[スポンサーリンク]

その他

化学探偵Mr.キュリー6

ケムステをご覧の皆様にはおなじみの「化学探偵Mr.キュリーシリーズ」。

なんとこのシリーズも6冊目に突入。先週発売されたということで今回も著者の喜多喜久氏にコンタクトを取り、本小説の見どころを教えてもらいました。今回は有機化学がメインで著名な人や化合物をもじった内容が盛り沢山。ぜひぜひご購入してはいかがでしょうか。それではどうぞ!

著者からのメッセージ

「化学者のつぶやき」をご覧の皆様。いつもお世話になっております。喜多喜久です。

今年も例のシリーズの新作が出ましたんで、またまた紹介記事を投稿させていただきました。

新刊のタイトルは、「化学探偵Mr.キュリー6」です。(中央公論新社・6/22刊行)

いつもの短編集とは異なり、本作はシリーズ初の長編となっております。

メインキャラクターはいつもと同じ、四宮大学の事務員・七瀬舞衣と、同大学の准教授、”Mr.キュリー”こと沖野春彦で、そこに二人のゲストキャラが加わる形になっています。

では、さっそくあらすじを……。

九月。四宮大学にアメリカから留学生が来ることになった。エリー・マイヤーズという名のその少女はまだ十六歳で、飛び級で大学に入った化学の天才だった。

大学に通い始めたエリーは、沖野の研究室で実験をすることになる。彼女の希望により、タキサン系の天然物「トーリタキセルA」の全合成にチャレンジすることに。

合成研究を進めるうち、トーリタキセルAの全合成を行っていた四宮大学の学生が、修士課程修了目前に退学、失踪していたことが発覚。しかも彼は、かつてエリーに有機化学という学問の楽しさを教えた人物だった。

やがて彼と同じように、エリーの合成研究も暗礁に乗り上げてしまう。合成の失敗の理由は何なのか? 失踪した学生の行方は? マイナーな天然物の裏に潜む、きな臭い事情の正体とは?

絡み合う複雑な謎に、沖野と舞衣が協力して挑んでゆく……。

といったストーリーになっております。

トーリタキセルAと呼ばれる天然物については、Wikipedia風の記事を作成してみました。

この形式は、デビュー作の『ラブ・ケミストリー』以来ですね。

もちろん架空の化合物で、「絵」として見やすくするために、パクリタキセルなどと比べると構造は簡略化されています。作中ではそれなりに合成難易度が高い設定になっていますが、合成ルートは想定していませんので、実際に作ってみると意外と簡単かもしれません。とはいえ、卒論のテーマに選んだりしないでくださいね(笑)

本作のストーリーは、化学者のつぶやきをはじめとする、各種科学系ブログの紹介記事を組み合わせて作ったものです。読んでいただくと、「ああ、アレとアレかな」と気づかれるかもしれません。小説で書いたようなことが現実には起こらないことを祈っています。

さて、私事ですが、2017年三月末をもちまして、14年にわたってお世話になった製薬企業を退職し、晴れて専業作家となりました。

これからは小説一本で食べていくことにはなりますが、作風はそれほど大きくは変わらず、サイエンスメインのネタで勝負していくつもりです。

質と量、両方ともレベルアップしていくことを目標に、またバリバリと新作を発表していきたいと思います。

ということで、今後ともご愛顧のほどよろしくお願いいたします!

関連リンク

  • 化学小説まとめ:喜多さんの書籍と紹介記事はすべてこちらに掲載しています。

関連書籍

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 生物活性物質の化学―有機合成の考え方を学ぶ
  2. その反応を冠する者の名は
  3. 耐薬品性デジタルマノメーター:バキューブランド VACUU・VI…
  4. 酵素の真実!?
  5. 超強塩基触媒によるスチレンのアルコール付加反応
  6. 科学部をもっと増やそうよ
  7. UCリアクター「UCR-150N」:冷媒いらずで-100℃!
  8. メチレン炭素での触媒的不斉C(sp3)-H活性化反応

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 研究者目線からの論文読解を促す抄録フォーマット
  2. グラフィカルアブストラクト付・化学系ジャーナルRSSフィード
  3. N末端選択的タンパク質修飾反応 N-Terminus Selective Protein Modification
  4. 日本薬学会第137年会  付設展示会ケムステキャンペーン
  5. フェイスト・ベナリー フラン合成 Feist-Benary Furan Synthesis
  6. 化学産業を担う人々のための実践的研究開発と企業戦略
  7. 高井・ロンバード反応 Takai-Lombardo Reaction
  8. iPhoneやiPadで化学!「デジタル化学辞典」
  9. セミナーチャンネルを開設
  10. 「ペプチドリーム」東証マザーズ上場

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

北エステル化反応 Kita Esterification

概要ルテニウム触媒存在下、エチニルエチルエーテル試薬を脱水剤として用い、カルボン酸とアルコールか…

一人二役のフタルイミドが位置までも制御する

N-ヒドロキシフタルイミドを用いる逆マルコフニコフ型のヒドロアミノ化が報告された。遷移金属触媒および…

ジアゾニウム塩が開始剤と捕捉剤を“兼務”する

アリールジアゾニウム塩を用いたプレニルカルバマート/ウレアのシクロアミノジアゾ化反応が開発された。入…

パラジウム光触媒が促進するHAT過程:アルコールの脱水素反応への展開

2016年、イリノイ大学シカゴ校・Vladimir Gevorgyanらは、Pd(0)触媒の共存下、…

ウラジミール・ゲヴォルギャン Vladimir Gevorgyan

ウラジミール・ゲヴォルギャン(Vladimir Gevorgyan、1956年8月12日-)は、アメ…

有機合成化学協会誌2018年11月号:オープンアクセス・英文号!

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2018年11月号がオンライン公開されました。今月…

PAGE TOP