
「データはある。でもAIに渡せない」——その壁を壊す多くの研究現場に、こういう状況があります。
実験データは積み上がっている。スペクトルも、組成データも、顕微鏡画像も。でもAIを使って予測モデルを作ろうとすると、最初の段階で止まってしまう。データをAIが読める形に変換するには、プログラミングの知識が必要だから。あるいは計算化学の専門家に依頼するしかない。そしてその専門家は、別のプロジェクトで手が離せない。
Multi-Sigma-Alchemyは、この「入口の詰まり」を解消するために作られました。
研究者が持っているデータ(分子でも、スペクトルでも、画像でも)を、AI が学習できる形に自動変換し、予測・探索・候補絞り込みまでをノーコードで実行できる、研究開発向けの統合AI解析環境です。

誰のためのツールか
Multi-Sigma-Alchemyを届けたいお客様は、計算化学者や機械学習エンジニアではありません。実験を行っている有機化学者、材料を設計している研究者、適切な製剤や配合を探索している開発担当者、つまり、データを持っているが、そのデータをAIに渡す手段を持っていない人たちです。
RDKitやPythonを知らなくても、Morganフィンガープリントが何かを知らなくても、Multi-Sigma-Alchemyは使えます。研究者がやることは「どのデータを使って、何を予測したいか」を選ぶことだけです。
科学データを、AIの入力に変える

Multi-Sigma-Alchemyの核心は、多様な形式の科学データを自動でAI入力形式に変換する機能です。
- 分子・化学式・組成データを持っているなら、Multi-Sigma-Alchemyが構造的な特徴を数値表現に変換します。研究者はSMILESを書いたリストをそのまま渡すだけです。
- IR・ラマン・XRD・UV-Visなどのスペクトルデータも、そのまま入力として使えます。測定したファイルを読み込むだけで、波形の特徴が自動で抽出されます。スペクトルを「使えるデータ」に変えるために、別途前処理スクリプトを書く必要はありません。
- 顕微鏡画像や材料のテクスチャ画像も対応しています。画像から構造的な特徴をAIが自動で読み取り、目視では気づけない特性との相関を見つけます。結晶粒の形態や表面の状態が、特性予測の手がかりになります。
この変換プロセスがボトルネックだったために、これまで眠らせていたデータがある研究者にとって、Multi-Sigma-Alchemyはその入口を開くツールになります。
少ないデータから始めて、積み重ねていく
MIに取り組む研究者が最初に直面するもう一つの現実は、データが少ないことです。
新しいテーマでは、最初の実験結果が10件、20件というところから始まります。Multi-Sigma®はそうした少量データからでも機能するように設計されており、内部のパラメータ調整は自動で行われます(この自動調整技術は国際特許を取得しています)。研究者がモデルの設定に悩む必要はありません。
そして研究が進み、対象が変わっていくとき、たとえば最初の化合物群から、構造的に異なる次の化合物群へ移るとき、Multi-Sigma®では、過去のモデルを出発点として新しいデータに合わせてモデルをファインチューニングすることができます。ゼロから作り直す必要がない、つまり、過去の実験が次の探索の資産になります。
複数の予測をつなげることもできます。「組成から構造を予測し、その構造から物性を予測する」という多段階の関係を、一つの連続したAIワークフローとして実行できます。実験設計とAI解析が、研究の論理に沿って組み合わさります。
モデル構築の先に広がる、世界規模の化合物空間
モデルができたとき、それを使って何ができるか——ここに、Multi-Sigma-Alchemyの大きな価値があります。

物性で探す:数百万分子の予測データベース
Multi-Sigma-Alchemyには、数百万件規模の分子に対して、あらかじめ物性予測を計算した専用データベースが組み込まれています。目標とする物性値の範囲や構造的条件を指定することで、条件に合致する分子、または類似する分子を即座に検索・抽出できます。
リアルタイムに大量の予測計算を行うのではなく、すでに計算済みの知識の中から有望な候補を見つけ出す仕組みです。これにより、自社のラボだけでは評価しきれない世界規模の化合物空間へ、実質的にアクセスすることができます。
目標特性から、候補構造を生み出す:逆設計と化学構造生成
Multi-Sigma-Alchemyでは、探索の方向を逆にすることもできます。「この物性を達成したい」という目標値を起点に、研究者自身の実験データで学習したモデルを活用し、目標特性に近づく可能性のある化学構造を生成・提案します。
これは、既存データベースの中から候補を探すだけではありません。既知化合物の枠を超えて、まだ試されていない新しい構造候補をAIが生成し、その中から有望な分子を検討できる点が、Multi-Sigma-Alchemyにおける逆設計の特徴です。
実験を「試して確かめる」ものから、「AIで候補を絞り込み、狙って試す」ものへ。この転換こそが、Multi-Sigma-Alchemyが研究開発にもたらす最も根本的な変化です。
どの分野で使えるか
Multi-Sigma-Alchemyは特定の分野専用のツールではありません。分野を問わず、研究者が共通して直面する問題、データはあるのにAIに渡せない・候補は多いのに絞る根拠がない、に対応しています。
製薬・創薬、金属・合金、触媒・MOFs、電池・電極、冷媒、フィルム・電子材料、農薬、食品・香料。これらはすべて、「手元のデータで特性を予測したい」という同じ構造の問題を持っています。Multi-Sigma-Alchemyはその問題を解くソリューションとして設計されており、分野ごとの特別な設定は必要ありません。自分のデータを持ち込めば、そのまま始められます。
7月22日(水)正午、ライブでMulti-Sigma-Alchemyをお見せします

7月22日(水)12:00 より、正式リリース記念のオンラインウェビナーを開催します。
登壇するのは、Navin Rajapriya(エイゾス 研究開発部)です。実際の操作画面を使いながら、実験データの読み込みから特徴量の抽出・モデルの学習、そして類似構造の探索と目標物性を満たす候補の発見まで、一連の流れをライブでお見せします。「自分のデータで動くか」「自分の研究テーマに使えるか」——その判断に必要なものを、1 時間で持ち帰っていただけるようにします。参加費は無料です。事前申込制ですので、以下のリンクからご登録ください。
会社概要
| 項目 | 詳細 |
| 社名 | 株式会社エイゾス(AIZOTH Inc.) |
| 本社 | 茨城県つくば市 |
| 代表取締役 | 河尻 耕太郎 |
| 事業内容 | ノーコード AI 解析プラットフォームの開発・提供 |
| 主要製品 | Multi-Sigma®、Multi-Sigma-Alchemy |
| URL | https://aizoth.com |





























