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化学者のつぶやき

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

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これまでの自動サンプリング技術

多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有機合成実験の自動化とリアルタイム分析に多くの投資をしてきました。

弊社製品の中でいえば、自動合成装置EasyMaxで合成実験のリアルタイムコントロールパーソナル有機合成装置 EasyMax 402 をデモしてみた | Chem-Station (ケムステ)、また、反応モニタリング装置ReactIRでは、リアルタイムモニタリングが可能となります。

また、HPLCを使用した不純物モニタリングやキラル化合物分析に対しては、自動サンプリング装置EasySamplerで、無人化でのサンプルのバイアル保存が可能でした。

しかしバイアルに保存されたサンプルは手動で一つずつ分析にかける必要があったため

  • ルーチンワークによる生産性の低下
  • 長期保存によるサンプルの経年劣化
  • 後日の分析による、反応系内の理解の遅延

が課題でした。

微量分析が可能なHPLCをベースにしたオンラインシステムがあれば、上記のような課題を克服して、より高度な自動化と、リアルタイム分析によるより正確で迅速な反応追跡が可能になると考えました。

オンラインHPLCシステム:DirectInject-LCの誕生

ブリティッシュコロンビア大学のJason Hein教授のラボから生まれたベンチャー企業“Telescope Innovations社”とメトラー・トレドの共同開発により、新しいオンライン分析システムである、DirectInject-LCを開発しました。特徴と原理についてご紹介いたします。

・EasySampler プローブ

メトラー・トレドではすでにEasySamplerというユニークなサンプリングプローブがございます。チューブによる吸引ではなく、ポケット式の採取方法により、均一系反応以外にも

  • 不均一系 ②禁水や禁酸素系反応 ③高圧反応

のサンプリングが可能です。こちらの詳細は下記から閲覧ください。

化学反応を自動サンプリング! EasySampler 1210 | Chem-Station (ケムステ)

プローブにこちらを採用することで、幅広い化学反応に対して、ブレなく当量採取することが可能です。

PATツールの解析に特化したiC ソフトウエア

得られるLCデータは2Dデータですが、弊社のiC ソフトウエアで3D化いたします。

メトラー・トレドではインライン分析装置ReactIRの制御ソフト”iC IR”に代表されるように、PATツールから得られるデータを3D化して、反応を迅速に理解するツールをご提供しています。

DirectInject-LCでも専用の制御ソフト”iC LC”を使用することで、

  • X, y, z軸がそれぞれ保持時間、ピーク強度、実時間のDチャートで原料や不純物の推移をリアルタイムで観測(下記左図)
  • 任意の保持時間をピックアップして、2Dチャートで反応推移の正確な理解

が可能になります。(下記右図)

このソフトウェアにより、HPLCデータをまるでPATツールのような感覚でリアルタイム分析することが可能です。

自動合成装置と連携したフィードバック制御

自動合成装置EasyMaxでは、DirectInject-LCで分析した各ピーク推移の情報を取り込むことができます。

そのため、分析結果をもとに合成機をコントロールする“フィードバック制御”が可能です。一例ですが

  • 減量残5%以下を検知して、自動で酸滴下を開始する。
  • エナンチオマー過剰率99%以上を検知後、反応液を60℃から25℃に冷却し実験を終了する。

といった工程を自動化でき、実験者による結果のバラツキを抑えられるほか、無人環境でもクエンチや冷却といった操作にトリガーをかけることができます。

 

・動作の仕組み

本システムでは、DirectInject-LCにお持ちの(U)HPLCを接続してご使用いただけます。iC LCからお持ちのHPLCの制御ソフトに対して分析開始の指令を出すことができます。

下記が動作シーケンスの概略図です。

  • iC LCソフトウエアでサンプリングのインターバル(>LCメソッド時間)を設定し、分析を始めます。インターバル毎に、LC制御ソフトに対してメソッド開始のシグナルを送信します。ここではまだ分析は始まらず、HPLCは待機状態に移行します。
  • EasySamplerプローブに対してもサンプリングの指令が届き、ポケットの開閉と希釈液の押し出しにより、採取サンプルを送液します。
  • チューブ内の送液中に適切なタイミングでバルブを切り替えることで、接続されているHPLCにサンプルを注入します。このタイミングで待機状態のHPLCに信号を送り、指定メソッドによる分析が開始されます。
  • 分析終了後、データが自動でiC LCソフトウエアに読み込まれ、3Dチャートが構成されていきます。

上記の②~④が自動で繰り返されます。

ご興味がある方はこちら

DirectInject-LCは、採取、希釈、分析、結果表示まで一連のシーケンスを全自動で実行できます。プロセス開発の生産性を大きく向上させるツールとして海外製薬企業のプロセス開発の従事する方々からご好評をいただいております。2025年から日本国内での販売とサポートを開始した本製品は、お客様先でのデモンストレーションも可能です。ご興味ございましたら下記からお問い合わせ可能です。

DirectInject-LCを使用したオンラインHPLC

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