ケムステニュース2004年~2005年3月: 化学コラムアーカイブ
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化学コラムの最近のブログ記事

特許の関係を「地図」に ベンチャー企業が作

特許の側面から競争激しい産業技術の相互関係が一目でわかるように描いた「特許地図」を、ベンチャー企業「サイヴァクス」(東京都中央区)が開発した。関連特許が多く注目度が高い技術分野は山や山脈に、ユニークさが際だつ分野は島のように表される。知的財産戦略や研究戦略を練り、研究開発の大海原を旅する上で、有力な道具になりそうだ。
例えば、世界の公開特許約3000件を使ったカーボンナノチューブの特許地図では、NECが触媒に関する「特許山脈」を形作っていることが分かる。燃料電池への応用ではソニー、ディスプレーへの応用では韓国のサムスンが多くの関連特許を持っている。

 また、サッカーボール型炭素分子C60の発見でノーベル化学賞を受けたリチャード・スモーリー博士のいる米ライス大学が、ナノチューブでも一大勢力になっていることも見て取れる。(引用:朝日新聞)

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2005年3月20日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)

59年前製造の『ヒロポン』陳列

ヒロポン客寄せ目的で「ヒロポン」を雑貨店に陳列したとして、横浜水上署は十日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、川崎市幸区の雑貨店経営男性(56)を書類送検した。

 調べでは、男性は横浜市中区の自分の店で、陳列ケース内に瓶詰めのヒロポン(四十七錠入り)を陳列した疑い。

 男性は約十年前に東京都内の神社ののみの市で手に入れたという。外箱には「21・12・1」と記載されており、一九四六年に製造されたとみられる。男性は「ヒロポンは劣化していると思っていた」と供述したが、県警科学捜査研究所の調べで、現在の“効能”が確認された。

 ヒロポンは覚せい剤の一種で、終戦直後の混乱期に乱用者が続出したが、取り締まりなどで一九五五年ごろまでには沈静化。県警によると、ヒロポン所持者の摘発は「最近では聞いたことがない」という。(引用:東京新聞)

・・・・。変なニュースですね。ニュースの内容はどうでもいいとして、麻薬関連について化学の観点からちょっと説明したいと思います。ヒロポンは塩酸メタンフェタミン(methanphetamine)のことで疲労がポンと飛ぶところからそう名付けられたとも言われています。(ホントか?)シャブとか最近ではS(スピード)と呼ばれる麻薬もこれです。こんな構造式のものは何十年たっても壊れません。アミノ基にメチル基が置換していないものはアンフェタミン(amphetamine)という名前です。これも麻薬です。最近しられているメタンフェタミンの誘導体は合成麻薬エクスタシーとして乱用されているMDMA。MDMA

 

 

関連書籍


面白いほどよくわかる毒と薬―天然毒、化学合成毒、細菌毒から創薬の歴史まで、毒と薬のすべてがわかる!

 

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2005年3月10日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)

エストロゲン、閉経を境に正反対の作用

エストラジオールエストロゲンは若年女性においては心血管を弛緩させるが、閉経後の女性では化学変化が生じて逆の作用を来すことが、先ごろオーランドで開かれた「第2回女性、心疾患および脳卒中に関する国際会議」でジョージア医科大学の科学者らによって明らかにされた。閉経後女性におけるホルモン補充療法(HRT)による冠動脈疾患のリスク増大の原因解明と、こうした化学変化に手を加えることによりエストロゲンが再度安全なものとなることが期待される。(引用:週刊米国健康ニュース
 
エストロゲン(Estrogen)は卵巣濾胞や胎盤などから分泌される女性ホルモンの総称です。エストラジオール-17β、エストロン、エストリオールなどが含まれるが、エストラジオール-17βが最も作用が強いとされています。エストロゲンの分泌が減少すると(40代半ばごろ)に更年期症状などの原因となるため、多くのエストロゲン製剤が開発されています。
 

2005年3月 8日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)

花粉症 花粉飛散量、過去最悪? 妙案なく、つらい春

花粉症のシーズンがやってきた。ぐずついた天気が回復し暖かくなる今週にも、関東以西の太平洋側を中心に、スギ花粉の大量飛散が始まる見通しだ。ヒノキ花粉の飛散も1カ月以内には始まる。今年はヒノキも含め過去最大級の飛散量と予測され、政府が緊急対策に乗り出す事態となった。戦後の高度成長に合わせ造林が進んだツケとも言える現状を打開する“即効薬”は見当たらない。花粉症に悩む人につらい春が続く。【江口一、玉木達也、吉田啓志】

 ◇昨夏の猛暑が元凶

 花粉の飛散状況を予測するNPO(非営利組織)「花粉情報協会」は、気温が上がる7日以降、関東以西で1日100個以上(1平方センチ当たり)というスギ花粉の「大量飛散」を見込んでいる。大半の患者の症状が重くなる30個の3倍以上で、協会は7日にも花粉警報を出す。

 気象業務支援センターの村山貢司・専任主任技師によると、東京都心の飛散開始は2月22日と例年より約10日遅かった。だが翌日には30個(同)を超すなど、関東以西は既に本格シーズン入りした。ただ、このところの気温の低さが花粉の放出を抑えたり、関東や九州の季節外れの雪が浮遊量を抑制するなどして、大量飛散を免れていた。

 花粉情報協会の予測では、ヒノキも含めた今シーズンの総飛散量(1平方センチ当たり)は、東京で8200個と過去10年の平均値の倍以上、岡山で5300個と4倍以上。各地でも数倍と予想される。特に少なかった昨年に比べると、数十倍にもなりそうだ。(引用:毎日新聞)

2005年3月 7日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)

「花粉のつきにくいスーツ」登場

接触角花粉症のシーズン到来にあわせて、富山市のデパートにこのほど「花粉のつきにくいスーツ」が登場し、買い物に訪れる人の間で話題になっています。

 スーツがお目見えしたのは富山大和の紳士服売り場です。

 このスーツはこれまで生地の表面を加工するだけだった撥水加工を繊維の一本一本に浸透させることで水や油をはじく機能が高めていてさらにほこりや花粉がつきにくくなっています。(引用:インターネットKNB

テフロン(テトラフルオロエチレン樹脂)加工でしょうか?一概に水をはじく、撥水といってもその効果に差があります。ですので撥水性の評価のひとつとして接触角があります。接触角(contact angle)とは固体表面と液滴間の角度のことをいい、接触角が大きいほど一般的に撥水性があるというんですね。

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2005年3月 6日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)

使い方次第で猛毒、薬に

Aconitine アルカロイド「毒にも薬にもならない」という言葉があるが、今回は「毒にも薬にもなる」話をしてみたい。トリカブトは富山の山々に自生している薬草であり、附子(ぶ・し)とも呼ばれる。私が目にしたトリカブトの大群落は称名滝から大日岳登山道を上り、大日平を経て、最後の水場の付近である。紫の房状の花の形が毘沙門天がかぶっている兜(かぶと)に似ているので、小鳥のかぶと「トリカブト」と名付けられた。まことに粋な名前である。
この猛毒の附子を題材にした狂言「附子(ぶ・す)」は教科書にも採用されている有名な話である。つぼの中に砂糖を秘蔵している主(あるじ)が太郎冠者と次郎冠者に「このつぼの中には附子という猛毒が入っている。このにおいをかぐだけで命を落とす。近づいてはならない」と言い置いて外出する。留守居役の二人は扇子であおぎながらつぼに近づき砂糖であることを知り、すっかりなめてしまう。そして、主の大切にしていた掛け軸を故意に破り、「申し訳なさに、命を絶とうと、このつぼの中の附子を口にしました」と言い訳を考え出すというとんち・こっけい話である
  ところが、この附子を私たち和漢診療科では毎日、関節リウマチや神経痛の患者さんに処方し、すばらしい効果を得ている。附子の猛毒成分はアコニチン系アルカロイドであるが、これを水でせんじると加水分解されて毒性が減弱し、痛みを止めたり、新陳代謝を高めたりする化学物質に変化するのである。。(引用:朝日新聞富山)
 
トリカブトってこんな由来だったんですね。アコニチン非常に入り組んだ構造ですね。トリカブトはこれらの類縁体が数種類含まれていて環境や種類によってそれぞれ異なるそうです。
アコニチンのようなアルカロイドにはストリキニーネやなどの猛毒もあればよく知られているカフェイン、麻薬であるモルヒネ、マラリヤの特効薬であるキニーネがあり生物活性は多種多様です。合成の話になりますが、日本でアルカロイドの合成研究は東京大学の福山研が精力的に行っています。 

関連書籍


事件からみた毒―トリカブトからサリンまで

トリカブト事件、タリウム毒殺事件、キノコ食中毒、ドーピング、麻薬、化学・生物兵器、サリン事件などを取り上げ、一般向けに易しく解説。毒の種類、入体経路、毒の代謝についても言及し、毒についての理解を深める。

2005年2月23日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)

ひらめききらめく:/1 「創」のとき、夢の鼓動 /北海道

◇ノーベル賞候補、ゆかりの3人--すぐれた研究生かし自立探る

 北海道にも多くの、優れた発明や発見がある。ノーベル賞級の成果を挙げている研究者がおり、寒さや地域の特性を生かし、最先端の技術開発を進めている企業がある。だが、それらが道内で生かし切れているとはいえない。鈴木章・北海道大名誉教授ら、世界が注目するゆかりの3人の研究者を紹介するとともに、大学や企業などの取り組みから、北海道が自立するための方策を探る。【田中泰義】

 ◇海外で注目、有機合成化学--北大名誉教授・鈴木章氏

 「スズキ・カップリングに利用される試薬を発売中」

 米国の大手化学メーカー「シグマ・オルドリッチ」(本社・ウィスコンシン州)の製品案内の表紙にこう書かれている。同社は30カ国以上に拠点を持ち、年間売り上げは12億ドル(約1200億円)。その企業が、鈴木章・北海道大名誉教授(74)が発見した化学反応「スズキ・カップリング」に注目している。

 この反応により、炭素同士を効率よく思い通りに結合させることができる。炭素でできた有機化合物は抗がん剤などの医薬品、化学繊維や液晶などの材料になる。国際競争に勝ち残るため多くの海外企業が関心を寄せる。

 鈴木さんは1930年、自然豊かな胆振管内鵡川町で生まれた。両親に「勉強しろ」と言われることもなく、伸び伸びと育った。複数の正解がある国語より、論理的に一つの答えが導かれる算数が好きな少年だった。

 北大2年のとき、英語で書かれた有機化学の本に魅了され有機化学を専攻した。北大助教授就任後の63年から2年間、ブラウン米パデュー大教授(79年にノーベル化学賞を受賞、故人)のもとに留学。30人以上の留学生と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、ホウ素を含んだ有機化合物の研究に着手した。

 有機ホウ素化合物は、水やアルコールと混ぜてもほとんど変化しない。このため、多くの研究者は新物質の合成には役立たないと考えた。しかし、鈴木さんは壊れにくいからこそ安全に扱うことができると発想を逆転した。帰国後の79年、パラジウムを触媒として用い、塩基を加えると有機ホウ素化合物から、目的としている有機化合物が効率よく得られることを発見した。(引用:毎日新聞

鈴木カップリングは天然物合成でも多用される重要な人名反応です。例えば同様の形式の反応で有機スズ化合物を用いるStilleカップリングがありますが、微量の有機スズ化合物が分離しにくく天然物合成の最終段階では生物活性試験等の際、細胞毒性を示す可能性があります。それに対して、鈴木カップリングは比較的無害に近いであるホウ素化合物であり取り扱いも有機スズ化合物よりも容易なため安心して使用することができます。

関連書籍


The Stille Reaction

 


有機人名反応

発見者・発明者の名前がつけられた有機合成化学反応には重要なものが多く、系統的に学ぶことが重要である。


Name Reactions: A Collection of Detailed Reaction Mechanisms

2005年1月 7日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)

<理研研究員>「論文3本」の実験データ改ざん

理化学研究所(埼玉県和光市)の男性副主任研究員(54)が執筆した研究論文2本の実験データが改ざんされていたことが24日、理研の調査で分かった。別の論文1本も改ざんされた可能性が高く、理研は計3本の論文を取り下げるよう勧告した。副主任研究員は9月末、共同研究者の女性研究員(38)も10月に退職した。(引用:毎日新聞
 
よくないことです。化学の分野でもよくみられます。実際そのときはそういう結果からそう考えてそう書いたということはありますがデータの改ざんはいけません。どうしてもこのデータがあるとこういう風に書けない、こういう結果に導けないということがあるでしょう。そういうときは、時間がかかってももう一度行うことが重要だと思います。
最近の論文は投稿から公開まで非常に短い時間で行われます。それが原因で研究にもスピードが求められ、多くのおかしなデータがでてきてしまうようです。私が競合している研究室の1つでもあきらかにおかしいデータが多々あり、それが原因で論文が通らず、正しい結果を公表できない場合がありました。そういうことは時間がたてばすぐにわかり、悪い評判が広がるものです。科学を研究している以上、出た結果にまっすぐむきあう気持ちが必要だと思います。

2005年1月 6日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)

支局長からの手紙:科学と感受性 /京都

「おもしろい発見をした人がいるんだよ」--知人から京都大学大学院教授の田村類さん(51)を紹介してもらいました。

 01年ノーベル化学賞受賞者の野依良治さんの功績は「不斉(ふせい)合成の開発」でした。田村さんの発見はそれとは一味違う、というのです。


分子構造が解明される以前の19世紀、フランスの化学者、パスツール(1822~95)は、顕微鏡とピンセットを使って右型と左型の結晶を初めて分離しました。その時、分子にも右型と左型があるに違いないと考えました。その後、ごく最近まで、人工的に合成してできる左右両型分子が同量で、均一に混ざった物質(ラセミ体)からは、「(弱い物理の力では)対称性は破れない」(パスツール)、つまり右型と左型の分子を簡単には分離できない、と考えられていました。


 そこで、野依さんは、有用な右型分子だけを人工的に作るための触媒を発見しました。


 一方、田村さんは、ラセミ体の結晶をアルコールに溶かして一度溶液にしてから、フラスコとフィルターだけを使って、右型と左型の分子を簡単に分離する方法を発見したのです。パスツールの発見以来150年間信じられてきた「常識」を覆したわけで、天国のパスツールもびっくりしていることでしょう。


 きっかけは偶然だったそうです。愛媛大助教授時代の93年、ある製薬会社と共同で、ラセミ体のアトピー用の薬剤の研究をしていて、溶液中で左右いずれか一方の型の分子だけが異常に溶け出し、しかも規則性があることを見つけたのです。(引用: 毎日新聞)


優先富化(Preferential Enrichment)というやつですね。なんか当て字のように思いますがこんな漢字書きます。田村教授らは抗アレルギー剤であるトシル酸スプラダスト(ST、上図)のラセミ体を合成して、その際再結晶を繰り返していてこの現象に気づいたそうです。ラセミの結晶を溶かして再結晶すると非常に高い光学収率の溶液が得られるってすごい面白いですよね。


自然化学の一般誌に論文を投稿したとき、はじめはメカニズムを解明した段階で再投稿せよと相手にしてもらえなかったそうです。こういう研究ってわかりやすいが、メカニズム、どうしてこういうことが起こるの?っていうのを科学的に解明するのはなかなか難しいものです。今、似たようなことをやっているのでよくわかります。すべてが手探りで手法もわからず、本当なのか、本当に面白いのか、実験が単純・・・などなど。でも科学的に重要なことが隠されているかもしれません。


関連書籍


オンリーワンに生きる―野依良治教授・ノーベル賞への道


2004年12月13日 ブレビコミン | | コメント(0) | トラックバック(0)