Chem-Station-WhatsNew!-BBS-GuestBook-Chat-オークション-サイトマップ


転位って何?

 

 アルキルの転位って、理解しにくいですよね。

 ここでは、3,3ジメチル-2-ブタノールの脱水反応におけるの転位(図1)について考えてみる。

図1

 

 ぱっと見ただけではわかりにくいが、2位のMe基が3位の炭素に転位している。この反応機構は図2の様になっている。

図2

 

 ここで、カチオンの安定性は2級カチオン<3級カチオンである。このため、2級カチオンである中間体Aの2位のメチル基が3位に転位することによって3級カチオンとなり安定化する。

 この転位について、もう少し詳しく考察する。

図3

 

 2級カチオンから、3級カチオンに転位する際には、中間体としてアルキルアニオンが生成していることになる。アルキルアニオンを生成する物質にはMeLiなどがあるが、水などに触れると爆発する危険性のある物質である。このような不安定なものが中間体させてでも、2級カチオンより3級カチオンが安定(自由エネルギーが小さい)であるということになる。

 この反応によって、いかに3級カチオンが2級カチオンが安定かわかる。

 

 有機って面白いよね。           (by ボンビコール 2000/6/27)

 

▼転位反応の例

Fritsch-Buttenberg-Wiechell転位

Bambergerヒドロキシフェニルアミン転位

Wittig転位

Fries転位

ピナコール転位

Rupe転位

Carroll転位

Tiffeau-Demjanov転位

・Claisen転位

・Ireland-Claisen転位 

・Favorskii転位

・Beckmann転位

・Lossen転位

・Hofmann転位

・Curtius転位

・Schmidt転位

・Stevens転位

・Chapman転位

・Sommelet-Hauser転位

・Pummerer転位