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Diels-Alder 反応

アルケン→アルケン

特徴

 

もっとも代表的な[4+2]環状付加反応で、いろいろなジエン(diene)と求ジエン(dienophile)からシクロヘキセン骨格が立体特異的、かつ位置選択的に得られる。縮環化合物(特に6員環を持つ化合物)の合成戦略ではほぼFirst Choice扱いで用いられる反応であり、数ある反応の中でも実用性は群を抜いている。

Danishefsky's dieneと呼ばれるジエンは、単純ジエンに比して位置選択性や反応性に優れているため、有機合成上有用な試薬として知られている。類似のものとしてDanishefsky-Brassard dieneが知られている。

 

 

 

本反応の開発によって、Otto DielsとKurt Alder両名は1950年のノーベル化学賞を受賞している。

 

 文献

・Kloetzel, M. C. Org. React. 1948, 4, 1.
・Holms, H. L. Org. React. 1948, 4, 60.
・Martin, J. G. Chem. Rev. 1961, 61, 537.
・Sustman, R. et al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1980, 19, 779.
・Oppolzer, W. Comprehensive Organic Synthesis 1991, 5, 315.
・Roush, W. R. Comprehensive Organic Synthesis 1991, 5, 513.
・Yamabe, S.; Minato, T. J. Org. Chem. 2000, 65, 1830-1841.

反応機構

 

通常、dieneに電子供与基(EDG)、dienophilieに電子求引基(EWG)を持つ基質が反応に用いられる。dieneのHOMOとdienophilieのLUMOのエネルギー差が小さくなるため、軌道相互作用による安定化が効果的になり、反応が進行しやすくなるためである(正常電子要請型)。同様の考え方によればdienophileに電子供与基、dieneに電子求引基を持つものも反応しやすい(逆電子要請型)が、後者の機構は比較的稀である。
HOMO-LUMOエネルギー差が小さいもの同士が反応しやすいため、基質をLewis酸などで活性化すれば、反応は加速される。

反応は協奏的に進み、endo付加体が優先的に得られる(endo)。通常電子要請型の場合には二次軌道相互作用で一応の説明がなされているが、endo/exo選択性は基質の立体的な影響を大きく受けるため、基質によっては完全にexo選択的に進むこともある。とりわけ、環状化合物の分子内Diels-Alder反応では、コンフォメーションの自由度が低いため、endo則が当てはまらないことが多々ある。

Diels-Alder付加体の二つの置換基はオルト位/パラ位を占めるように位置選択的に付加することが有機電子論から経験的に予測される(オルト-パラ則)。詳細にはFrontier軌道のローブ係数を求めて比較することで説明がなされる。すなわち、下図のようにHOMO/LUMOの係数が大きい点同士が重なるように付加する。

環状遷移状態をとるべく、ジエンはs-cis(cisoid)配座をとって付加する。s-trans(transoid)配座からはDiels-Alder反応は進行しない。たとえば下記の反応においてZ-1,3-pentadieneはs-cis配座をとりにくいため、Diels-Alder反応の反応性はE体にくらべ著しく低下する。

 

 反応例


近年ではDiels-Alder反応を利用した生合成模倣経路での全合成(Biomimetic Total Synthesis)が数多く報告されている。例えば、SorensenおよびEvansの両グループは分子内Diels-Alder反応を鍵反応とするFR182877の不斉全合成を達成している。(参考:有機って面白いよね!!生合成を模倣した有機合成」 )


 参考文献

1)2)院有化II P106〜P116

・サンドラー・カロ 官能基別有機化合物合成法  1976 廣川書店(p57,58)

・Dale L. Boger and Scott. E. Wolkenberg J. Org. Chem. 2000, 65, 9120.

 

Pericyclic Reactions - Reactions, Applications And Theory Reactions, Applications And Theory







Pericyclic Reactions (organic chemistry primers) undefined








The Diels-Alder Reactions: Selected Practical Methods  Selected Practical Methods






Cyclization Reactionundefined

 






Hetero Diels-Alder Methodology in Organic Synthesis

 

 関連反応

エン反応
・不斉Diels-Alder反応
・ヘテロDiels-Alder反応

 関連リンク


ディールス・アルダー反応ウィキペディア(Wikipedia) 化学用語

 1928年ドイツ化学者オットー・ディールス(Otto Diels) とクルト・アルダー(Kurt Alder)によって発見された(1950年ノーベル化学賞受賞)。

Diels-Alder Reaction (Wikipedia)
Diels-Alder Reaction
Diels-Alder Reaction(organic-chemistry.org)
Diels-Alder Reaction
有機って面白いよね!!生合成を模倣した有機合成


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