[スポンサーリンク]

その他

学振申請書の書き方とコツ

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4061531603″ locale=”JP” title=”学振申請書の書き方とコツ DC/PD獲得を目指す若者へ (KS科学一般書)”]

 

内容

学振申請書の正しい書式、知っておきたい知識とコツを一挙解説! 見やすく、わかりやすい申請書が書ければ審査も通りやすくなる。採用者のサンプルと知恵を参考に、もう一歩申請書をブラッシュアップしよう!

1章 「学振」の基礎知識
2章 審査のしくみ
3章 申請書の書き方
4章 申請書を書く、磨く
5章 申請後にできること
6章 本当に「学振」が良いのか?
付録 実際の申請書サンプル
コラム 「学振」採択者に聞いてみた

対象

  • 学振を申請する大学院生

 

解説

なんと学振取得のHow toものが出版された!献本いただいたためせっかくなので読んでみた。著者は現在東京工業大学で助教をしている大上雅史氏。分野は計算工学なのであまりわからないが、育志賞なども受賞しており今後が期待できる若手のようだ。おそらく、「学振特別研究員になるために~知っておくべき10のTips」というスライドをSlideShareで公開されているので出版社から依頼がいったのであろう(ちなみに筆者も過去に学振と科研費の書き方の依頼を数度受けたことがある)。

さて、本書はほとんどの博士課程進学者・在籍者および博士研究員希望者が申請を経験する学振。その制度や書き方を丁寧に解説している。科研費に対するものはこれまでも何冊かあるが、学振に関しては調べてみると本書が2冊目である

内容は上記のとおりとなるが、最新の学振の基礎知識や制度の概要などもよくまとめられている。著者が「申請者」であるので「審査員」の意見ではないが、「審査員」の気持ちもよく察している。

特に参考にしたいのは第三章と第四章。これは申請書を書き上げる点で、科研費獲得にも結びつく内容だ。これまで、多くの先輩が学振を取得し、実例がたくさんある研究室はよいが、ほとんどないところになると、ここに書かれている点で躓く学生がほとんどであるから。ただし、個人的な意見として、現在への研究状況の研究背景の前に、研究の全体構想としてポンチ絵(図をみれば大体申請書でなにをいいたいかわかる絵)を入れたほうが良いと思う。多量の学進申請書を”処理”している忙しい先生方のことを考えることが重要である。

また、付録として著者以外の実際の申請書(かなり最近のもの)が掲載されているのもよい。科研費だと大学のイントラネットで手に入れることができるが、学振のものはないので、やはり、研究室で取得者がいなければ通常見ることはできない申請書だ。

そもそも、学振を取るために研究するといったことは的はずれな考えであるが、近い目標として適していると思う。研究プロポーザルの練習にもなるため、もらえるもらえないに関わらず、博士課程進学希望の学生にはぜひ真剣に書いて欲しいと思う。目指そうと思っている学部4年、修士学生は一読をオススメしたい。

余談となるが、申請書も自分のなかで日進月歩で変化している。自分の昔の申請書をみるとよくこれで通ったなと思わせるようなみための申請書がほとんどだ(中身は悪く無いとしても)。とても人にみせることのできる内容ではないが当時は完璧だと思って提出している(はず)である。そういう意味では自分の成長を感じる。一方で、推敲を行うと、びっくりするぐらい(特に図が)よい内容を書いてくる学生が時々いるので、うれしくなる。大抵はだめだが。それでも、自身の昔の「初版」と比べると良い申請書を書けている学生が多くそれを認めつつ、現在の感覚でもっと良いモノがかけると突き返し、大幅修正をするのが先生である(苦笑)。

ところで、ケムステでもcosine氏が「学振申請書を磨き上げる11のポイント」(前編後編)という記事を書いている。彼も学振(DC1)、海外学振(海外PD)経験者であり、文章力はケムステ随一と思うので読んでみるとよい。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”B00GDP2Z1I” locale=”JP” title=”学振特別研究員応募 研究計画の書き方”][amazonjs asin=”4758120595″ locale=”JP” title=”科研費獲得の方法とコツ 改訂第4版〜実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 有機化学1000本ノック【反応機構編】
  2. ハートウィグ有機遷移金属化学
  3. すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル
  4. 実例で学ぶ化学工学: 課題解決のためのアプローチ
  5. PythonとChatGPTを活用するスペクトル解析実践ガイド
  6. 立体電子効果―三次元の有機電子論
  7. 有機反応の立体選択性―その考え方と手法
  8. 化学知識の源、化学同人と東京化学同人

注目情報

ピックアップ記事

  1. 付加重合でポリアミドを作る!?:多段階ラジカル異性化による新たなポリマー主鎖構築
  2. ボロールで水素を活性化
  3. 学会ムラの真実!?
  4. 続・日本発化学ジャーナルの行く末は?
  5. 先制医療 -実現のための医学研究-
  6. 「科研費の採択を受けていない研究者」へ研究費進呈?
  7. 「化学研究ライフハック」シリーズ 2017版まとめ
  8. デュポン子会社が植物性化学原料の出荷を開始
  9. ダルツェンス縮合反応 Darzens Condensation
  10. 引っ張ると頑丈になる高分子ゲル:可逆な伸長誘起結晶化による強靭性と復元性の両立

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年4月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

収率予測モデルが反応機構を語る!

第716回のスポットライトリサーチは、京都大学化学研究所(中村研究室)道場貴大 助教にお願いしました…

電気化学の勘どころ 対話でつかむホントの姿

概要対話形式で本質に迫る,電気化学の入門書.勘どころを押さえれば,複雑に見える現象の要点…

ペプチド合成におけるエピメリ化 Epimerization in Peptide Synthesis

概要ペプチド合成におけるエピメリ化(epimerization)とは、アミノ酸残基のα炭素の立体…

第63回Vシンポ「フォトキネティシズム:励起現象のマルチスケール速度論と革新的光機能」を開催します!

今年も夏本番の季節になってきましたね! さて、本記事は、第63回ケムステVシンポジウムの開催告知です…

アビディ アルキン合成/Abidi Alkyne Synthesis

概要アビディ アルキン合成(Abidi Alkyne Synthesis)は、米国魚類野生生物局…

第43回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

テーマ「創薬化学の新たな潮流 多彩なアプローチで未来を創る」 日時2026年11月11日…

圧力は「設定値」だけで決まらない【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

査読に AI を使われた体験談

生成 AI の普及は加速しており、調べもの、英文校閲など研究者の皆さんも活用していることと思います。…

フィーゼルマン チオフェン合成/Fiesselmann Thiophene Synthesis

⏱ 30秒サマリー 何をする反応か — チオグリコール酸エステル(HS–…

“とび跳ねる水滴”に潜む物理 〜接触時間とエネルギー源で読む撥水・防氷のテク〜

熱したフライパンに落ちた水滴が、玉になってコロコロと走り回り、冷えた面では、結露水が合体した瞬間に跳…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP