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化学・工学・情報系研究者も応募可能! 上原財団の研究助成が40周年で進化

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上原記念生命科学財団の助成金をご存知でしょうか。私も2014年に本助成をいただき、その後、研究室を主宰するにあたりゼロから立ち上げる必要がありましたが、その際に大変お世話になりました。

上原財団は「生命科学」の名を冠しているものの、実際には化学・工学・理学・情報・材料など、多岐にわたる融合領域の研究者を広く支援していることは、あまり知られていないのではないでしょうか。

今回、上原財団は設立40周年を機に助成制度を大幅に改定し、日本の科学研究をより強力に後押しする方向へ舵を切りました。本記事では、「応募対象の幅広さ」と「助成事業のアップデート」についてご紹介します。

「生命科学」=医学・薬学だけ? いえ、もっと広い

大学で学生や若手研究者と話していて、よく驚くのが、
「生命科学財団だから医薬系限定ですよね?」とか、
「推薦が必要で、学内選考のハードルが高そう…」
といった思い込みの多さです。

でも、実際には——
・材料科学から創薬・医療応用につなげたい
・物理や化学の視点から生命現象を理解したい
・工学系で生体デバイスを研究している
・情報科学で生物データ解析に取り組んでいる

こうした「D(生命科学と異分野の融合)」の研究もしっかり対象になっています。

さらに、上原財団の助成金には推薦枠があり、多くの大学で学内選考がありますが、
A〜C(生命科学分野)とは別に、「D(異分野融合)」の推薦枠が独立して用意されています。

つまり、工学的なアプローチで生命現象に挑む研究や、計算科学で構造生物学に切り込む研究、材料科学から創薬につなげる研究など、「自分は生命科学ど真ん中ではないかも」と思っている方にこそ、ぜひ検討してほしい助成金です。

設立40周年での大幅改定:背景にある“危機感”

今回の制度改定の背景には、研究現場の変化に対する明確な問題意識があります。

研究コストの上昇により、従来の助成額では物足りなくなりつつある
機器の更新費や維持費、試薬・消耗品費の高騰、さらには国際学会への参加や海外共同研究にかかる渡航費など、研究に必要なコストはここ数年で大きく増加しています。実際、「以前と同じ金額では思うように研究が進められない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

こうした状況の中で、従来の助成額のままでは、研究を十分に後押しするには不十分になりつつある——そんな危機感が、今回の制度見直しの出発点となっています。

 

生命科学 × 融合領域で挑むあなたへ

もしあなたが——
・材料科学で医療や生命科学にインパクトを与えたい
・化学の視点から生命現象の本質に迫りたい
・計算科学やAIで生命科学に新しい切り口を持ち込みたい
・工学バックグラウンドで生体現象を解き明かしたい

そんな思いを持っているなら、上原財団の研究助成はぜひ選択肢に入れてほしい制度です。

「自分は少し境界領域寄りかもしれない」と感じて応募を迷っている方こそ、むしろ対象です。
まずは一度、募集要項に目を通してみてください。きっと想像よりも“間口の広さ”に気づくはずです。

もちろん、海外研究助成制度も用意されています。今回の改定では、その支援額の大きな変化にもきっと驚かれるはずです。

おわりに

研究費の確保がますます厳しくなる時代において、財団の役割は確実に変わりつつあります。
上原記念生命科学財団は、そうした中で研究者に寄り添い、伴走し続けてくれる存在だと感じています。

改定された助成制度の詳細もすでに公開されていますので、ぜひ一度チェックしてみてください!

▶▷▶ 上原記念生命科学財団

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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