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有機典型金属化合物の合成

  

 有機典型金属化合物の合成にはいろいろな種類がある。

 

    1)有機ハロゲン化号物と金属の直接反応

    2)有機金属と金属の直接反応

    3)炭化水素−金属直接反応

    4)不飽和炭化水素と金属の直接反応

    5)ハロゲンと金属の交換反応

    6)金属と金属の交換反応

    7)水素と金属の交換反応

    8)金属−水素あるいは金属−炭素結合への挿入反応

    9)メタセシス型交換反応

    10)求電子的な水素−金属交換反応

    11)金属−ヘテロ原子結合間への挿入反応

 

 このように有機典型金属化合物の調製法はたくさんあるが、ここで1)の有機ハロゲン化号物と金属の直接反応に注目してみる。

 

R−X + M → R−M + M−X

 

 リチウム以外の金属を用いてこの反応を行うと、生成する有機金属化合物の反応性が高いため、未反応のハロゲン化合物とWurtzカップリング反応が起こってしまう事が多い。(リチウムは反応性が低いため起こりにくい)。

 

R−X + R−M → R−R + M−X

 

 このため、ナトリウム化合物やカリウム化合物を 調製したい場合には上の反応形式3)や7)を用いる。

 

    3) R−H + M → R−M + 1/2 H

 

    7) R−H +R’−M → R−M + R’−H

(訂正:N(iPr)3 X =>N(iPr)2

 また、この1)の方法では目的の有機金属化合物の合成が困難な場合がある。この場合、金属を活性化することによって、目的物が得られることがある。活性化する方法としては主に2つの方法がある。まず1つ目としては、LN,LDMAN,LDBBなどを用いる方法である。

 

 これらは固体金属(不均一系)と異なり、THFなどの金属にかようなので均一系であるため、低温でも反応が速やかに進行する。実際の活性種は芳香族ラジカルアニオンである。

 

 2つ目の方法は、還元力の強いナトリウムやカリウム(金属固体)2族以降の種々の金属塩を還元して活性な0価金属を調製する方法である。

 

M−X + M’ → M + M’−X

                           M’=Na or K

 

 やっぱり有機って面白いよね!!!

(2000/7/26 ボンビコール)

【用語ミニ解説】

 

 

 

 

 有機金属反応剤ハンドブック―3Liから83Biまで
有機金属反応剤ハンドブック―3Liから83Biまで

 

有機合成化学によく使われている主要な元素40余について、元素の基本的性質、有機化学的特徴、代表的な化合物の合成法及び安定性・反応性、有機合成への応用の基本的考え方及び応用例を、簡潔にハンドブック形式で纏める。