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有機合成化学協会誌2026年4月号:activatable型分子プローブ・DMAPO触媒・カルビノールアニオン・アミコラマイシンの全合成・構造指向スクリーニング

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有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2026年4月号がオンラインで公開されています。

5件の総合論文に加え、岡野先生(神戸大)の「MyPR」、小笠原先生(徳島大)の「感動の瞬間」が掲載されています。

会員の方は、それぞれの画像をクリックすると、J-STAGEを通じてすべて閲覧できます。

巻頭言:イタリア・サルデーニャ島の思い出 [オープンアクセス]

今月号の巻頭言は、北海道大学大学院工学研究院 伊藤 肇 教授による寄稿記事です。

同じ場所でも状況が違えば景色が全く変わることを、中東情勢に気を揉む中で改めて考えさせられる寄稿記事です。

求核性官能基を持つシアニン色素の合成とactivatable型分子プローブとしての応用

三木康嗣*、Huiying Mu、大江浩一*(京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻)

本論文は、生体内の特定環境や酵素活性に応答して発光する「activatable型」シアニン色素分子プローブの設計指針について述べています。従来の「always-on型」蛍光プローブの課題を克服し、高コントラストで生体内イメージング可能な新規分子プローブを開発したことで、腫瘍など病変部位の高感度かつ選択的な可視化が期待されます。

DMAPO触媒/Boc2O反応系による低反応性窒素求核剤とカルボン酸の簡便なアミド化反応

梅原厚志*(東北大学大学院生命科学研究科)

アミド結合形成反応は、創薬研究において最も汎用されている重要な化学反応の1つです。今回筆者は、”反応性の低い窒素求核剤”とカルボン酸の効率的なアミド結合形成反応を開発しました。従来法に比べて簡便な実験操作かつ穏和な反応条件で進行します。基質適用性が広く、高収率で反応が進行するのも特徴のひとつです。

カルボニル化合物のカルビノールアニオンへの極性転換

奥村慎太郎1*、魚住泰広2*(1京都大学大学院工学研究科化学理工学専攻、2分子科学研究所)

光触媒を用いた多電子移動プロセスを巧妙に利用することで、カルボニル炭素を求核的な部位へと極性転換して開発された革新的な分子変換法についてまとめられた総合論文です。最先端の知見が体系的に記載されており、有機合成化学や触媒開発に携わる研究者にとって大変有用な内容となっています。

特異なハイブリッド型環構造を有する広域抗生物質アミコラマイシンの全合成

目黑康洋*、桑原重文*(東北大学大学院農学研究科)

薬剤耐性菌に卓抜した活性を示す新規抗生物質、アミコラマイシンの全合成を独創的な戦略で完遂。熾烈な競合研究との比較を通じ、天然物の構造決定から複雑な骨格構築の難題克服までを緻密に詳述。洗練された反応条件に宿る合成化学の美しさと合理性は、ハイブリッド型分子合成の新たな指針。薬剤耐性問題への解と有機合成の進展に大いなる足跡を刻む、本分野の記念碑的な一報である。

構造指向スクリーニングによる微生物からの新規骨格化合物探索

五十嵐康弘*(富山県立大学工学部生物工学科)

微生物由来天然物は創薬や化学研究における重要な資源である一方で、従来の生物活性指向型スクリーニングでは既知化合物の再単離が多く、探索効率に課題があった。本総説では、その解決策として構造多様性に着目したHPLC/UV指向型スクリーニングによる新規骨格化合物の探索研究を紹介し、特に構造決定、生合成経路の推定、ならびに化学合成研究に焦点を当てて概説されている。

Review de Debut [オープンアクセス]

今月号のReview de Debutは1件です。

・新たな5員環と7員環を含む非交互炭化水素の設計と合成(成蹊大学理工学部)沖 光脩

Message from Young Principal Researcher (MyPR):予想外の結果を楽しもう [オープンアクセス]

今月号のMyPRは、神戸大学大学院工学研究科 岡野健太郎 教授による寄稿記事です。

「予想外の結果」を見逃さない・気付けることの大事さと、そんな研究者がもっと増えてほしいと感じる寄稿記事でした。

感動の瞬間:遷移金属錯体の有機合成反応による分子変換 [オープンアクセス]

今月号の感動の瞬間は、徳島大学大学院創成科学研究科 小笠原正道 教授による寄稿記事です。

自身のバックグラウンドと周囲の環境とのシナジーを感じられる小笠原先生の寄稿記事です。

これまでの紹介記事は有機合成化学協会誌 紹介記事シリーズをご参照ください。

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大学教員→企業研究者。自分の知らない化学に触れ、学び、楽しみ続けたいです。

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