[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

Dead Ends And Detours: Direct Ways To Successful Total Synthesis

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”3527306447″ locale=”JP” title=”Dead Ends and Detours”][amazonjs asin=”3527329765″ locale=”JP” title=”More Dead Ends and Detours”]
  • 内容

有機化学の貴重な情報を提供する文献は数多くあるが、そうした文献はほぼ例外なく、成功した反応をもとに書かれている。だが残念ながら、化学の道はそれほど簡単ではない。それどころか、試行錯誤は今でももっとも広く使われている手法のひとつといえる。したがって、失敗した合成の内容を知ることは役に立つはずだ。というのも、今後の成功にとって欠かせない重要な情報を与えてくれるからだ。

長らく出版が待たれていたM・A・シエラとM・C・デ・ラ・トーレによる本書は、まさにそうしたギャップを埋めるものだ。主要な全合成を題材に、じつにさまざまな問題を解説し、そうしたジレンマを抜け出す方法を提案している。本書で扱っている内容は、合成の開始時および終了時の問題、官能基の予測困難な反応性、立体特性に起因する問題など。

本書には、あらゆる化学者に役立つ情報が豊富につまっている。全合成の成功には欠かせない参考書だ。

  • 対象

全合成を学ぶ大学院生以上。

 

  • 評価・解説

題名の通り、天然物合成研究の行き止まり、回り道(Dead Ends)について書かれた本です。論文においては成功例がもっとも重要視されるため、こうしたうまくいかなかった事例はあまり書かれていないものです。しかし本書は、ダメだったルート、合成上困難だったポイントに焦点を当てています。全合成を進めるにあたって大変参考になる内容も少なくありません。オススメです。

 

  • 関連書籍

[amazonjs asin=”3527337210″ locale=”JP” title=”Side Reactions in Organic Synthesis II: Aromatic Substitutions”][amazonjs asin=”4621080660″ locale=”JP” title=”有機合成の落とし穴 -失敗例から学ぶ成功への近道”][amazonjs asin=”3527310215″ locale=”JP” title=”Side Reactions in Organic Synthesis: A Guide to Successful Synthesis Design”]
Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. SDGsと化学: 元素循環からのアプローチ
  2. 【書評】続続 実験を安全に行うために –失敗事例集–
  3. 材料の数理モデリング – マルチスケール材料シミュレ…
  4. 【書籍】化学探偵Mr.キュリー5
  5. はじめての研究生活マニュアル
  6. 2016年8月の注目化学書籍
  7. 生涯最高の失敗
  8. 広大すぎる宇宙の謎を解き明かす 14歳からの宇宙物理学

注目情報

ピックアップ記事

  1. 並外れた光可逆的粘弾性変化を示すシリコーンエラストマーの開発~市販のレーザーポインターをあてるだけで簡単にはがせる解体性粘接着剤用途に期待~
  2. BASF International Summer Courses 2017  BASFワークショップ2017
  3. 2005年6月分の気になる化学関連ニュース投票結果
  4. 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会(M&BE) 新分野開拓研究会2023 「電子とイオンの織りなすサイエンス: 材料・デバイス・センシング」
  5. 総合化学4社、最高益を更新 製造業の需要高く
  6. 原子間力顕微鏡 Atomic Force Microscope (AFM)
  7. ボロールで水素を活性化
  8. ここまで進んだ次世代医薬品―ちょっと未来の薬の科学
  9. フレーザー・ストッダート James Fraser Stoddart
  10. GoogleがVRラボを提供 / VRで化学の得点を競うシミュレーションゲーム

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年3月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

フィーゼルマン チオフェン合成/Fiesselmann Thiophene Synthesis

概要フィーゼルマン チオフェン合成(Fiesselmann Thiophene Synthesi…

“とび跳ねる水滴”に潜む物理 〜接触時間とエネルギー源で読む撥水・防氷のテク〜

熱したフライパンに落ちた水滴が、玉になってコロコロと走り回り、冷えた面では、結露水が合体した瞬間に跳…

AI時代に研究者がすでに持っている力・これから伸ばしたい力

論文要約や文献検索など、研究現場でもAI活用が日常化する一方、「自分の仕事の先行き」に漠然とした不安…

miHub®を活用した探索的データ解析の実践

開催概要研究開発においてデータ活用が進む中、機械学習モデルの構築や予測解析に…

“ある特効薬”のはなし ~本田宗一郎氏の回想から

Tshozoです。最近実家に戻っては色々と廃棄するなどの店じまいを少しずつ進めているのですが、中…

高分子鎖を束ねた新しい共重合体「束状共重合体」が誕生

第715回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 工学系研究科(植村研究室)に所属されていた亀谷…

2026年「有機溶媒危機」へのアンサー。北大発・メカノクロスが挑む、溶媒に依存しない新たな合成法 = “メカノケミカル有機合成”の社会実装

株式会社メカノクロスは、メカノケミカル有機合成技術の社会実装に挑む北海道大学発の…

“壊れないよう” に作ってきた半導体ポリマーを、あえて “壊れるよう” に作る化学

半導体ポリマーは長いあいだ、「いかに壊れにくく、長持ちさせるか」といったような安定性を競って進歩して…

有機合成化学協会誌2026年7月号:固体高分子電解質・電子ドナー・アクセプター錯体・機械学習法・trichodermamide類・エナンチオ選択的スキップジエン合成法

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2026年7月号がオンラインで公開されています。…

第62回Vシンポ「見えない空気を科学する~センサによる室内環境・臭気の見える化と快適空間デザインの最前線~」を開催します!

こんにちは、Macyです。第62回Vシンポのご案内をさせていただきます。今回は、前回同様…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP