa…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP