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Robert H. Grubbs(California Institute of Technology) |
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▼ 経歴
1942年生まれ。Columbia大学R.Breslow教授のもとでPh.Dを取得後、Stanford大学J.P.Collman教授の下でポスドクとして研究を行う。のちにMichigan大学を経て、2005年現在California工科大学・Victor
and Elizabeth Atkins Professor。 ▼受賞歴
ACS National Award in Organometallic Chemistry , Arthur C. Cope Scholar Award, ACS Award in polymer Chemistry , Nagoya Medal, Fluka Reagent of the Year, Benjamin Franklin Medal, ACS Herman F. Mark Polymer Chemistry Award, ACS Herbert C. Brown Award for Creative Research in Synthetic Method, Arthur C.Cope Award, ACS Gabor A. Somorjai Award for Creative Research in Catalysis, ACS Award for Creative Research in Homogenous or Heterogeneous Catalysis,The Richard C. Tolman Medal, Pauling Award Medal, Tetrahedron Prize, Paul Karrer Gold Medal等。2005年にはNobel Prize in Chemistry を受賞。
▼ 研究
オレフィンメタセシスにおけるGrubbs第一世代・第二世代触媒と呼ばれる触媒の開発、それを用いた反応の詳細な機構解析。閉環メタセシス・エンインメタセシス・クロスメタセシスを用いる有機合成化学における新規方法論の開拓。開環メタセシスポリメリゼーション・非環状ジエンメタセシスポリメリゼーションをもちいる種々の多官能基化・サイクリックポリマーなどの新規物質創成。
▼ コメント
メタセシス反応・触媒の開発に関して多大な業績を上げています。Grubbs触媒は合成化学の分野で広く用いられる画期的な触媒としてSchrock触媒と並び高い評価をうけています。この触媒が合成化学界に与えたインパクトはきわめて大きく、Grubbsは2005年のノーベル化学賞を受賞しています。 以前学会で拝見する機会があったのですが、とても背の高い方(190cmはゆうにあったかと)で、近くに居られると存在感の大きい方でした。ノーベル賞受賞前から合成化学の分野では名を知らない人がいないほど有名な研究者でしたが、今回の受賞でその名誉は有機化学領域を超えて不動のものとなりました。
▼ キーワード&解説
■ オレフィンメタセシス カルベン錯体触媒存在下、2種のオレフィンの結合の組み替えが起こり、新たなオレフィンが生成する反応。原則として平衡反応なので、生成系に進行させるためには工夫が必要となる(発生するエチレンガスを追い出すなど)。1990年代に入りRobert.
H. Grubbsらがその有効な触媒を開発したことによって、オレフィンメタセシスは有機合成化学において頻繁に用いられる反応の一つとなった。(ODOOS:オレフィンメタセシスより)
1992年にGrubbsらはルテニウムを中心金属とするアルキリデン触媒を開発しました。この触媒は1990年に開発されていたSchrock触媒(下図)に比べて官能基受容性の面に優れており、空気・湿気・少量の不純物に安定な取り扱い容易な錯体でした。1995年にその改良型のGrubbs第一世代触媒(下図)が報告・市販されて以来、メタセシス反応は合成化学の分野で一挙に広まりました。1999年にはN-ヘテロサイクリックカルベンを配位子として用いることで、安定性・官能基選択性・反応性など触媒性能をさらに向上させたGrubbs第二世代触媒(下図)の開発にも成功しています。
金属触媒を用いてポリマーを合成すると、通常は開始点と終点の両端が出来、直線型もしくは分枝型のものが大抵はできてしまいます。サイクリックポリマーはそれが無い環状のポリマーであり、効率的合成法はこれまで知られていませんでしたが、Grubbsの開発した触媒はこれを可能にしました(下図)。サイクリックポリマーは、新規な性質を持つ機能性物質に応用展開できるとして多くの注目を集めています。
▼書籍&論文
・Grubbs' Reserch Review on Olefin Metathesis: Tetrahedron 2004, 60,
7117.
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▼関連リンク
・メタセシスとカテナン(有機化学美術館)
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