[スポンサーリンク]

ケムステニュース

ダイエット食から未承認薬

[スポンサーリンク]

県薬務室は24日、県内の20代の女性が携帯電話のネットオークションで購入したダイエット食品から、向精神薬「マジンドール」と国内では未承認の医薬品成分「シブトラミン」を検出したと発表した。服用したこの女性は下痢や腹痛などの症状を訴えていたが、医療機関で治療を受けて快方に向かっているという。県は薬事法違反などの疑いがあるとして調べている。(引用:朝日新聞・広島)


 マジンドール



マジンドール(mazindol)はノバルティスからサノレックスという商品名で販売されている医薬品で、食欲抑制として日本で初めて承認 されています。高度の肥満に対して用いられる医薬品ですからダイエット食品に入っていたら大問題です。


 


シブトラミンシブトラミン(sibutramine)はドイツで開発された医薬品でアメリカではアボット社が塩酸塩でメリディアという商品名で発売していますが、日本では承認されていません。数年前から個人輸入により、これらの医薬品が売られているようです。承認されていないので薬事法に違反します。


 


違反しようと違反しまいと、これらの医薬品は有名な製薬会社が作っているとはいえ、肥満が命にかかわる人に用いられている薬ですから、日常のダイエットに使うのはあまりにも危険だと思います。


このような話の続きは他のサイトに任せるとして、今回はシブトラミンの合成についてちょっと紹介しましょう。

4-クロロフェニルアセトニトリルに1,3-ジブロモプロパンと水酸化カリウムを加えてシクロブタン環を作ります。次にシアノ基に対するGrignard反応、続く還元によりアミンとし、ホルムアルデヒドによってジメチルアミンとすることでシブトラミンを合成しています。こんな話このサイトでしかしないでしょうね・・・。

シブトラミンの合成

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関連リンク

Novartisサノレックス製品情報一覧-医療用医薬品-

メリディア(MERIDIA)


webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 情報守る“秘密の紙”開発
  2. ガンマ線によるpHイメージングに成功 -スピンを用いて化学状態を…
  3. クラリベイト・アナリティクスが「引用栄誉賞2019」を発表
  4. ソモライ教授2008年プリーストリー賞受賞
  5. 理化学研究所が新元素発見 名前は「リケニウム」?
  6. 女優・吉岡里帆さんが、化学大好きキャラ「DIC岡里帆(ディーアイ…
  7. IBM,high-k絶縁膜用ハフニウムの特性解析にスパコン「Bl…
  8. 20年新卒の志望業界ランキング、化学は総合3位にランクイン

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 中国産ウナギから合成抗菌剤、厚労省が検査義務づけ
  2. MEDCHEM NEWS 32-2号 「儲からないが必要な薬の話」
  3. ヤンセン 新たな抗HIV薬の製造販売承認を取得
  4. 砂糖水からモルヒネ?
  5. 化学で「透明人間」になれますか? 人類の夢をかなえる最新研究15
  6. ロバート・メリフィールド Robert B. Merrifield
  7. 南ア企業がヘリウム生産に挑む
  8. 混ぜるだけで簡単に作製でき、傷が素早く自己修復する透明防曇皮膜
  9. 青色発光ダイオードの赤﨑勇氏らに京都賞
  10. マイクロリアクターによる合成技術【終了】

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP