[スポンサーリンク]

ケムステニュース

製薬各社の被災状況

[スポンサーリンク]

        

東北地方太平洋沖地震から2週間が過ぎました。現地では燃料、食料品をはじめまだまだ物資が行き届かない状況が続いています。「薬」もその一つ。先日、NHKで被災地に薬が行き届いていない現状が放送されていました。ほとんどの薬は2~3ヶ月の在庫を各製薬会社または薬卸メーカーが保有しており薬の数自体は足りているのですが各地に点在する避難地域までの輸送にどうしても時間がかかっている状況です。

一方、今回の大地震で製薬メーカーの生産拠点の一部も打撃を受けています。薬というものはここで作れないなら他で作ればいいというわけにはいきません。未だに復旧のめどすら立たず、在庫限りで流通が滞る可能性のある薬もこれから出てくるかもしれません。先発品メーカーを中心に被災状況を列挙します。内容は各メーカーHP(プレスリリース等)から抜粋し簡単にまとめています。国内大手の武田薬品とエーザイは被災状況に関して特に発表していませんでした。

  • 味の素製薬(3/22付け)

福島工場(福島県白河市)が被災し現在一時的に操業停止状態。福島工場生産品のうち、在庫が逼迫していた以下5製品については本年3月下旬より供給ができない状態になる。ニフレック配合内用剤、プロクトセディル坐薬、同軟膏、テレミンソフト坐薬2mg、同10mg

  • 第一三共(3/25付け)

小名浜工場(福島県いわき市)、プラバスタチン、オルメサルタンなどの原薬製造工場であるが、現在操業停止状態。建屋に大きな損壊はないが安全性の観点から、内部施設の詳細な損壊状況の確認もできていない状況。

平塚工場(神奈川県平塚市)オルメテック、カルブロック、メバロチンなどの製造をしていたが、現在一部を除いて操業停止中。本年3月末を目処に復旧予定。

  •  塩野義製薬(3/16付け)

抗生物質製剤並びにがん疼痛治療薬の製造していた金ケ崎工場(岩手県胆沢郡金ケ崎町)が被災し建物・設備に被害が生じた。停電と余震の危険性から全面的に操業停止中。操業再開時期は未定。

  • アステラス製薬(3/23付け)

生産関連施設の西根工場(岩手県八幡平市西根町)が被災。一部製品の出荷は再開したが、生産については操業停止中。早期再開に向けて取り組み中。

高萩工場(茨城県高萩市)は研究業務停止状態。早期の業務再開に向け対応手順等検討中。つくば市の研究所はすでに通常業務を再開している。

  • 持田製薬(3/17付け)

本社工場(栃木県大田原市)の製剤棟設備、製造機械等に甚大な被害があることが判明し操業停止中。現在のところ、当面の操業再開について目途が立っていない状況。

  • 田辺三菱製薬(3/15付け)

鹿島工場(茨城県神栖市)、足利工場(栃木県足利市)においては建物・設備等に大きな被害はなかったものの、現在操業一時停止中。復旧に向けて全力で取り組んでいる。

  • 中外製薬(3/18付け)

宇都宮工場(栃木県宇都宮市)について建物と設備の一部に損傷の被害が出た。3/16に一部機能について操業を再開したものの、全面操業再開の見通しは立っていない。

  • 明治製菓医薬事業(3/25付け)

北上工場(岩手県北上市)において建物・設備に被害が生じ操業停止中。復旧作業中。

  • 久光製薬(3/23付け)

宇都宮工場(栃木県宇都宮市)で建物・設備に一部損壊が生じ、安全点検等のために操業停止中。早期復旧に向けて対応中。

  • 協和発酵キリン(3/23付け)

生産委託先での被災があり、一部製品で製造再開の目処が立っていない。自社工場での生産立ち上げを準備中。

  • 大正製薬(3/15付け)

大宮工場(埼玉県さいたま市)、羽生工場(埼玉県羽生市)について生産に大きな影響はない。

  • ヤクルト医薬品事業(3/18付け)

富士裾野医薬品工場について、製造に支障をきたす被害はなかった。

  • キョーリン製薬(3/14付け)

能代工場(秋田県能代市)、岡谷工場(長野県岡谷市)共に人的・物損的被害はなし。

  • 大日本住友製薬(3/17付け)

生産拠点における被害なし。

  • 小野薬品(3/25付け)

生産拠点における被害なし。

  • 日本新薬(3/15付け)

小田原総合製剤工場(神奈川県小田原市)で建物に軽度の損傷はあったが生産活動には影響ない。

 

関連書籍

matsumoto

matsumoto

投稿者の記事一覧

修士(工学)。学生時代は有機合成・天然物合成に従事し、現在は某製 薬メーカー合成研究員。

関連記事

  1. 2021年、ムーアの法則が崩れる?
  2. 頻尿・尿失禁治療薬「ベシケア」を米国で発売 山之内製薬
  3. 化学物質の環境リスクを学べる「かんたん化学物質ガイド」開設
  4. 環境、人体に優しい高分子合成を開発 静大と製薬会社が開発
  5. 韮崎大村美術館が27日オープン 女性作家中心に90点展示
  6. 田辺三菱 国内5番目のDPP-4阻害薬承認見通し
  7. ドイツのマックス・プランク研究所をご存じですか
  8. ユネスコ女性科学賞:小林教授を表彰

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 「日産化学」ってどんな会社?
  2. 就職活動2014スタートー就活を楽しむ方法
  3. ジュリア・コシエンスキー オレフィン合成 Julia-Kocienski Olefination
  4. 有機合成化学 vs. 合成生物学 ― 将来の「薬作り」を席巻するのはどっち?
  5. ヘテロカンシラノール
  6. 植物改良の薬開発 金大・染井教授 根を伸ばす薬剤や、落果防止のものも
  7. シリコンバレーへようこそ! ~JBCシリコンバレーバイオ合宿~
  8. CASがSciFinder-nの画期的逆合成プランナーの発表で研究・開発の生産性向上を促進
  9. 合成化学者のための固体DNP-NMR
  10. ドイツのマックス・プランク研究所をご存じですか

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

注目情報

注目情報

最新記事

アルケンのエナンチオ選択的ヒドロアリール化反応

パラジウム触媒を用いたアルケンの還元的Heck型ヒドロアリール化反応が開発された。容易に着脱可能なキ…

第109回―「サステイナブルな高分子材料の創製」Andrew Dove教授

第109回の海外化学者インタビューは、アンドリュー・ダヴ教授です。ワーウィック大学化学科に所属(訳注…

蛍光異方性 Fluorescence Anisotropy

蛍光異方性(fluorescence anisotropy)とは溶液中で回転する分子の回転速…

(–)-Spirochensilide Aの不斉全合成

(–)-Spirochensilide Aの初の不斉全合成が達成された。タングステンを用いたシクロプ…

第108回―「Nature Chemistryの編集長として」Stuart Cantrill博士

第108回の海外化学者インタビューは、スチュアート・カントリル博士です。Nature Chemist…

化学工業で活躍する有機電解合成

かつて化学工業は四大公害病をはじめ深刻な外部不経済をもたらしましたが、現代ではその反省を踏まえ、安全…

細胞内の温度をあるがままの状態で測定する新手法の開発 ~「水分子」を温度計に~

第266回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院薬学研究科 中林研究室 修士二年生の杉村 俊紀(…

ケムステSlack、開設一周年!

ケムステが主体となって立ち上げた化学専用オープンコミュニティ、ケムステSlackを開設してはや一年が…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP