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アルケン→アルケン
▼ 特徴
もっとも代表的な[4+2]環状付加反応で、いろいろなジエン(diene)と求ジエン(dienophile)からシクロヘキセン骨格が立体特異的、かつ位置選択的に得られる。縮環化合物(特に6員環を持つ化合物)の合成戦略ではほぼFirst Choice扱いで用いられる反応であり、数ある反応の中でも実用性は群を抜いている。 Danishefsky's dieneと呼ばれるジエンは、単純ジエンに比して位置選択性や反応性に優れているため、有機合成上有用な試薬として知られている。類似のものとしてDanishefsky-Brassard dieneが知られている。
本反応の開発によって、Otto DielsとKurt Alder両名は1950年のノーベル化学賞を受賞している。
▼ 文献 ・Kloetzel, M. C. Org. React. 1948, 4,
1. ▼ 反応機構
通常、dieneに電子供与基(EDG)、dienophilieに電子求引基(EWG)を持つ基質が反応に用いられる。dieneのHOMOとdienophilieのLUMOのエネルギー差が小さくなるため、軌道相互作用による安定化が効果的になり、反応が進行しやすくなるためである(正常電子要請型)。同様の考え方によればdienophileに電子供与基、dieneに電子求引基を持つものも反応しやすい(逆電子要請型)が、後者の機構は比較的稀である。
反応は協奏的に進み、endo付加体が優先的に得られる(endo則)。通常電子要請型の場合には二次軌道相互作用で一応の説明がなされているが、endo/exo選択性は基質の立体的な影響を大きく受けるため、基質によっては完全にexo選択的に進むこともある。とりわけ、環状化合物の分子内Diels-Alder反応では、コンフォメーションの自由度が低いため、endo則が当てはまらないことが多々ある。
Diels-Alder付加体の二つの置換基はオルト位/パラ位を占めるように位置選択的に付加することが有機電子論から経験的に予測される(オルト-パラ則)。詳細にはFrontier軌道のローブ係数を求めて比較することで説明がなされる。すなわち、下図のようにHOMO/LUMOの係数が大きい点同士が重なるように付加する。
環状遷移状態をとるべく、ジエンはs-cis(cisoid)配座をとって付加する。s-trans(transoid)配座からはDiels-Alder反応は進行しない。たとえば下記の反応においてZ-1,3-pentadieneはs-cis配座をとりにくいため、Diels-Alder反応の反応性はE体にくらべ著しく低下する。
▼ 反応例
▼ 参考文献 1)2)院有化II P106〜P116 ・サンドラー・カロ 官能基別有機化合物合成法 1976 廣川書店(p57,58) ・Dale L. Boger and Scott. E. Wolkenberg J. Org. Chem. 2000, 65, 9120.
・ Pericyclic Reactions - Reactions, Applications And Theory ・ Pericyclic Reactions (organic chemistry primers)
▼ 関連反応 ・エン反応 ▼ 関連リンク
1928年にドイツの化学者、オットー・ディールス(Otto Diels) とクルト・アルダー(Kurt Alder)によって発見された(1950年にノーベル化学賞受賞)。 ・Diels-Alder
Reaction (Wikipedia)
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