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特集ノーベル化学賞

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化学関連賞受賞者一覧

 

 

 

 

 

 

  スウェーデン王立科学アカデミーは2000年10月10日、2000年度ノーベル化学賞を白川英樹筑波大名誉教授(高分子化学専攻)ら3人に授与すると発表した。日本人のノーベル賞受賞は9人目で、94年の大江健三郎氏(文学)以来6年ぶりである。日本人のノーベル化学賞は故福井謙一京都大名誉教授(フロンティア軌道論)に続いて2人目になる。

 というニュースが先週報道された。

  日本人化学者又は目指すものにとって、勇気付けられる一報である。今年は野依良治名古屋大教授が有機化学の分野では最も権威ある2001年度のロジャー・アダムス賞の受賞決定、ガラスやセラミックスなど「非晶質」分野の際立った研究業績を対象にする「モーレイ賞」に平尾一之京都大工学研究科教授が選ばれるなど、日本の化学研究化学ブームの再到来かと思わせる。それは冗談として、今回白川名誉教授が受賞した研究「導電性高分子」について、簡単に説明してみよう。

 

導電性高分子とは

 

 高分子材料はプラスチックや合成ゴム、合成繊維等があり、これらはすべて絶縁体である。しかしポリアセチレンのようにπ電子が高分子の鎖全体に広がった構造をとり得る共役ポリマーに関しては、金属などを添加しないでも導電性を示す。それが導電性高分子で、2〜数10ミクロンくらいになるとアルミ箔のような手触りがあり、薄いものであると透けて見えるほどであるという。見た目も金属そっくりでそのことから合成金属とも呼ばれている特徴は金属に比べて軽くてしなやか、加工性に優れる、原材料のコストも安い等がある。

 

 実用という面では本格実用例としては実用されているものも多数あるが、さらに研究・開発が見込まれるその特徴よりポリマー電池、太陽電池、センサー、プラスチック電線、電磁波シールド材料等の幅広い応用が見込まれている。さらに将来には有機分子の一つ一つに記憶保持やスイッチ機能を持たせる分子素子や、生体の持つ特殊機能を発揮させるバイオ素子としての応用も考えられている。身近なもので言えば携帯電話等に持つかわれ、携帯電話の軽量化にも役に立っている。

 

 http://nobel.sdsc.edu/announcement/2000/cheminfoen.html に図付で詳しく内容が述べられているので覗いてみるとよい。

 

白川名誉教授の考え

 

 下記の参考文献でインタビュー形式で白川名誉教授の研究内容や化学、教育に対する考えや経験について述べてある。1990年の少し古い本であるが、ページ数も少なく読みやすいのでぜひ読んでみるとよい。そこから少し箇条書きして引用してみることにする。

 

 ・ポリアセチレンの構造を解析しフィルム化の方法も確立して、始めに出した論文は反響は一通もなく、日本の雑誌に投稿したときなどはレフェリーともめることもあった。

 ・ペンシルバニア大に留学して始めて業績を認めてくれる人に出会った。

 ・アメリカでは企業の人も大いに学会活動に貢献していて、大学の研究自体も産業とつながった研究をしている。

 ・研究を認めてもらうために、日本人研究者もアメリカ人のようにある程度は臆面もなく積極的になるような態度・または教員の指導が必要なのか

 ・学生のころから新素材についての興味を持っていた

 

..

参考文献

導電性高分子からなにがみえるか 白川英樹著 三田出版会(1990)

 

2000年度ノーベル化学賞(当HPサイト検索より)

 

NEWS

ノーベル化学賞に白川氏、導電性高分子を発見・開発

ノーベル化学賞-白川英樹氏 2000.10.11

 

導電性高分子、受賞者の研究、履歴等

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