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アルカンの融点

 

アルカンalkaneとはすべての炭素―炭素単結合がsingle bond でできている(例えばメタン、プロパンなど)炭化水素である。

また、アルカンの中でも直鎖アルカンstraigt-chain alkane と分枝アルカンbranched alkaneがあり、直鎖アルカンとは枝分かれのないunbranchedアルカンである。例えばブタンやペンタンなどは直鎖アルカンになる。

それに対して、分枝アルカンとは枝分かれのあるbranchedアルカンであり、例えばイソブタンやイソペンタンなどがある。

 

まず、沸点について直鎖アルカンの融点は分子量の増加、つまり炭素数の増加に伴って規則的に高くなる。(図1)

これは、分子量が大きくなるに従って、分子の大きさが増大するが、さらに重要なことは分子の表面積が増える。表面積が増えると分子間のvan der waals力が強くなり、分子同士をバラバラに沸騰させるのにより多くのエネルギー(=高温)を必要とするという理由からである。

それでは、融点も同じように増加していくのだろうか?

 

答えはNoである。

 

事実、炭素数1のメタンと炭素数10のアルカンを比べると融点は増加しているのだが、規則的ではない。

図2を見ればわかるように偶数の炭素原子を持つアルカンと奇数のアルカンとで融点はジグザグになっているのである!なぜこんなことが起こるのだろうか?

 

 

 

理由は偶数の炭素原子を持つアルカンは結晶状態で密につまっている(X線回折より)。その結果個々の分子間の引力が大きく、融点は高くなるということ 。

 

しかし、それだけで融点がこのようにジグザグになるのは不思議である。

やっぱり有機って面白いね!       

(2000/5/20 ブレビコミン)

【用語ミニ解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

van der waals力

 

2つの中性の安定な分子間に働く分子間力。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

X線構造解析

 

化合物の単結晶にX線を照射して起きる回折現象から,電子密度分布を解析する手法。

 

 X線構造解析
X線構造解析

 

X線結晶構造解析の基礎知識から、低分子化合物の構造解析、生体高分子であるタンパク質のX線構造解析の実際、トラブルシューティングの例までを紹介した、実験室で役立つ実用的な入門書。