[スポンサーリンク]

一般的な話題

米国へ講演旅行へ行ってきました:Part IV

[スポンサーリンク]

 

3部作で終わろうと思いながら、書くことが多すぎて終われませんでした。前回から2ヶ月以上たってますが、最終回のPartIVいきます。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で講演後の後のお話です。翌日が講演であったため、懇親会後に次の講演先であるパデュー大学のあるインディアナ州ウェストラファイエットへ移動。リモでおよそ2時間半ほどでした。大学敷地内にあるUnion Club Hotelに到着。いくらか仕事してた後に就寝。

7つめ:パデュー大学

実はパデュー大学訪問のみスクリプスつながりではありませんでした。ゴードン会議で知り合ったMingji Dai准教授 (以下Minji)にホストをしてもらいましたが、彼がいいやつすぎたのと、H. C. Brown根岸英一先生の所属大学ということで一度は訪れてみたかったため、ツアーに組み込んでもらいました。

朝9時にDave Thompson教授に迎えに来てもらって訪問開始。

まずは、パデュー大学の化学科をいろいろと見せてもらいました(写真1)。まあとにかく広いですね(写真2)。建物もいくつか別れていて、スペースも豊富。確かに田舎であることは間違いないですが、落ち着いて研究をしたいならこういう環境がいいのかもしれません。

Paul Wenthold准教授とのディスカッション(正直ながらあまり面白くなかった)の後、Chris Uyeda助教授とのディスカッション。日本で会って飲んだことがあったので、よく知っていました。極めて優秀な化学者だと思います。ニッケルの二核錯体を使った新規反応開発が特に最近有名です。普通は新規錯体つくってもなかなか既存の触媒を量ができない研究が多い中、新しい反応を開拓していてすばらしい。

その後、Alexander Wei教授とのディスカッション。渡邊くんという山形大学出身の学生が博士研究員として働いており、一緒にディスカッションしました。昔会ったことあったらしかったのですが、残念ながら覚えておらず(すみません)。ただ、今回彼はとってもアクティブで好印象でした。

各研究室の学生と昼食後、ディスカッション再開。

次はMingjiだったので、雑談して終わりました。続いて、Mark Lipton准教授。ディスカッションは忘れました。次は、Arun Ghosh教授。あまり知られていませんが、DarunavirというHIV治療薬を上市したパワフルな研究者です。次世代のHIV治療薬について熱く語ってくれました。

また、どういう経緯で今回ここで講演をするのかも聞かれました。Purdue大学は以前まで年間呼べる講演者が決まっていて、学科の総意で決まっていたそうです。そんなところに講演をぶっこんでもらってホストのMinjiに感謝。

次のAbram Axelrod教授は急遽用時でディスカッションできなかったため、少し休憩して講演。なんとか終わりました。最後に、MinjiとBlownと根岸先生の銅像の前で記念写真(写真3)。

懇親会は写真のメンバーと(写真4, 5)。その後、Minjiともう一軒飲みに行って、ホテルに帰宅。彼はほんといいやつです。今年また日本に来るので、ホストは全力接待してあげてください。

Mingjiと別れた後、少しだけ眠って夜中にリモで出発。インディアナポリス空港へ向かいました。

実は私の研究室の講師、武藤くんの結婚式が入り、1日早く帰らねばならなかったので、最後の目的地であるイェール大学は早朝(夜中)の移動になったのです。朝の5時50分にインディアナポリス空港から、ワシントンDC空港へ飛び、乗り換えてハートフォード空港へついたのが、10時ぐらい。そこからリモで1時間ちょっと。お昼前にイェール大学付近のホテルに到着しました。

8つめ:イェール大学

最後の目的地、東海岸のニューヘブンにあるイェール大学へ訪問しました。ホストは、Tim Newhouse准教授 (以下Tim)。彼も、Baran研時代の博士課程の学生でした。お昼ご飯をイタリアンレストラン(ニューヘブンはイタリアンレストランが多いらしい)一緒に食べ、一路大学へ。

はじめのディスカッションは、Seth Herzon教授。同い年で、私が名大在職時に講演で会ったことがあり、名古屋観光も一緒にいったので仲良し。雑談とコーヒーを飲み(全然寝てなかったのでとっても眠く…)、彼の最新の化学を堪能しました。

続いては、Nilay Hazari教授。結構近い化学をやっているため、ディスカッションははずみました。ほとんど当研究室で開発した反応をやっている学生ともディスカッションしたのですが、ちょっとイマイチでした。疲れていたのを考慮してくれたのか、これでディスカッションは終わりで、講演会。なんとか終わり、米国全8大学で講演した安堵の気持ちに包まれました。

その後は、学生と懇親会。なぜかみんな女性でした。昔スペインのICIQであったことがある(らしい)学生もいて、楽しく食事をしました。その後、Timが迎えに来てくれて、2次会。今回の講演旅行を設定してくれたお礼と思い出話。

翌日、Timに迎えに来てもらって、Yale大学グッズを購入後、空港へ。JFK空港から、翌日羽田に到着。こうして、私の米国講演旅行は終わりを告げました。

帰国して:ミッション達成

さて今回の講演旅行(昨年の12月ですが)、ミッションが2つありました。1つはPartIIにも書きましたが、

「米国の大学のパーカー(フーディー)もしくはTシャツを買ってくること」

達成しました!

スクリプス4着、スタンフォード3着、最後のイェールで4着で、全部で11着。小さなスーツケースによくはいったものです。

もう一つのミッションは、

「米国でディスカッションした人に早稲田Tシャツにサインをもらってくること」

達成しました!これ正直めちゃくちゃ好評だったので、ぜひ若い研究者はやってみてください。ディスカッションした人全員からサインがもらってあります。

最後に:素敵な友人たちに感謝

さて、筆者のさぼりすぎのせいで、ようやく終わった米国講演旅行記。今後大学を訪れる際の参考にしていただければ幸いです。最後に、もう一度素敵な化学の友人たちに感謝して終わりたいと思います。ありがとう!

PS 日曜日からタイ、そして11月にはイギリスに講演旅行にいきます。意外と貴重だと思いますのでまた講演旅行記でお伝えできればと思っています。ではでは。

関連記事

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 三角形ラジカルを使って発光性2次元ハニカムスピン格子構造を組み立…
  2. たったひとつのたんぱく質分子のリン酸化を検出する新手法を開発
  3. 第30回光学活性化合物シンポジウム
  4. 化学研究ライフハック:化学検索ツールをあなたのブラウザに
  5. 乙卯研究所 研究員募集 第二弾 2022年度
  6. 有機合成化学協会誌2025年4月号:リングサイズ発散・プベルル酸…
  7. 小説『ラブ・ケミストリー』聖地巡礼してきた
  8. 「ソーシャルメディアを活用したスタートアップの価値向上」 Blo…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 超原子結晶!TCNE!インターカレーション!!!
  2. サイアメントの作ったドラマ「彼岸島」オープニングがすごい!
  3. 化学における特許権侵害訴訟~特許の真価が問われる時~
  4. TED.comで世界最高の英語プレゼンを学ぶ
  5. 目指せ!フェロモンでリア充生活
  6. MI conference 2025開催のお知らせ
  7. ケムステイブニングミキサー2019に参加しよう!
  8. 天然物の構造改訂:30年間信じられていた立体配置が逆だった
  9. 三角形ラジカルを使って発光性2次元ハニカムスピン格子構造を組み立てる!
  10. タウリン捕まえた!カゴの中の鳥にパイ電子雲がタッチ

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2019年8月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP