[スポンサーリンク]

身のまわりの分子

ブレオマイシン /Bleomycin

[スポンサーリンク]

breomycin.gif 

ブレオマイシン (Bleomycin)は、抗がん性抗生物質の一種である。

  • 用途・歴史

Streptomyces verticillusから単離される。扁平上皮がん、精巣がん、卵巣がんなどの治療に適用される。

ブレオマイシンはユニークなメカニズムによりDNAを切断し、抗がん作用を示すと言われている。

上図緑色で示したビチアゾール部位がDNA鎖と相互作用し、特定の塩基配列を認識する役割を果たす。

さらに上図赤字で示した配位性窒素原子が鉄イオンとキレート錯体を形成、次いで酸素が配位・反応する(下図参照)ことで鉄(V)オキソ種(もしくは鉄(III)ヒドロペルオキソ種)を生成させる。これが活性種として働き、酸化的にDNA鎖を切断する。

 

breomycin_2.gif 
  • 合成法

 

  • 関連文献

 

  • 関連リンク

Bleomycin – WIkipedia

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. エチルマレイミド (N-ethylmaleimide)
  2. トロンボキサンA2 /Thromboxane A2
  3. ビリジカタムトキシン Viridicatumtoxin
  4. ディスコデルモライド /Discodermolide
  5. メチルトリメトキシシラン (methyltrimethoxysi…
  6. 重医薬品(重水素化医薬品、heavy drug)
  7. ゲラニオール
  8. フラノクマリン -グレープフルーツジュースと薬の飲み合わせ-

注目情報

ピックアップ記事

  1. NMR化学シフト予測機能も!化学徒の便利モバイルアプリ
  2. 条件最適化向けマテリアルズ・インフォマティクスSaaS 「miHub」のアップデート情報をご紹介 -分子構造を考慮した解析、目的変数の欠損値補完編-
  3. 東京化成、1万8千品目のMSDS公開サービス
  4. ペプチド鎖が精密に編み込まれた球殻状ナノカプセル〜24交点の絡まりトポロジーをもつ[6]カテナン分子の合成〜
  5. 集光型太陽光発電システムの市場動向・技術動向【終了】
  6. クラーク・スティル W. Clark Still
  7. 試験概要:乙種危険物取扱者
  8. カチオン性三核Pd触媒でC–I結合選択的にカップリングする
  9. 有機合成化学協会誌7月号:ランドリン全合成・分子間interrupted Pummerer反応・高共役拡張ポルフィリノイド・イナミド・含フッ素ビニルスルホニウム塩・ベンゾクロメン
  10. 日本初の化学専用オープンコミュニティ、ケムステSlack始動!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP