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有機合成化学協会誌2025年4月号:リングサイズ発散・プベルル酸・イナミド・第5族遷移金属アルキリデン錯体・強発光性白金錯体

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有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年4月号がオンラインで公開されています!

4月から研究を始める、という方も多いかと思います。有機合成化学協会誌は「日本語で最先端の有機合成化学を学べる」とても良い教材です。ぜひ読んでみてください。

今月号のキーワードは、「リングサイズ発散・プベルル酸・イナミド・第5族遷移金属アルキリデン錯体・強発光性白金錯体です。

会員の方は、それぞれの画像をクリックすると、J-STAGEを通じてすべて閲覧できます。

巻頭言:日本の研究開発力は衰退しているのだろうか?

今月号の巻頭言は、日本曹達株式会社 三谷 晃 氏による寄稿記事です。

オープンアクセスです、お読みいただいて、皆さんも「日本の研究開発力」についてお考えいただけると。少なくとも「研究環境を整える」ことは産学を問わず重要なことかと思われます。

『リングサイズ発散』合成戦略の確立と,それを応用した天然物の発散合成

西川慶祐*、熊谷百慶、鶴田智暉、森本善樹*

*大阪公立大学大学院理学研究科化学専攻

西川先生、森本先生らが展開する「リングサイズ発散的」合成を活用した、天然物合成を紹介しています。望む1,2-5,6-ジエポキシド誘導体を光学活性体として立体選択的に合成し、反応条件により、5-7員環エーテル誘導体を作り分けるという方法論になります。これにより多くの天然物を合成し、一部の天然物については報告構造の訂正にも成功しています。

糖をC–O骨格源として用いたプベルル酸と類縁天然物の全合成

千成 恒、廣瀬友靖、砂塚敏明*

*北里大学大村智記念研究所、北里大学大学院感染制御科学府

麹菌の成分を含むサプリメントによる健康被害の原因物質として昨年一躍注目を集めた,プベルル酸およびその類縁天然物について,著者らが達成した全合成について紹介しています.糖はキラルビルディングブロックとして使われることが一般的ですが,著者らは糖を「プベルル酸の骨格源」として用い,短工程で必要な酸素官能基を有する7員環を構築し,酸化段階を上げていくTwo-Phase戦略で,プベルル酸を大量合成可能な経路を開発しました.㊙テクニックも包み隠さず述べられており,教員,学生のみならず,プロセスケミストなど,全ての読者にとって興味深い論文ではないでしょうか?必見です!!

イナミドを用いた含窒素複素環構築と天然物合成への応用

山岡庸介*高須清誠

*兵庫医科大学薬学部京都大学大学院薬学研究科

イナミドを合成素子とした環化反応による含窒素複素環合成について紹介されています。酸触媒や溶媒など反応条件を工夫し、ドミノ反応によるキノリンやスピロインドリン、中員環合成を達成しております。それらを応用した有用生理活性物質の合成も検討しております。ぜひご一読ください。

Organometallic Chemistry of Group 5 Transition Metal-Alkylidene Complexes and their Catalysts for Olefin Metathesis Polymerization

 

野村琴広*、西山耀人、桒原周子

*東京都立大学大学院理学研究科

5族金属であるバナジウムもしくはニオブを中心金属として有する各種アルキリデン錯体の合成と、それらを触媒とするオレフィン類のメタセシス重合への展開について紹介されています。5族アルキリデン錯体に関する歴史的な背景から最新の研究内容、さらには優れたメタセシス触媒活性および熱的耐久性を示す触媒設計指針について明確に示されており、読み応えのある総合論文です。

多彩な外部刺激に自在に応答する強発光性白金(II)錯体の創製

吉田将己*

*関西学院大学生命環境学部環境応用化学科大阪大学大学院理学研究科化学専攻

筆者らが行っている発光性白金(II)錯体の開発研究について紹介されており、詳細な錯体設計指針の解説や、金属錯体における発光過程に関する基礎的な解説も含まれており、理解しやすく読み応えのある総合論文です。後半では、近年注目を集めている外部刺激に応答する発光性白金(II)錯体の設計・合成についても詳細に示されており、大変興味深い内容となっております。

Review de Debut

今月号のReview de Debutは1件です。オープンアクセスです、ぜひ!

・ラジカルの精密制御を基盤とする光マクロラクトン化反応 (岡山大学異分野基礎科学研究所)田中健太

Message from Young Principal Researcher (MyPR):天然物合成のような非天然物合成を目指して

今月号のMyPRは、熊本大学大学院先端科学研究部 井川和宣 教授による寄稿記事です。キャリアも研究も“縁”だと改めて感じさせられました。

感動の瞬間:リチウムカチオンを光学活性にしたい

今月号の感動の瞬間は、北海道大学大学院工学研究院 大熊 毅 教授による寄稿記事です。リチウムカチオンの触媒としての機能を極めようとする、こだわりの感じられる「感動の瞬間」です、こちらもオープンアクセスです。

これまでの紹介記事は有機合成化学協会誌 紹介記事シリーズをご参照ください。

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大学教員→企業研究者。自分の知らない化学に触れ、学び、楽しみ続けたいです。

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