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『ブラテラキノン(ブラッテラキノン)』blattellaquinone 分類:フェロモン

 

 チャバネゴキブリの性フェロモン。サイエンスに論文が報告されていました。(S. Nojima et al, Science, 2005, 307, 1104.)非常に単純な構造ですね。といっても最近の生物活性を有する天然物の単離、構造決定もそうですが5μgで構造を決定できるようになったのはすばらしいことです。GC-EAD、EI-MSと600HzのNMRで決定したそうです。

 

 合成は簡単。 2,5ジメトキシベンジルアルコールとイソバレルクロリドを縮合し、CANで酸化するだけです。こんな簡単に作れるなんて 、脅威です。しばらくキノン系の化合物を見るとゴキブリを思い出しそうです。(苦笑)

 

 

ゴキブリ合成

 

 「高速道路を一路西に向かって走る。もうこの道を通ることもないだろう。お気に入りのCDからはサザンの曲が流れている。突然、感極まり涙がとめどなく流れてきた。3年にわたる辛くも楽しかったアメリカでの研究生活を終えて、明日ついに帰国する。最後の最後で、長年研究者の挑戦を退けつづけていた研究をやり遂げた達成感、複雑な思いが心の中で絡み合い交錯していた。私はかまわず涙を流し続けた。」(野島聡、化学2005年8月号P30 [チャバネゴキブリ雌性フェロモンの解明]から引用)

 

化学に載っていた、ブラッテラキノンを単離した野島さんの記事です。非常に感極まるものがありましたので引用させていただきました。このとき著者は次の研究ポストがなく、最後の研究であったということです。(現在はこの研究がもとで研究者の道を続けています。)研究の厳しさ、それ以上に達成するまで達成したときの臨場感が伝わってくる記事でした。ぜひみなさんも読んでみて下さい。特に研究者を目指す方にはおすすめです。

 

 関連サイト

 

 ゴキブリフェロモン構造決定

  

   嫌われ者の昆虫ナンバーワン、チャバネゴキブリの性フェロモンが構造決定されたとの報告がなされました。単離したのは野島らのグループで、メスのゴキブリのしっぽにある腺を約15,000匹分集め抽出したそうです。(有機化学美術館 より)

 

 たけがわゆきこ(岳川有紀子)のホームページ:ゴキブリ

 

 関連書籍

 

   生物活性物質の化学―有機合成の考え方を学ぶ生物活性物質の化学―有機合成の考え方を学ぶ

 

 低分子量の生物活性物質、とくにホルモンとフェロモンについて、合成を中心に平易に解説。実験的な事柄を含めて生物活性物質の合成化学を解説するとともに、化学者の生き方についてもふれた、化学系の大学生のための副読本。

 

 
 

 関連ニュース(ケムステニュース

 

   メスゴキブリのフェロモン合成、駆除に活用・日米チーム(2005,2.18)

 

 ■性フェロモン感じる遺伝子、ガで初発見…京大グループ(2004.11.16)

 

 ガ求愛行動-性フェロモンを解明 東大など(2005.2.5)

 

 関連分子

 

   ボンビコール ブレビコミン

 

 関連商品

 

 

 

 


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