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カルボン酸の保護 Protection of Carboxylic Acid

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概要

カルボン酸は活性プロトンをもつ高極性官能基であり、扱いやすくするため保護したまま取り扱うことが一般的。
エステル縮合条件やアルキル化条件を用いて、エステル型にして保護することが一般的。強塩基条件(NaOH-/EtOH-H2Oなど)で脱保護できるほか、それぞれに特徴的な脱保護条件が存在する。よく使われるものを以下に示す。
PG_carboacid_2.gif
強塩基性条件下に安定な保護基としては、OBOエステルが知られている。オルトエステル型なので、こちらは酸加水分解条件にて脱保護できる。
PG_carboacid_4.gif

基本文献

 

反応機構

 

反応例

(トリメチルシリル)ジアゾメタンを用いることで、カルボン酸選択的にメチル化を行うことが可能。[1] この条件下では、アルコールはメチル化されない。ワークアップもエバポレーターで溶媒除去するだけでよく、簡単。
PG_carboacid_3.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Shioiri, T.; Aoyama, T.; Mori, S. Org. Synth., Coll. Vol.
1993, 8, 612.

 

関連反応

 

関連書籍

 

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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