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日本人化学者インタビュー

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

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第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講演者の一人、筑波大学 数理物質系 物質工学域・櫛田 創 助教にお願いしました。

物理化学分野の中でも特に「光と材料の相互作用」に興味をもちつつ、超高速分光技術を武器にそれを解析する研究を行っています。

11月28日 13:00-18:00に開催されるVシンポでは、櫛田先生のお話もうかがえます。登録ページに直接飛びたい方は こちらの登録ページリンク にどうぞ!

それではインタビューをどうぞご覧ください!

Q. あなたが化学者になった理由は?

化学に限らず、私は「科学の力」を信じています。かなりエゴかもしれませんが、この世界に生まれたからには、何か自分が生きた証を残したいと思ってしまいます。その方法はいろいろあると思いますが、なかでも科学技術は人類や地球規模の課題解決に直結します。だからこそ、科学を通して世界を少しでも良い方向に変えたい、そう思って化学者を志しました。
また、サイエンスは過去の偉人たちから脈々と受け継がれてきた知のバトンだと思います。そのバトンを、時代を超えて次の世代へとつないでいくことに、私は大きなロマンを感じています。

 

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

スポーツ選手、登山家、アングラー(釣り人)、起業家、発明家……いろいろ浮かびますね笑。
共通して言えるのは、「何かをとことん突き詰める仕事」に就いていたいということです。
理由はシンプルで、今の研究者としての仕事もそうですが、日々の試行錯誤や失敗の中にこそ本当の楽しさがあると思うからです。
何かに夢中になって挑戦し続ける時間こそが、人生で一番価値のある瞬間じゃないかなと思います!

 

Q. 現在、どんな研究をしていますか?また、どのように展開していきたいですか?

現在は主に、

  1. 共振器フォトニクス
  2. 超高速分光
  3. 超分子エレクトロニクス

の3つのテーマを並行して研究しています。

まず、共振器フォトニクスの研究では、光共振器を用いてレーザー発振材料や光の偏光を自在に制御できる新しい光機能材料の開発を行っています。特に最近は、共振器と分子双極子が強く相互作用する「光物質強結合」状態におけるエネルギーダイナミクスに興味を持ち、幅広く研究を進めています。
超高速分光の分野では、フェムト秒レーザーを用いて、有機分子の光エネルギー移動や分子の運動ダイナミクスを解析しています。光カー効果分光法を応用して、分子の幾何構造とブラウン運動の異方性との関係を調べるほか、可視光および中赤外光を組み合わせて、前述の光物質強結合系における光ダイナミクスの解明にも取り組んでいます。
最後に、超分子エレクトロニクスの研究では、π分子とイオン液体のみから構成される「πイオンゲル」という超分子ゲル材料を用いた電子デバイスの開発を行っています。

このように研究対象は多岐にわたりますが、ロマンを追い求める心を大切にしながら、学生たちとともに日々楽しく研究しています。光と分子、そして分子間の相互作用を上手く利用しながら新たなサイエンスへと展開していくたいと思っています!

 

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

あまり思い付きませんが、不遇の時代のアインシュタインにトリキ奢って良い先輩ヅラしたいです!

 

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

これを書いている日も実験を行なっております! 中赤外の高速分光のための光学系を調整しながら、超分子トランジスタの研究の論文のリバイズのための応答速度測定の計測回路を構築しておりました!

 

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

砂漠で使えるか分かりませんが(というか多分無理!)、冒険図鑑という本ですかね。小さい頃夢中で読んでいました!

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Q. 次にインタビューをして欲しい人を紹介してください。

岡田大地(京都工芸繊維大学助教、大学研究室の同期)
佐々木陽一(九州大学准教授、ポスドク時代の仲間)

*本インタビューは2025年11月6日に行われたものです

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cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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