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【協和ファーマケミカル】“作れる”だけでは終わらない。原薬を安定供給へつなぐプロセス開発の研究

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協和ファーマケミカルの研究開発を理解するうえで欠かせないシンボリックな化合物が、プロスタグランジン類です。プロスタグランジン類は、人の体内にも存在し、炎症など様々な生理作用に関わる化合物です。この作用を応用し、血管拡張、血小板凝集抑制、子宮収縮、眼圧低下、便秘などの薬として医療現場でも幅広く利用されています。

また、プロスタグランジン類は、複数の不斉中心を有する複雑な化学構造をしています。基本的な合成法は、ノーベル賞受賞者のE.J.Corey博士らによって確立され、1969年にJACSにて論文発表されています。しかし、医薬品として実用化するためには、安定性を含む多くの課題があり、有機合成化学とプロセス化学の総合力が問われる化合物です。

当社では1970年頃から、製造プロセスの研究・開発に取り組み始め、現在まで技術を積み重ねています。当社では、コーリーラクトンを鍵中間体とし、側鎖も含め効率的な製造プロセスを開発しています。プロセス中には、不斉触媒、光学分割、クロマトグラフィーによる分離のいずれも含まれています。当社では、利用可能な技術は何でもチャレンジすることで、立体制御を含むような製造プロセスにおいても、コスト低減と安定生産を同時に実現しています。また、多段階にわたる合成プロセスを、分析法と併せて開発した実績があります。(最長は、下図のリマプロスト)

薬づくりのためには、安定した生産プロセスの開発が重要です。ラボで成立した合成スキームが、そのまま製造に適用できることは少なく、発熱、撹拌、濃度、精製効率、作業性、安全性など多様な課題を解決する必要があります。さらに、医薬品原薬を安定して供給するためには、原料の変更や、容易に入手可能な化合物から原料を合成することもあります。

プロスタグランジンで培った技術とノウハウは、現在強化しているCDMO事業にも展開しています。国内外の製薬企業や創薬ベンチャーが進める新薬開発の領域では、研究開発用パイロットプラントも活用しながら、開発初期段階の候補化合物を製造し、商用まで一貫して新薬開発をサポートしています。協和ファーマケミカルは、核とする有機合成技術と工業化ノウハウを基盤に、合成原薬の新たな可能性に挑戦しています。

リマプロストの製造スキーム(光学分割・不斉合成・クロマト精製が含まれる)

 

原薬製造において、反応に用いる触媒や試薬がなければ、自ら作り出すことにも挑戦します。すべてが成功するわけではありませんが、世の中に知られていない新たなものを開発できることもあります。
その一例が、大豆多糖類を触媒として使用する不斉反応です。エポキシシクロヘキサンへのアミンの付加反応で見出しました。
最初は、光学活性アミノシクロヘキサノール誘導体の不斉アミノ化酵素の探索から始まりましたが、市販酵素にわずかに含まれていた大豆多糖類由来物が、触媒能を持つことを発見しました。
触媒として安定的に入手できるものとして、食品添加物として販売されている不二製油株式会社さんのソヤファイブを用いました。
生産プロセスの研究も行い、最終的には100kg以上のスケールで光学活性アミノシクロヘキサノール誘導体を製造することにも成功しています。
このように、自由な発想で新たな技術への挑戦を積極的に行える点も、当社の研究部門の特徴です。

大豆多糖類による不斉反応

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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