ケトン、アルデヒド→アルコール ▼ 特徴
LDAなどの強塩基によってドナー側カルボニル化合物のα位を完全に脱プロトン化させ、金属エノラートを前調製し、自己縮合を抑えて交差アルドール体を得る方法。 エノラートの幾何異性に応じて、立体特異的にアルデヒド及びケトンと反応し、syn/anti-アルドール体を与える。 トランスメタル化により、Li、Na、Mg、Zn、B、Al、Tiなど様々な金属種を用いることができるが、中でもシリルエノラート/スズエノラートは単離精製が可能である。特にシリルエノラートをルイス酸条件下に、カルボニル化合物に付加させる反応を向山アルドール反応と呼ぶ。 全合成におけるフラグメントカップリング鍵反応として用いられる例も少なくない。他の例や詳細は文献・Reviewを参照。
▼ 文献
・Review: Schetter, B.; Mahrwald, R. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 7506.
▼ 反応機構
Zimmerman-Traxler六員環遷移状態モデルが立体化学を上手く説明するモデルとして受け入れられている。アルデヒドの置換基はequatorialを向く遷移状態が安定であるとされるため、エノラートの幾何異性に依存して 生成物の立体化学は決定される。すなわち、Z-エノラートからはsyn体、E-エノラートからはanti体のアルドール化合物が得られる。 HMPAのようにリチウムなどの金属と強く配位する配位性溶媒を加えると、金属エノラートの分極が高まり反応性が向上する。一方で六員環遷移状態をとることができなくなるため、選択性は逆転し、基質に依存するようになる。 ▼ 反応例
置換基を持つケトンのエノラートの生成においては、その位置選択性が通常問題となるが、熱力学的/速度論的支配の条件選択により高度にコントロール可能なことも少なくない。 ボロンエノラートはB-O結合の短さゆえtightな六員環遷移状態をとり、リチウムエノラートよりも立体選択性が高くなる。 ボロンエノラートは、使用する試薬を選ぶことでE/Z体の作り分けが可能である。[1]
▼ 参考文献
[1] Brown, H. C.; Dhar, R. K.; Bakshi, R. K.; Pandiarajan, P. K.; Singaram, B. J. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 3441. ▼ 関連反応
・アルドール反応
▼ 関連リンク
・アルドール 反応(Wikipedia日本) さらに アルドール反応 で検索 |