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アルケン→アルコール
▼ 特徴
B-H結合のオレフィンへの位置・立体選択的syn-付加と、それに続くH2O2/NaOH酸化により、アルケンからanti-Markovnikov型アルコールが合成できる。Oxymercurationや水和反応ではMarkovnikov型アルコールだけしか得られないため、これと相補的に用いることができる。Purdue大学のH.C.Brown教授は本反応の開発・有機ホウ素化学発展の業績によりG.Wittigとともに1979年のノーベル化学賞を受賞している。
さらに、置換基をキラルなものにした光学活性ボランを用いることで、光学活性アルコールの合成も可能となる。特に天然物のショウノウから誘導されるDiisopinocampheylborane(Ipc2BH)は実用性が高く、大量スケールの反応にも頻用される。
▼ 文献
・H. C. Brown, B. C. Subba Rao J. Am. Chem. Soc. 1956,
78, 5694.
▼ 反応機構
B-H結合の付加:まずオレフィンとB上の空軌道が相互作用してπ錯体を形成し、その後協奏的なsyn付加機構で進む。
▼ 反応例
9-BBNによる位置選択性の改善例
過酸化水素の代わりにヒドロキシルアミンスルホン酸塩で酸化を行うとアミンが合成できる。
トリアルキルホウ素化合物を一酸化炭素存在下高温で反応させると、アルキル基が全て一酸化炭素の炭素上に転位し、引き続く加水分解により三級アルコールが得られる。この方法により通常合成の難しいかさ高いアルコールの合成も可能となる。中間体ボラエポキシドからの転位は非常に遅いため、系中に水を添加しておくと3つめのアルキル基の転位が抑えられ、2級アルコールもしくはケトンの合成が可能になる。また、LiBH4などのヒドリド源を共存させて反応を行うと、アルキル基が一つ移動したボラケトンが還元され、第一級アルコールもしくはアルデヒドを得ることが出来る。機構などを以下にまとめる。
(反応例) 触媒量のRh(I)存在下末端アルキンへヒドロホウ素化を行うと、トランス付加がおこり、通常とは異なるZ-ビニルホウ素化合物が合成できる。[1]
巧みな立体選択的Hydroborationにより、岸らによってMonensinの全合成が達成されている。[2] おのおのの選択性は、基質がAllyl位反発を避けるよう最安定配座をとったとき、立体障害の少ない方からボランが付加する、というモデルで説明がなされる。
▼ 参考文献
[1] Ohmura, T.; Yamamoto, Y.; Miyaura, N. J. Am. Chem. Soc.
2000, 122, 4990.
▼ 関連反応
・オキシ水銀化-脱水銀化
▼ 関連リンク
・Herbert.C.Brown-Autobiography(Nobelprize.org) |