超公聴会は、今年度博士号を取得する大学院生が公聴会の内容を持ち寄ってオンライン上で発表する会です。主に大学院生を対象として化学に関する配信を行っている Chemistry Wednesday (けむすい) さん (= 北海道大学の宮岸先生) が主催する会で、2023 年頃から毎年開かれています。今回、私 (= やぶ) が 2026 年 5 月に Ph.D. を取得する運びになったので、超公聴会 2026 での発表に登録しました。みなさん、ぜひ YouTube でご覧ください!!
超公聴会 2026 の概要
参加登録: 不要
参加方法: 下記リンクのYouTube の配信から
超公聴会 2026 Day 1
超公聴会 2026 Day 2
日時:
Day 1: 2026年3月14日(土) 13:00–14:20
Day 2: 2026年3月30日(月) 13:00–16:30
プログラム
Day 1: 3/14 (土)
13:00-13:10 趣旨説明13:10-13:40 遠山 祥史 (名大院理)
メカノケミカル反応を用いた多環芳香族分子の合成と変換
13:40-13:50 質疑応答13:50-14:20 遠山 和希 (科学大院物質理工)
ミセル型カプセルを活用した金属錯体の集合/内包制御と光特性の発現
14:20-14:30 質疑応答
Day 2: 3/30 (月)
13:00-13:10 趣旨説明13:10-13:40 西沖 航平 (富山大院薬)
シクロデキストリンで分子封止されたロタキサン型蛍光色素の高収率合成法の確立とその光物性の評価
13:40-13:50 質疑応答13:50-14:20 薮内 祐人 (UC Berkeley)
Systematic Control of H2 Coordination at Open Cu(I) Sites in Metal–Organic Frameworks
14:20-14:30 質疑応答14:30-15:00 宇治 雅記 (東大院理)
有機フォトン・アップコンバージョン材料の分子設計と 機能応用に向けた研究
15:00-15:10 質疑応答15:10-15:40 菅野 陸童 (京大院工)
両親媒性ランダム共重合体によるセルフソーティングと刺激応答性材料
15:40-15:50 質疑応答15:50-16:20 橋床 亜伊瑠 (東大院理)
亜硝酸2-メトキシエチルを用いたC–N結合形成反応の開発
16:20-16:30 質疑応答
意気込みおよびコメント
大学院留学記事として「アメリカで Ph.D. を取る」シリーズを受験期からケムステに投稿しておりました。最近そのシリーズの更新を全くしていませんでしたが、海外大学院出願全落ちから始まった留学開始から 8 年が経ち、オーバードクターしながらも、ついに 2026 年 5 月に Ph.D. を取得する運びとなりました。
大学院留学の受験期から応援してくださった読者の皆さんもいるので、そういった方々へ「これだけ成長しました」という証を少しでもお見せできればという思いから超公聴会にエントリーしました。卒業までの経緯や卒業後の進路の決まり方などについては、追って記事を作成できればと考えています。
ちなみに UC Berkeley の Chemistry Ph.D. (や他の多くの分野) ではディフェンスや公聴会に相当するイベントがありません。そのため、私はグループミーティング (1 年に一度、研究室全体の前で選りすぐりの成果を質疑応答込みで 90 分程度話す会) のスライドを使いまわして発表する予定です。発表は英語で行います。日本の研究コミュニティに自身の研究をアウトリーチするという意味では日本語で発表することにも価値や需要はあると思うのですが、なるべく海外の研究室のグループミーティングの雰囲気をなるべくそのまま持ち込むということにも価値があるだろうという考えです。
発表内容については、基本的には論文化済みの成果のみを話します。といっても、現状論文化されているプロジェクトは1つだけなので、一般的なイントロ (博士論文の第一章) とその論文化されているプロジェクト (博士論文の第二章) をメインでお話するつもりです。現在リビジョンにある論文 (博士論文の第三章) が超公聴会までにアクセプトされる可能もゼロではないので、もしアクセプトされればそれについてもお話します (可能性は低そうです)。過去の超公聴会の発表者のようにたくさんは論文を出せていないのでもどかしい思いはありますが、精一杯頑張ります。質疑応答は日本語でも対応する予定なので、ぜひライブで視聴して応援コメントや質問を気軽に残してくださると喜びます。
Day 1, Day 2 ともにリマインド通知をオンにしてぜひご覧ください!!
超公聴会の発表は毎年面白いですが、今年も見どころたくさんです。いくつかの発表者については、ケムステのスポットライトリサーチでもインタビューしているので、そちらから発表者の人となりや研究について予習してから超公聴会を視聴すると、より一層楽しめるかもしれませんね (本記事末の関連記事を参照)。
最後になりますが、このような素敵な会を開いてくださった主催のけむすいさんに感謝を申し上げます。公聴会は博士課程の研究の総まとめとも言える発表ですが、日本全国いや全世界の学生のそれを聞くことができるというのは、視聴する側としても大変贅沢な会です。超公聴会の取り組みは、なるべく長く続いてほしいと思います。というわけで、3/14 と 3/30 の超公聴会の YouTube のリマインド通知をオンにして、ぜひご覧ください。
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