[スポンサーリンク]

ケムステニュース

NMR が、2016年度グッドデザイン賞を受賞

[スポンサーリンク]

日本電子株式会社のNMR装置「NMR spectrometer Z」が、このたび2016年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。機能を確実に達成するロジカルな構成、高性能であることが伝わるシンプルでエモーショナルな形状、圧倒的な存在感と精緻感で、本製品の高いスペックを的確に表現していることが評価されました(引用:JEOLプレスリリース 2016年9月29日)。

分子の構造決定には欠かせない核磁気共鳴(NMR)装置。それがグッドデザイン賞を受賞したということで、気になってみてしまいました。確かにカッコイイですよね。機能的にも分光器の大きさが以前のものと比較し格段に小さくなっており、ぜひほしい一品です。そうはいっても汎用の400MHz NMRといえど、郊外のマンションが1部屋購入できるぐらいの価格なので簡単には購入できませんが。

ごく最近、デザイン性が高い理化学機器が増えている気がします。一般的には機器のデザインは古くから変わらず一見していつの時代のデザインだろう?と思わせるものがほとんど。一方で最近は理化学機器のデザインにデザイナーが関わっているものもあるらしいのです。研究に使うものなので機能重視!みためなんて関係ない!その分安くしろ!などなど否定的な意見があるかもしれませんが、私はこの流れ大歓迎です。

だって、カッコイイほうがやる気が出るじゃないですか。

新しくても汚らしい、センスがない機器を使っているよりも、ステキな様相でかつ機能性も充実したもの方が研究もうまくいっている気がします(気がするだけかもしれないですが、そこ重要です)。

さて折角なので、今回の記事では最近かっこよいなと思った機器をいくつか紹介しましょう。

LaboACE LC-5060:日本分析工業

2016-10-21_10-00-31

LaboACE LC-5060(出典:日本分析工業)

一見して、コーヒーサーバーか!と思わせるような見た目。リサイクル分取HPLCです。つい最近までお世辞にもかっこいいなんて思えないものでしたが(失礼)、デザインを一新したようです。サイズも元々そんなに大きくはなかったですが、このリサイクルHPLCはA3サイズ。研究室にA3用紙をおけるスペースがあれば置けちゃう感じです。リサイクルHPLCでは高いシェアを誇る日本分析工業がかなり力をいれた一品となっております。

Rotavapor® R-300:ビュッヒ

2016-10-21_10-09-23

Rotavapor® R-300(出典:日本ビュッヒ)

有機溶媒の留去には必須のエバポレーター。ビュッヒはもともとデザイン性に優れていますが、このエバポレーターは数々のグッドデザイン賞を総なめにしています。確かにカッコイイ。もちろん機能的にも突沸防止機能(フォームセンサー)や条件記録までそこまでいるのか?という機能がつまっています。そもそもビュッヒのエバポレータをもっている研究室はお金持ちというイメージがありますね。価格交渉すればかなりお安くなるのですが。

NOCEシリーズ:オリエンタル技研

2016-10-21_10-25-26

NCG-ST(出典:オリエンタル技研)

これまで安かろう悪かろう(また失礼!)というイメージがあったオリエンタル技研ですが、昨年からこんなステキなドラフトを発売しています。NOCEシリーズは2015年のグッドデザイン賞を受賞しているようです。こんなドラフトだと汚しにくくなっちゃいますね。2016年に発売されたドラフトや実験台もグッドデザイン賞を受賞しているらしいですが、紹介した方が個人的には好きです。また同シリーズの実験台もこんな感じ。これは欲しくなる…

2016-10-21_22-36-16

NACD-FⅡ(出典:オリエンタル技研)

 

分析天びんAPシリーズ:島津製作所

2016-10-21_10-32-07

APシリーズ(出典:島津製作所)

最近、ニュースでみてほしいと思った黒ベースの天びん。天びんですとメトラー・トレドのものがデザインも機能もよいのですが、島津の天びんはお安いのでこちらを使っています。ただし、かっこわるい。今回発売されたものは、見た目もさることながら、機能も充実、安価であるといったすべての条件が揃った商品です。ただし、精度が低い!!一桁足りない。ぜひ欲しいので問い合わせたところ、もう少し精度が高いバージョンは来年の春辺りに発売予定とのこと。それを待ちたいと思います。

 

いかがでしたでしょうか。もちろん他にもかっこいい理化学機器は続々と発売されています。小さな備品から実験台など大きな什器まで、できるだけステキな環境で実験したいものですね。そのためには研究費を稼がねばいけません。

関連リンク

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 有機機能性色素におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用とは…
  2. 日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン P…
  3. 「超分子」でナノホース合成 人工毛細血管に道
  4. 毒劇アップデート
  5. 高活性、高耐久性を兼ね備えた世界初の固体鉄触媒の開発
  6. 振動強結合によるイオン伝導度の限界打破に成功
  7. 招福豆ムクナの不思議(6)植物が身を護る化学物資
  8. 自励振動ポリマーブラシ表面の創製

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ほう酸ナトリウム水和物 : Sodium Tetrakis[3,5-bis(trifluoromethyl)phenyl]borate Hydrate
  2. 調光機能付きコンタクトレンズが登場!光に合わせてレンズの色が変化し、目に入る光の量を自動で調節
  3. Stephacidin Bの全合成と触媒的ヒドロアミノアルキル化反応
  4. メタボ薬開発に道、脂肪合成妨げる化合物発見 京大など
  5. Ph.D. Comics – Piled Higher and Deeper
  6. 記事評価&コメントウィジェットを導入
  7. 水素化ホウ素ナトリウム Sodium Borohydride
  8. 韓国チームがiPS細胞の作製効率高める化合物を発見
  9. ジャンフェン・カイ Jianfeng Cai
  10. 天然イミンにインスパイアされたペプチド大環状化反応

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年10月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP