[スポンサーリンク]

一般的な話題

魔法のカイロ アラジン

[スポンサーリンク]

aladdin.jpg

 12月に入りすっかり肌寒くなりました。防寒具や暖房器具が欠かせない季節ですね。

最近ネットサーフィンしてたら面白いものに出会いました。その名も「魔法のカイロ アラジン」。なんと再利用可能なカイロとのこと。

現代ではカイロと言ったら「使い捨てカイロ」を思い浮かべます。大雑把に言えば、鉄を急速に錆びさせ、その発熱をカイロに利用するというもの。
「ハクキンカイロ」「エネループカイロ」というのも知られています。前者はオイルを徐々に酸化させ、その発熱を利用します。酸化触媒として白金を使っているためその名がついています。後者は充電式のカイロで、電気エネルギーを熱エネルギーに変換しています。

では「アラジン」は一体どんなカイロなんでしょうか。その中身は・・・酢酸ナトリウム。そんなものがなぜ再利用できるカイロになるんでしょうか?

実は酢酸ナトリウムに特有の化学的性質を有効利用しているのです。
液状(過冷却状態)の酢酸ナトリウムを刺激すると、急速に固化し始めます(ムービーを参照)。この際に蓄えられた熱(潜熱)が放出されます。これをカイロに利用しているのです。冷めたら電子レンジでチンすればまた元の液体に戻り、再利用が可能という寸法。大変面白い仕組みですね。

販売元のセンチュリー株式会社は、PC周辺機器を扱う会社と思っていたのですが、こんなのまで手がけてるとは。アキバユーザが好きそうなガジェット(目新しい小物的アイテム)、と言われればそういう気も・・・目の付け所がユニークですね。

 

  • 関連商品
SANYO 充電式カイロ 「eneloop kairo」 (ブラック) KIR-S2S(K)
三洋電機
発売日:2007-09-23
おすすめ度:4.0
おすすめ度4 寒い冬のお供に。
  • 関連リンク

デジタル小物・魔法のカイロ アラジン センチュリーの商品紹介ページ

魔法のカイロ・アラジン – 関心空間

触ると固まっていくインスタント・ホット・アイスのムービーなど – GIGAZINE

見てても楽しい「魔法のカイロ アラジン」- ケータイWatch

使い捨てないカイロ

Magical Heat Pack

懐炉 – Wikipedia

酢酸ナトリウム – Wikipedia

潜熱 – Wikipedia

Sodium Acetate – instructable.com

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 5-ヒドロキシトリプトファン選択的な生体共役反応
  2. 目指せPlanar!反芳香族性NIR色素の開発
  3. 投票!2013年ノーベル化学賞は誰の手に??
  4. 芳香族カルボン酸をHAT触媒に応用する
  5. PACIFICHEM2010に参加してきました!②
  6. 低温低圧・常温常圧窒素固定の反応開発 最新情報サマリー その1
  7. この輪っか状の分子パないの!
  8. 始めよう!3Dプリンターを使った実験器具DIY:準備・お手軽プリ…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 科学部をもっと増やそうよ
  2. 製薬各社 2010年度 第2四半期決算を発表
  3. 第155回―「化学結合と反応性を理論化学で理解する」Sason Shaik教授
  4. 「優れた研究テーマ」はどう選ぶべき?
  5. 生体分子機械の集団運動の制御に成功:環境適応能や自己修復機能の発見
  6. クラプコ脱炭酸 Krapcho Decarboxylation
  7. 組曲『ノーベル化学賞』
  8. ブーボー/ボドロー・チチバビン アルデヒド合成 Bouveault/Bodroux-Chichibabin Aldehyde Synthesis
  9. ゲルマニウム触媒でアルキンからベンゼンをつくる
  10. 医薬品の黄金世代到来?

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年12月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

Host-Guest相互作用を利用した世界初の自己修復材料”WIZARDシリーズ”

昨今、脱炭素社会への実現に向け、石油原料を主に使用している樹脂に対し、メンテナンス性の軽減や材料の長…

有機合成化学協会誌2025年4月号:リングサイズ発散・プベルル酸・イナミド・第5族遷移金属アルキリデン錯体・強発光性白金錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年4月号がオンラインで公開されています!…

第57回若手ペプチド夏の勉強会

日時2025年8月3日(日)~8月5日(火) 合宿型勉強会会場三…

人工光合成の方法で有機合成反応を実現

第653回のスポットライトリサーチは、名古屋大学 学際統合物質科学研究機構 野依特別研究室 (斎藤研…

乙卯研究所 2025年度下期 研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

次世代の二次元物質 遷移金属ダイカルコゲナイド

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP