[スポンサーリンク]

ケムステニュース

名大の巽教授がIUPAC次期副会長に

tatsumi.jpg

先の8月6日に行われた国際純正・応用化学連合(IUPAC)の総会で投票の結果、名古屋大学の巽和行教授(60歳)が、次期副会長に決定しました。これにより、巽教授は、平成22年・23年IUPAC副会長、平成24年・25年同会長を務めることになります。  IUPACは1919年に創立され、現在、世界の64カ国の化学関連組織で構成するいわば化学の国連で、元素や化合物に関する国際標準の決定や、学術の国際交流、人材の育成、国際的な格差の是正など、幅広い活動を展開しております。日本人がIUPACの会長を務めるのは、昭和56年?58年の長倉三郎氏(現日本学士院長)以来のこととなります。(引用:日本化学会

 

おめでとうございます! IUPACの会長は2006年に副会長となった松本和子氏(当時早稲田大学教授)が2年後に日本人女性初の名誉となるはずでした(旧記事:松本和子氏がIUPACのVice Presidentに選出される)。ところが、科研費の不正受給問題が発覚し副会長を辞任したため、現実化しませんでした。この話を発端として現在の厳しい科研費の運用が求められています。その話はおいておいて、近年のIUPACの会長は副会長を2年歴任した後に、会長となることが定説となっており、そのため巽教授(上記写真)は2012年から会長となります。これは上述されているように長倉三郎元日本学士院長(上記ニュースでは現委員長となっていますが、現在は久保正彰氏です)以来2人目になる予定です。

 


化学を学んでいる皆さんはIUPACはご存知だと思いますが、一番身近なところでは扱っている化合物名を命名する(IUPAC命名法)という機関です。最近認定された112番目の元素、Copernicium(コペルニシウム)も最終的にこの機関を通じて命名されます。その構成は物理及び生物物理化学、無機化学、有機及び生物分子化学、巨大分子、分析化学、化学及び環境、化学及び健康、化学命名法及び化学構造表現の8つの部会がありそれぞれ会長がいます。その会長に関しては日本の化学者も何人か任命されています。現に巽教授も現在の無機化学部会の会長です。その部会をまとめた機関の副会長に今回巽教授は任命されました。

ちなみにこれまでどんな人が会長になっているかといいますと2000年からの会長一覧は以下のようになります。意外にもアメリカがいないのが気になるところですが、どうやら参加国の持ち回りで決めているようです。いずれも、名のある化学者であり、なんにしても国際連合の長ですから選ばれる事は相当名誉なことであると思います.

IUPAC歴代会長一覧(2000年より)

名前 分野
2000 Alan Hayes 英国
2002 Pieter S. Steyn 南アフリカ 天然物化学
2004 Leiv K. Sydnes ノルウェー 有機合成化学
2006 Bryan R. Henry カナダ 理論化学
2008 Jung-Il Jin 韓国 高分子化学
2010 Nicole J. Moreau フランス 物理化学
2012 Kazuyuki Tatsumi 日本 無機、錯体化学

 

マークとウェブサイト

ここからは単なる意見ですが、IUPACのロゴマーク少し古い気がします。もうちょっと現代風に併せて変更していくのも有りだと思いますが。

IUPAC.png

IUPACのロゴマーク

また、ホームページも化学の国際機関と考えればもう少し立派なサイトを作ればよいと思います。現代にとって、また今後においてもインターネットのホームページはその機関の「顔」となりつつあるわけですから、気をつけたいところです。そういう我々のサイトもWindows(特にIE)で見ると悲しくなるぐらい汚いスタイルになってしまうのが残念なところであります。IEとのスタイルの調和を考えた方がいいかもしれません。話はずれましたが、とてもすばらしいニュースでした。

 

関連書籍

 

外部リンク

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 三共、第一製薬が統合へ 売上高9000億円規模
  2. 秋の褒章2009 -化学-
  3. メリフィールド氏死去 ノーベル化学賞受賞者
  4. 香りで女性のイライラ解消 長崎大が発見、製品化も
  5. エーザイ 巨大市場、抗ガン剤開発でライバルに先行
  6. 「サガミオリジナル001」、今月から販売再開 相模ゴム
  7. 1日1本の「ニンジン」でガン予防!?――ニンジンの効能が見直され…
  8. 細菌ゲノム、完全合成 米チーム「人工生命」に前進

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第37回 糖・タンパク質の化学から生物学まで―Ben Davis教授
  2. 大学院講義 有機化学
  3. カーン グリコシド化反応 Kahne Glycosidation
  4. マット・フランシス Matthew B. Francis
  5. シモンズ・スミス反応 Simmons-Smith Reaction
  6. フェネストレンの新規合成法
  7. 危険ドラッグ:創薬化学の視点から
  8. 第七回 巧みに非共有結合相互作用をつかうー Vince Rotello教授
  9. Nazarov環化を利用した全合成研究
  10. レビュー多くてもよくね?

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

太陽ホールディングスってどんな会社?

私たち太陽ホールディングスグループは、パソコンやスマートフォンなどのIT機器やデジタル家電、車載用電…

「自然冷媒」に爆発・炎上の恐れ

「環境省・経済産業省の指示により、エアコンに使用されているフロン類の入れ替えが必要だ」と偽り、地球環…

効率的に新薬を生み出すLate-Stage誘導体化反応の開発

今回紹介する論文は、Late-Stage-Functionalizationの手法を開発し、新規薬剤…

「次世代医療を目指した細胞間コミュニケーションのエンジニアリング」ETH Zurich、Martin Fussenegger研より

海外留学記第22回目はETH ZurichのDepartment of Biosystems Sci…

チャン転位(Chan Rearrangement)

概要アシロキシエステルに対して塩基を作用させることで、転位を伴い2–ヒドロキシケトエステルを与え…

卓上NMR

卓上NMR (Benchtop NMR)とは、通常のNMRよりも小型で、専用の部屋を必要としないNM…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP