[スポンサーリンク]

ケムステニュース

ノーベル賞親子2代受賞、コーンバーグさんが東大で講演

[スポンサーリンク]

 親子2代でノーベル賞を受けた米国のアーサー・コーンバーグ博士(89)とロジャー・コーンバーグ博士(60)を招いた講演会が23日に東京大学で開かれ、約1000人の参加者が研究や子育ての話題に聴き入った。 DNA合成酵素を発見したアーサーさんは59年に医学生理学賞を、長男でスタンフォード大教授のロジャーさんは昨年、遺伝子の働きの制御の研究で化学賞を受けた。 アーサーさんは講演で、「科学の大発見が価値をもたらすのは偶然。産業界に影響を与えることを最初からめざすべきではない」と自由な発想で行う研究の重要性を強調。研究者になる道もさまざまと指摘した(引用:朝日新聞)。

 

 

父、子共に著名な研究者、ましてや二人ともノーベル賞受賞者を招くとはなかなか豪華な講演会ですね。親子でノーベル賞をとるのはめずらしいかと思いきや、このコーンバーグ親子で6度目であるということです。親子議員や親子スポーツ選手もいるぐらいですから、親子研究者がいてもおかしくないでしょう。子は父の背中をみて育つということでしょうか。

 

最も有名な親子ノーベル賞受賞は、キュリー夫人(マリー・キュリー)とその夫ピエール・キュリーの子供である、イレーヌ・ジョリオ=キュリーです。キュリー夫人はノーベル物理学賞・化学賞の2つ、さらにはイレーヌ・ジョリオ=キュリーの夫も彼女と同時受賞でノーベル賞を得ているという、親子というよりも研究者一家ですね。

 

他にはトムソンの実験や、原子モデルの提唱者としてしられるジョゼフ・ジョン・トムソン。彼は1906年にノーベル物理学賞を受賞しましたが、その子供のジョージ・パジェット・トムソンも物理学者で「結晶による電子線回折現象の発見」による功績で1937年にノーベル物理学賞を受賞しています。

 

さらに面白いのはヘンリー・ブラッグ、ローレンス・ブラッグ親子。ブラッグの法則で有名な彼らです。彼らはなんと親子二人で研究を行って、1915年にノーベル物理学賞を受賞しています。その時息子のローレンスは25歳。驚愕ですね。

 

ちなみに親子でノーベル化学賞は残念ながらいません。親子でなかよく研究を行うことは現代ではあまりありえないかもしれませんが、共通する会話もできて面白いかもしれませんね。(苦笑)。

 

関連書籍

 

外部リンク

ノーベル賞-Wikipedia 備考欄にノーベル賞を二度受賞した人、親子二代で受賞した人など記載

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ミドリムシでインフルエンザ症状を緩和?
  2. 英グラクソスミスクライン、抗ウイルス薬を大幅値引きへ
  3. 「薬学の父」長井博士、半生を映画化へ
  4. CASがSciFinder-nの新しい予測逆合成機能を発表
  5. 日本化学会:次期会長に藤嶋昭氏を選出--初の直接選挙で
  6. 化学企業が相次いで学会や顧客から表彰される
  7. コケに注目!:薬や香料や食品としても
  8. がん治療にカレー成分-東北大サイエンスカフェ

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 有機合成化学協会誌2019年6月号:不斉ヘテロDiels-Alder反応・合金ナノ粒子触媒・グラフェンナノリボン・触媒的光延反応・フェイズ・バニシング
  2. 製薬各社 2010年度 第2四半期決算を発表
  3. 金属原子のみでできたサンドイッチ
  4. 和製マスコミの科学報道へ不平不満が絶えないのはなぜか
  5. 日本で始まる最先端半導体の開発 ~多くの素材メーカーが参画~
  6. 谷口 透 Tohru Taniguchi
  7. 人工軟骨への応用を目指した「ダブルネットワークゲル」
  8. 危ない試薬・面倒な試薬の便利な代替品
  9. アメリカ大学院留学:実験TAと成績評価の裏側
  10. 自己修復する単一分子素子「DNAジッパー」

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年7月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

2つの結合回転を熱と光によって操る、ベンズアミド構造の新たな性質を発見

 第 608回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院 生命科学院 生命科学専攻 生命医…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP