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一般的な話題

“マイクロプラスチック”が海をただよう その1

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Tshozoです。昔から色々な公害問題を調べている筆者ですが、オーストラリア シドニー近郊でも静かに進行中ということが明らかになった「ある案件」につきひとつ記事を書いてみます。

その案件というのはこちら → ●。 「オーストラリア近郊に、マイクロプラスチックが高濃度で存在する」というものです。以前からTVをはじめ色々なメディアに採り上げられているので何をいまさら、という気はしますが公害問題の歴史と絡めて採り上げているものはあまり無い気がしましたので今回書いてみることにしました。どうかお付き合いください。

はじめに・背景など

プラスチックとは何か? 一般的な定義としては「石油類から人工的に合成された高分子量体」と言えます。さっぱりわかんないっすね。要は石油をゴニョゴニョして作られた便利な固形材料ってことdeath。最近では石油以外に植物類からも合成されるバイオプラスチックなどもありますから、今回のはなしにはそれも含めることにしましょう。

生産されたプラスチック類は人間生活の中での役目を終えた後、一部は焼却され、一部は再利用されて循環しますが、その一部はいずれのサイクルにも乗らず、「ゴミ」として残留します。さらにその一部は海洋へ漕ぎ出しますが、これらはMarine LitterまたはOcean Debrisと呼ばれ、いわゆる海洋ゴミとされています。

PW_01.png人間生活内のプラスチックのウロウロ具合概念図 こちらの資料を引用して作者が改編

ことばの定義

さらに、上記の中でマイクロプラスチックとは何か。国際規格のような明確な定義はなさそうなのですが、文献類を漁った結果、「形状に関わらず直径が約5~10mm以下、0.1mm以上のプラスチック」のもようです。ここで「形状に関わらず」と書いたのは、球状やら糸状やら針状やら、様々な形状が存在するためです。

PW_02.pngマイクロプラスチックの例 こちらより引用
 a:赤ファイバー(70um), b:青粒子, c:青ファイバー100um d:白フィルム(1.5cm), e:乳白色粒子(0.4mm), f:乳白色粒子
原論文:Frederik Noren “Small plastic particles in Coastal Swedish waters”, KIMO Sweden, 2007″

発生源

そりゃ、人間活動です。まず、「プラスチック」の海洋で見つかる廃棄物の頻度はこちらの資料で取り上げられており、「包装類」がトップランクになっています。

これに対しマイクロプラスチックの場合には大きく2つの分類、即ち①原料そのまま(化粧品に含まれる研磨剤やプラスチックの原料形態であるペレット粒)と、②劣化後プラスチック(大きなプラスチックから劣化によって剥がれた針状の細かい破片など)になります。後者には実は生分解性プラスチックも含まれます。生分解性プラスチックといえどもその劣化速度は遅く、どうしてもこういった微小片が存在してしまうわけで。上の図でいうと①にはe,f、②にはa,b,c,dが該当します。下は②の例ですね。

PW_09.png

洗顔料に含まれる「スクラブ(研磨剤)」としてのマイクロプラスチック こちらより引用

PW_05_re.pngポリプロピレン、ポリエチレンの耐光(候)性試験後の表面状態 こちらより編集して引用
こういうクラックから剥がれ落ちた微小破片も「マイクロプラスチック」となりうる

 またこのマイクロプラスチック、総量がどのくらい海洋中(世界中)に存在するのか、正確な試算が出来ていないようなのです。現在は欧州やイギリス、オーストラリアなどの沿岸部の国が積極的な活動を開始しており、実状がようやく把握できているようですが世界中の国家でそうしたデータを取って集計して実存在量を推定することを考えると、凄まじい労力と費用が必要になります。おそらく海洋研究者間ではそうした動きはあるのかもしれませんが(欧州・豪州にはありました → ● ● ● など)、今回は国際的な枠組みを見つけるには至りませんでした。

悪影響の詳細-その1

まず下記の写真をご覧ください。感情に訴えかけるつもりはないのですが、色々と悲惨です。これはまずマクロプラスチックのケース。カメがクラゲと間違えてポリ袋を飲み込み、腹に詰まって衰弱死するケースがあることは皆様もご存知だと思います。

PW_06.png“Entanglement=「絡み付き」 / Ingestion=「飲み込み」”という意味です
こちらより引用

 そしてこっちがマイクロプラスチックのケース。ミジンコの中に生分解性プラスチックの破片があった、という話をどっかのニュースで聞いたことがあるのですが、魚の寄生虫の腹ん中にも存在するというのは驚きです。

PW_07.png魚の胃袋を解体して出てきたプラスチック類が写真左下に見える
右側はニシンの腹の中に居る線虫の、さらにその中に存在したマイクロプラスチックの例
こちらより一部改編して引用(同上) → ●

 ニワトリが食べる砂と同じように、喰ってウンコになって出てくるとか、食べ物を潰すのに使うとかなら別にいいのですが、どうもそうではなさそうなのです。 まず、一気に食うと腹の管が詰まる→閉塞→死亡。ポリスチレンの小破片とか、そういうのが固まって海中に分散してたら魚は間違って喰いそうですよね。

で、一気に食わなくても微小な寄生虫とかが食う→腹に詰まる→死亡。その他、まだ確実ではないですが、光合成機能が低下する(Hindered algal photosynthesis)とか、浮腫ができる(Granulocytoma formation)とかの悪影響も懸念されているようです。

長くなりそうなので今回はここまで。実は悪影響はこうした物理的なものだけではないのです。

参考文献

元記事 ”Tiny plastic dwellers have big impact on our oceans” → ●

“Algalita Marine Research Institute” → ●
UNEP報告書 2011年度 ”Plastic debris in the ocean” → ●
Maria Gorycka “ENVIRONMENTAL RISKS OF MICROPLASTICS” → ●
“Unrecognised Pollutant Risks to the Great Barrier Reef” → ●
“” → ●
“Macroplastics, microplastics and environmental impacts” Amsterdam University → ●
“Concentrations of PCBs in beached plastic pellets” Teuten et al. (2009) → ●
“Microplastics in Facial Exfoliating Cleansers” Michelle Chang (2013)→ ●

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