久しぶりにアメリカへ行ってきました。今回の目的は、GRC(Gordon Research Conference)“Natural Products and Bioactive Compounds”への招待参加。その前後に、ハーバード大学とブランダイス大学でも講演の機会をいただきました。
この記事では、以前書いた「ゴードン会議に参加して:ボストン周辺滞在記」(Part I/ Part 2)の最新版として、今後渡米予定の方にとって参考になるような情報も交えながら、旅の記録をまとめていきます。
7月22日 羽田空港から出発
今回は羽田空港から出発。ちょうど2025年7月にオープンしたばかりのアメックス・センチュリオンラウンジを見学してきました。和食メニューが豊富で、ANAラウンジよりも食事の種類は多め。なかでも“尾崎牛”を使ったカレーが売りのようですが、個人的にはANAの定番チキンカレーのほうが好みでした。朝食メニューにはオムレツやおにぎりもあり、外国人利用者を意識した構成のようです。
- 7月オープンのセンチュリオンラウンジ
- 中のフードビュッフェはこんな感じ
- カレーとオムレツ
- バーは充実
ラウンジ内にはちゃんとしたバーもあり、知多や白州、各種ワインも揃っていて、ゆっくり飲みたい方には非常におすすめ。ただし、ANAラウンジにあるラーメンやそばはここにはないので、一長一短といったところ。
そんなこんなでゆっくりしていたら、まさかの出発便が20分遅延。乗継地のシカゴでの乗り換えが心配に…。また、今回は「機内食は控えめに」と思っていたはずが、結局いろいろ食べて飲んでしまいました。
寝ようとしても寝付けず、映画を2〜3本とメール対応などの仕事。ちなみに、機内Wi-Fiは意外と快適で(といってもなんとか繋がる程度)、テキストや写真程度なら問題なく送れます。朝食はラーメンに変更して、いざシカゴへ。
シカゴ経由でボストンへ
シカゴでの乗り換えはスムーズでした。ANAはターミナル2、ユナイテッドの国内線はターミナル1と案内されていたので、最初は少し混乱しましたが、無事に乗り継ぎ完了。
ボストン到着時は15時ごろで、気温は26度。日本よりも湿度が低く、かなり快適な気候でした。ただし、ホテルのシャトルバスが全然来ない…。最終的にUberを使ってホテルへ移動。18ドル(チップ・空港使用料込)で、想定よりは高くなく一安心。
ちなみに、ホテル併設のスターバックスはヴェンティサイズで8ドルと高めだけど致命的なほどではなく、コカコーラゼロの6ドルはさすがにホテル価格だなと。
ボストン初日:チポトレ再会、そして夜の会議
宿泊したEmbassy Suites Logan Airportは、ボストン中心部に比べて安め(それでも日本よりは高い)ですが、周辺に食事処が皆無。ということで、Uber EatsでChipotle(チポトレ・チポレー)を注文。
これは留学時代に毎週食べていた思い出のメキシカンファストフード。日本未上陸なのが不思議でなりません。東京には似たような「フリーホーレス」があるけど、やっぱりチポトレの方がパンチがありますね。
到着した日の深夜には、さっそく教室会議にオンライン参加。どこでも会議に参加できる時代の“デメリット”を感じつつ、少しだけ仮眠。
ハーバード大学訪問と講演
翌朝10:30、Uberでハーバード大学へ。現地の事務スタッフが迎えてくれ、今回のホストであるRichard Liu教授(リチャード)と合流。ハーバード→MIT→ハーバードのエリートコースを歩むAssistant Professorです。今回が初対面でしたが、やはり優秀な方は人柄も素晴らしい。
まずは、ハーバードTシャツの購入ミッション。目的のTシャツが1軒目にはなかったため、COOPへ移動して7枚を購入。ちなみに、ホストと一緒に行けば10%のディスカウントが受けられるのでおすすめです!
ハーバードの研究者たちとの交流
ランチでは、Myers研の学生、Jacobsen研のポスドク、ミュンヘン大学からの留学生など4名とサンドイッチを食べながら懇談。会議室には歴代教授の写真がずらり。なぜその研究室を選んだのか?今後の進路、アメリカの経済事情など、率直に話せる良い時間になりました。
その後、Theodore Betley教授(Ted)とディスカッション。大量のグローブボックスに囲まれた研究室で、オリジナルな無機錯体とその反応について深掘り。
さらに、Eric Jacobsen教授とも面会。Ericスライドには「for Prof. Yamaguchi」の文字が…感激です。GRCや名古屋での話も覚えていてくれていて、しっかりディスカッションも行いました。
続いて、Liu研の学生たちとも交流。日本人の内藤くんとも初めて直接話ができ、頼もしい様子に安心しました。
最後はホストのRichardと、重なっていない研究テーマや今後の展望、PIとしての姿勢や学生とのコミュニケーションについて意見交換。
ハーバードでの講演と懇親会
講演は、練習不足だったこともあり内容的には自己採点で50点。ただ、聴衆は非常に熱心で、化学的な内容には興味を持ってくれた様子。
終了後は、ディスカッションした3名と徒歩で10分ほど移動し、Harvard Squareのビストロ「Forage」で懇親会。地元の新鮮な野菜と肉料理、ワインを楽しみながら、Jacobsen研のアカデミックな人材輩出についての話題や、日本人研究者の名前もちらほら登場しました。
講演後の2日間と、いざGRCへ
講演後は都合により2日間フリー。ホテルの部屋でGRC向けのスライドを作成しつつ、日本の仕事もこなす日々。たまに散歩もしましたが、アメリカの多様さと、日本の安定感を改めて実感する時間にもなりました。
ちなみに、ホテル予約を1日分間違えていたことが発覚。電話で確認しても「取れている」と言われたのに、やはり現地では予約がなく、結局フロントで直接交渉して延泊対応。
いよいよGRC出発の朝を迎えました。次回「Part II」以降では、GRCでの出来事やブランダイス大学での講演についてお届けします。
つづく。




































