[スポンサーリンク]

ケムステニュース

情報守る“秘密の紙”開発

[スポンサーリンク]

シークレットペーパー科学技術振興機構の岸村顕広研究員らのグループが、通常の光の下では印字した内容が読み取れず、何度も繰り返し書き換え可能な熱転写方式の「シークレットペーパー」を開発した。情報の保護が必要な機密文書などに利用できるという。19日付の英科学誌ネイチャーマテリアルズ(電子版)に発表した。

 シークレットペーパーの表面には、「デンドリマー」と呼ばれる樹木のような枝分かれ構造を持つ高分子と銅イオンとを複合させた発光材料が塗布されている。この材料は、紫外線を吸収すると光を発し、しかも温度が80度程度になると、発光する色がそれまでとは変化する性質を持つ。(引用:京都新聞)


デンドリマー分子を放射状に組み立てた球の形をした巨大分子のことです。その名前はデンドロン(ギリシャ語で樹木の意味)に由来しています。1986年に Tomaliaによって発表された概念で、はじめは座布型分子や提灯型型分子などと同様に構造が面白い分子として紹介されていましたが、その構造、超分子としての機能を評価されたことによって、形だけでなくその機能に注目を集め、現在でも多くの研究者が研究を行っています。

ちなみに今出回っているシークレットペーパーは、水に溶けるもの(デンプンなどの材料を使っている。) 、表面に金属を蒸着させコポーなどをしようとした際に黒くなり、できないものなどがあるらしいですね。

関連書籍 


超分子の未来―美しさを超えた分子システムの構築をめざして

超分子の設計や機能発現、システム化のコンセプトを具体的かつ基礎的に述べる。分子構造自体の美しさを超えた、より機能的な超分子の設計と、新しい概念に基づいた動的分子システムの構築に役立つ一冊。

関連リンク

シークレットペーパーシークレットペーパー

 

「個人情報保護」シークレットペーパー1 「個人情報保護」シークレットペーパー1

デンドリマー~分子の珊瑚礁~(1)

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 酸化亜鉛を用い青色ダイオード 東北大開発 コスト減期待
  2. トムソン:2008年ノーベル賞の有力候補者を発表
  3. EUで化学物質規制のREACHが施行
  4. ミドリムシが燃料を作る!? 石油由来の軽油を100%代替可能な次…
  5. 石油化学プラントの設備内部でドローンを飛行する実証事業を実施
  6. 2016年化学10大ニュース
  7. 三井化学、「環状オレフィンコポリマー(商標:アペル)」の生産能力…
  8. 第12回化学遺産認定~新たに3件を認定しました~

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. アゾ重合開始剤の特徴と選び方
  2. 金属キラル中心をもつ可視光レドックス不斉触媒
  3. 有機化学者の仕事:製薬会社
  4. シュライバー・アトキンス 無機化学 (上)・(下) 第 6 版
  5. 平田 義正 Yoshimasa Hirata
  6. 鉄系超伝導体の臨界温度が4倍に上昇
  7. 犬の「肥満治療薬」を認可=米食品医薬品局
  8. スチレンにCoのHATをかぶせれば、インドールを不斉アルキル化
  9. 栄養素取込、ミトコンドリア、菌学術セミナー 主催:同仁化学研究所
  10. N-カルバモイル化-脱アルキル化 N-carbamoylation-dealkylation

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー