[スポンサーリンク]

ケムステニュース

エコエネルギー 家庭で競争

[スポンサーリンク]

 家庭用の燃料電池がことし早々、世界に先駆けて日本で市場投入される。「家で発電ができ、環境にも優しい」と、ガス会社や石油会社の力の入れ方は、並大抵でない。それに対し、電力会社側は、ヒートポンプなどの技術向上で対抗しようとしている。家庭の熱源・電源をめぐる技術競争の行方は-。 (吉田薫)

 家庭用燃料電池は、天然ガス(メタン)やLPガスを原料に水素をつくり、空気中の酸素と化学反応させて発電する。そのときに発生する熱を利用してお湯をわかしてためておく。

 東京ガスの燃料電池システムは、メタンとして投入した100のエネルギー中、31を電気で、40を熱として取り出す。また新日本石油の燃料電池システムは、ボンベで供給されるLPガスのエネルギーを100とすると、34を電気で、42を熱で取り出すことができる。いずれもエネルギー利用効率は70%を超える。

 従来の発電では投入されたエネルギーの35%程度しか電力として利用していなかったから、大幅な省エネになり、二酸化炭素の発生を削減できることになる。

 東京ガスは、十年間百万円という料金でシステムを提供。数年後には機種をグレードアップする。新日石は一カ月五千円で三年間のレンタル契約をする。いずれもコスト度外視のサービス値段。維持補修とデータ収集を重視するため、設置は関東地方に限る。台数は百五十台から二百台。二〇〇六年以降、台数や地域を拡大していく方針だ。

 ただ、熱を余らせないよう、発電の出力は一キロワット程度に設定しているため、不足する電力は、従来と同様、電線から供給してもらわなくてはならない。また水素はクリーンだが、原料をみると「化石燃料を燃やしていることに変わりはない」との批判もある。

 原料に関しては、東京ガスは「メタンからつくるのが最も効率がいい」。新日石は「ボンベで供給されるLPガスは災害に強い」と主張する。また出光興産は、価格の安い灯油を使う燃料電池を開発している。(引用:東京新聞

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 潤滑剤なしで抜群の滑りを実現する「自己潤滑性XXドーム」が開発さ…
  2. 米ファイザーの第3・四半期決算は52%減益
  3. クラレ 新たに水溶性「ミントバール」
  4. 光だけでなく化学物質も受容できるロドプシンの発見
  5. EU、玩具へのフタル酸エステル類の使用禁止
  6. 帝人、EV向けメンブレンのラインを拡充
  7. カーボンナノチューブの毒性を和らげる長さ
  8. 積水化学と住友化学、サーキュラーエコノミーで協力。ゴミ原料にポリ…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. EU、玩具へのフタル酸エステル類の使用禁止
  2. キャサリン・M・クラッデン Cathleen M. Crudden
  3. 菌・カビを知る・防ぐ60の知恵―プロ直伝 防菌・防カビの新常識
  4. 野副鉄男 Tetsuo Nozoe
  5. マテリアルズ・インフォマティクスにおけるデータの前処理-データ整理・把握や化学構造のSMILES変換のやり方を解説-
  6. タキサン類の全合成
  7. ソープ・チーグラー反応 Thorpe-Ziegler Reaction
  8. リンドラー還元 Lindlar Reduction
  9. 高校生・学部生必見?!大学学術ランキング!!
  10. 第三級アミン酸化の従来型選択性を打破~Auナノ粒子触媒上での協奏的二電子一プロトン移動~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年1月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP