[スポンサーリンク]

ケムステニュース

メガネが不要になる目薬「Nanodrops(ナノドロップス)」

[スポンサーリンク]

A new eye drop developed by Israeli ophthalmologists, has successfully fixed corneas in pig eyes, and could potentially do the same for people.(futurism.com 2月24日)

イスラエルのバル・イラン大学のDavid Smadja 博士は、近視や遠視を調整する目薬「Nanodrops(ナノドロップス)」を開発しました。Nanodropsは特定の光学的特性を有するナノ粒子を含有していて、これを点眼することで視力が矯正されるという仕組みのようです。実際に豚を使った実験では近視にも遠視にも効果が得られることがわかり、電子顕微鏡によって角膜を測定したところ、角膜表面から深さ60μmまでの部分に平均直径0.58nmのナノ粒子が観測されたそうです。この結果を受けてSmadja博士は、2018年中にNanodropsのヒトへの臨床試験を予定しています。

角膜の構造

研究グループの研究論文や特許を発見できなかったため詳細は不明ですが、貴金属のナノ粒子が角膜内部で屈折力を改善させていると予測されます。現在では、眼鏡、コンタクトレンズ、手術、オルソケラトロジー など様々な矯正方法がありますが、費用や利便性で一長一短があります。ナノ粒子が長期間角膜にとどまるならば、利便性はかなり高く、視力が変化した場合でも目薬を再使用するか目薬の種類を変えるだけとなることも目薬の利点だと言えます。さらには発展途上国では、矯正が必要にも関わらず眼鏡やコンタクトレンズをもてない人がいます。そんな人々にも、メンテ不要で顔の形によってカスタマイズする必要のない目薬は適用できる一方で、ナノ粒子の人体への影響は100%解明されておらず、人体への悪影響が心配されます。いずれにしてもナノ粒子の応用として実用化が期待される研究だと言えます。

関連書籍

[amazonjs asin=”4764950278″ locale=”JP” title=”ナノコロイド: 合成・物性・機能 (シリーズ:未来を創るナノ・サイエンス&テクノロジー)”] [amazonjs asin=”4062915170″ locale=”JP” title=”「よく見える目」をあきらめない 遠視・近視・白内障の最新医療 (講談社+α新書)”]

関連リンク

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 200MHzのNMRが持ち歩けるって本当!?
  2. 秋の褒章2011-化学
  3. 特許資産規模ランキング トップ3は富士フイルム、LG CHEM、…
  4. 住友化学、イスラエルのスタートアップ企業へ出資 ~においセンサー…
  5. 力を受けると蛍光性分子を放出する有機過酸化物
  6. 製薬各社 2010年度決算
  7. ノーベル化学賞、米仏の3氏に・「メタセシス反応」研究を評価
  8. 日本で発展する化学向けAIと量子コンピューターテクノロジー

注目情報

ピックアップ記事

  1. 材料開発におけるインフォマティクス 〜DBによる材料探索、スペクトル・画像活用〜
  2. 売切れ必至!?ガロン瓶をまもるうわさの「ガロテクト」試してみた
  3. 2005年6月分の気になる化学関連ニュース投票結果
  4. 第127回―「生物学的に取扱困難な金属イオンを研究する」Ann Valentine教授
  5. ChemDrawの開発秘話〜SciFinder連携機能レビュー
  6. “かぼちゃ分子”内で分子内Diels–Alder反応
  7. スルホキシド/セレノキシドのsyn-β脱離 Syn-β-elimination of Sulfoxide/Selenoxide
  8. プラテンシマイシン /platensimycin
  9. 新たなクリックケミストリーを拓く”SuFEx反応”
  10. 口頭発表での緊張しない6つのヒント

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2018年3月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

第6回鈴木章賞授賞式&第10回ICReDD国際シンポジウム開催のお知らせ

計算科学、情報科学、実験科学の3分野融合による新たな化学反応開発に興味のある方はぜひご参加ください!…

条件の「前後」も実験条件である【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

そのpH、“本当にその場所”の値ですか?ニードル式pHセンサーを使ってみた!

突然ですが、「培養の再現性がなんか悪い」「同じ条件のはずなのに結果がズレる」といった経験はあ…

「骨格編集」×「ナノカーボン合成」〜ナノカーボン合成の新戦略を実証〜

第719回のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院工学研究科(忍久保研究室)博士後期課程2年の平…

【書評】立体化学 はじめの一歩

立体化学は,分子の三次元構造を理解するための重要な分野であり,有機化学や…

水のシミュレーション入門 — 水分子を計算機の中でどう”描く”か —

身近なのに、計算機にとって手強い"水"。本記事では、点電荷モデルから機械学習まで、その"描き方"の進…

◆◇◆◇ 第36回フォーラム・イン・ドージン開催のご案内 ◆◇◆◇

同仁化学研究所が熊本から世界へ情報発信するフォーラム・イン・ドージンの開催ご案内です。今年は『な…

『力』による円偏光発光のon/off制御を単一分子レベルで実現

第718回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 物質理工学院(相良研究室)博士後期課程2年の野中…

数日かかっていた反応機構解析を、わずか数分に!

機械学習ポテンシャルが変える計算化学の現在近年、DFT計算による反応機構解析は広く行われるよ…

海外ポスドクのオファーをもらう【アメリカで Ph.D. を取る: 進路編】

ポスドクとして海外に留学する場合、希望する研究室の教授に直接連絡を取り、面接などを通して適性を判断さ…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP