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市川聡 Satoshi ICHIKAWA

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市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学者である。北海道大学 教授。

第58回ケムステVシンポ講師。

 

経歴

1994 北海道大学薬学部 卒業
1999 北海道大学大学院薬学研究科 博士号取得(松田彰教授)
1999 スクリプス研究所 博士研究員(Dale L. Boger教授)
2001 北海道大学大学院薬学研究科 助手
2009 北海道大学大学院薬学研究院 准教授
2015 北海道大学大学院薬学研究院 教授

受賞歴

2005 日本薬学会北海道支部奨励賞
2007 日本薬学会奨励賞

 

研究業績

天然物合成化学

天然物の全合成は、創薬研究の出発点となる重要な技術です。合成戦略の開発と実践により、シリンゴリンA、[1] ナノシスチンAx、[2] エチノマイシン、[3] プラスバシンA3、[4] ムライマイシンD2、[5] カプラゾール、[6] スファエリミシン誘導体、[7] ツニカマイシン[8] などの生物活性天然物の全合成を達成しました。これらは抗菌活性や抗がん活性を有する重要な化合物群です。

全合成した天然物の代表例

 

天然物を基盤とする創薬化学

天然物を出発点に、構造改変による活性最適化を行っています。例えば、シリンゴリンA誘導体では、プロテアソーム阻害活性を4500倍、ヒトがん細胞殺細胞活性を550倍向上させ、既存薬耐性がんにも有効なリード化合物を創出しました(下図)。[9] 詳細な反応速度論解析に基づいた理論的分子設計も行っています。[10] また創薬においては、標的タンパク質との結合様式を理解することは不可欠です。抗菌薬開発の新しい標的として注目されている膜内在型酵素MraYと天然物のX線共結晶構造を解明し、[11] 構造に基づいた薬物設計を行っています。[12]

構造設計に基づく創薬化学

 

天然物創薬プラットフォームの構築

天然物誘導体の迅速合成を可能にするビルドアップライブラリー法を開発し、数百化合物のライブラリー構築と活性評価を達成しています。[13] さらにペプチドスキャンニングを組み合わせ、コリスチン耐性菌に有効な新規誘導体を同定しています。[14] 本プラットフォームは、天然物よりも高活性なヒット化合物を効率的に創出する強力な技術基盤です(下図)。

新たな効率的ライブラリー構築法の開発

 

名言集

コメント&その他

関連動画

関連文献

[1] Chiba, T.; Hosono, H.; Nakagawa, K.; Asaka, M.; Takeda, H.; Matsuda, A.; Ichikawa, S. Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 126, 4936-4939. DOI: 10.1002/ange.201402428

[2] Miyakita, D.; Kawanishi, K.; Katsuyama, A.; Yamamoto, K.; Yakushiji, F.; Ichikawa, S. J. Org. Chem. 2023, 88, 11367. DOI: 10.1021/acs.joc.3c01189

[3] Kojima, K.; Yakushiji, F.; Katsuyama, A.; Ichikawa, S. Org. Lett. 2020, 22, 4217-4221. DOI: 10.1021/acs.orglett.0c01268

[4] Katsuyama, A.; Yakushiji, F.; Ichikawa, S. J. Org. Chem. 2018, 83, 7085-7101. DOI: 10.1021/acs.joc.8b00038

[5] Tanino, T.; Ichikawa, S.; Shiro, M.; Matsuda, A. J. Org. Chem. 2010, 75, 1366-1377. DOI: 10.1021/jo9027193

[6] Hirano, S.; Ichikawa, ; Matsuda, A. Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 1854-1856. DOI: 10.1002/anie.200462439

[7] Nakaya, T.; Yabe, M.; Mashalidis, E.; Sato, T.; Yamamoto, K.; Hikiji, Y.; Katsuyama, A.; Shinohara, M.; Minato, Y.; Takahashi, S.; Horiuchi, M., Yokota, S.-i.; Lee, S.-Y.; Ichikawa, . Nature Commun. 2022, 13, 7575. DOI: 10.1038/s41467-022-35227-z

[8] Yamamoto, K.; Yakushiji, F.; Matsumaru, T.; Ichikawa, S. Org. Lett. 2018, 20, 256-259. DOI: 10.1021/acs.orglett.7b03623

[9] Yoshida, T.; Ri, M.; Kanamori, T.; Aoki, S.; Ashour, R.; Kinoshita, S.; Narita, T.; Totani, H.; Masaki, A.; Ito, A.; Kusumoto, S.; Ishida, T.; Komatsu, H.; Kitahata, S.; Chiba, T.; Ichikawa S.; Iida, S. Oncotarget 2018, 9, 9975-9991. DOI: 10.18632/oncotarget.24160

[10] Kitahata, S.; Yakushiji, F.; Ichikawa S. Chem. Sci. 2017, 8, 6959-6963. DOI: 10.1039/C7SC02941A

[11] Chung, C. B.; Mashalidis, H. E.; Tanino, T.; Kim, M.; Matsuda, A.; Hong, J.; Ichikawa, S.; Lee, S.-Y. Nature, 2016, 533, 557-561. DOI:10.1038/nature17636

[12] Yoo, J.; Mashalidis, E.; Kuk, A. C. Y.; Yamamoto, K.; Kaeser, B.; Ichikawa, S.; Lee, S.-Y. Nat. Struct. Mol. Biol. 2018, 25, 217-224. DOI: 10.1038/s41594-018-0031-y

[13] Yamamoto, K.; Sato, T.; Hao, A.; Asao, K.; Kaguchi, R.; Kusaka, S.; Ruddarraju, R. R.; Kazamori, D.; Seo, K.; Takahashi, S.; Horiuchi, M.; Yokota, S.-i.; Lee, S.-Y.; Ichikawa, S. Nat. Commun. 2024, 15, 5085. DOI:10.1038/s41467-024-49484-7

[14] Kaguchi, R..; Katsuyama, A.; Sato, T.; Takahashi, S.; Horiuchi, M..; Yokota, S.-i.; Ichikawa, S. J. Am. Chem. Soc. 2023, 145, 3665-3681 DOI: 10.1021/jacs.2c12971

 

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有機合成を専門とする教員。将来取り組む研究分野を探し求める「なんでも屋」。若いうちに色々なケミストリーに触れようと邁進中。

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