[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

【著者インタビュー動画あり!】有機化学1000本ノック スペクトル解析編

[スポンサーリンク]

有機化学1000本ノック スペクトル解析編

有機化学1000本ノック スペクトル解析編

矢野 将文
¥3,025(as of 07/31 21:51)
Amazon product information

今年4月に発売された書籍で、発売記念著者インタビュー動画も発売前に撮影したのですが、書籍の到着を待っていたら完全に失念していて、そして忙しさを言い訳にいまさら公開となってしまいました。

待望の1000本ノックシリーズ第5弾 スペクトル解析編です!

まずはお時間のあるときに、撮影したインタビュー動画を御覧ください。著者の矢野先生(関西大学)と盛り上がってしまい、インタビューに1時間半も費やしてしましました(編集後30分)

以下の内容について、謎の格好をして矢野先生とたっぷりとお話しています。

チャプターもつけていて、質問をクリックするとその話に飛べるので、お時間のない方はそちらでどうぞ。

概要

大好評「有機化学1000本ノック」シリーズに待望の新刊が登場.シリーズ5作目は,スペクトル解析を取り上げた.水素不足指数の計算に始まり,IR,MS,NMRを習得し,最後はそれらの知識を総動員して構造を予測できるようにトレーニングする.もちろん問題数は1000問.有機化合物の構造が解析できるようになるまで,解いて解いて解きまくれ!(引用:化学同人

目次

1.IHD(水素不足指数)
2.IR(赤外吸収スペクトル)
3.MS(質量スペクトル)
4.13C NMR(炭素13 核磁気共鳴スペクトル)
5.1H NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)
6.総合問題

内容

さて、今回の書籍の内容です。この有機化学1000本ノックシリーズはご存知でしょうか?

まさにタイトル通り体で身につける問題集です。名前に嘘偽り無く、本当に1000問問題が収録されており、今回のスペクトル解析シリーズも例外ではありません。

この問題集の特徴を言えば、同じところにしばらくノックしたと思いきや、たまーに少しだけ球筋を変えてノックしてくれること。何を言っているのかわからないかもしれませんが、実際やってみるとわかります。

目次の通り、まずは水素不足指数から。え?スペクトルと関係あるの?と思うんですが、スペクトルの問題は分子式が与えられていることが多いので、その分子式の水素不足指数がすぐにわかれば化合物を予測しやすくなります。

続いてはIR。基本的には官能基ぐらいしかわからないですね。覚えてほしいところは一部、あとはこのあたりに〇〇の伸縮振動が….ぐらいです。スペクトルも小さいですが多数収録されています。

お次は、意外にセンスが問われるMSスペクトル。親マスと言われる分子イオンだけがでるんじゃないんですね。かなり強い条件でイオン化するので、化合物がぶちぶち切れるんです。それをフラグメントイオンといって、それから分子イオンを予測することもあります。わかってしまえば簡単ですね。

メインは、13C NMRと1H NMR。これでもかというぐらい問題が収録されています。内容的にはそんなに難しい問題はなく、わかるひとはひと目でわかってしまうんじゃないかという感じです。もちろん実際のスペクトルが所狭しに掲載されています。よくぞこんなに収録したなと思います。

最後は、総合問題。難解問題があるのかと思いきや、実は結構簡単です。ただ、これが解けるようになると実践でも使えることでしょう。

実際にスペクトルを見る場合は、基本的には原料と生成物を見比べて、どこが反応してどのように変わるのか予測しながら構造式を予想しますね。一方で、スペクトルの問題はいきなり問題を与えられます。そう、つまり実際にスペクトルを読むときよりも難しいんです。ですので、これをしっかり解ければ免許皆伝

この1000本ノックシゴキに耐えきって、やりきったとき、

これまで単なる画像にしか見えなかったスペクトルが構造式にみえてくるでしょう!

おすすめです。

関連動画

化学同人から先行して出された動画です。こちらは短いのですぐに見ることができます。

関連書籍

有機化学1000本ノック 立体化学編

有機化学1000本ノック 立体化学編

矢野 将文
¥1,980(as of 07/31 21:51)
Amazon product information
有機化学1000本ノック 命名法編

有機化学1000本ノック 命名法編

矢野 将文
¥1,760(as of 08/01 02:33)
Amazon product information
有機化学1000本ノック反応機構編

有機化学1000本ノック反応機構編

矢野将文
¥2,970(as of 08/01 11:43)
Release date: 2019/08/25
Amazon product information
有機化学1000本ノック 反応生成物編

有機化学1000本ノック 反応生成物編

矢野 将文
¥2,310(as of 07/31 21:51)
Amazon product information
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. だんだん柔らかくなるCOF!柔軟性の違いによる特性変化
  2. AlphaFold3の登場!!再びブレイクスルーとなりうるのか~…
  3. 工程フローからみた「どんな会社が?」~タイヤ編 その3
  4. miHub®を活用した探索的データ解析の実践
  5. 複雑にインターロックした自己集合体の形成機構の解明
  6. つぶれにくく元にも戻せる多孔性結晶の開発
  7. 地球温暖化が食物連鎖に影響 – 生態化学量論の視点か…
  8. 模型でわかる【金属錯体型超分子】

注目情報

ピックアップ記事

  1. ピクテ・スペングラー反応 Pictet-Spengler Reaction
  2. アセタールで極性転換!CF3カルビニルラジカルの求核付加反応
  3. 研究倫理問題について学んでおこう
  4. 原子力機構大洗研 150時間連続で水素製造 高温ガス炉 実用化へ大きく前進
  5. 難攻不落の不斉ラジカルカチオン反応への挑戦
  6. 正宗・バーグマン反応 Masamune-Bergman Reaction
  7. AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?
  8. 第175回―「酸素を活用できる新規酸化触媒系の開発」Mark Muldoon准教授
  9. エストロゲン、閉経を境に正反対の作用
  10. 元素占いはいかが?

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年8月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

第43回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

テーマ「創薬化学の新たな潮流 多彩なアプローチで未来を創る」 日時2026年11月11日…

圧力は「設定値」だけで決まらない【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

査読に AI を使われた体験談

生成 AI の普及は加速しており、調べもの、英文校閲など研究者の皆さんも活用していることと思います。…

フィーゼルマン チオフェン合成/Fiesselmann Thiophene Synthesis

概要フィーゼルマン チオフェン合成(Fiesselmann Thiophene Synthesi…

“とび跳ねる水滴”に潜む物理 〜接触時間とエネルギー源で読む撥水・防氷のテク〜

熱したフライパンに落ちた水滴が、玉になってコロコロと走り回り、冷えた面では、結露水が合体した瞬間に跳…

AI時代に研究者がすでに持っている力・これから伸ばしたい力

論文要約や文献検索など、研究現場でもAI活用が日常化する一方、「自分の仕事の先行き」に漠然とした不安…

miHub®を活用した探索的データ解析の実践

開催概要研究開発においてデータ活用が進む中、機械学習モデルの構築や予測解析に…

“ある特効薬”のはなし ~本田宗一郎氏の回想から

Tshozoです。最近実家に戻っては色々と廃棄するなどの店じまいを少しずつ進めているのですが、中…

高分子鎖を束ねた新しい共重合体「束状共重合体」が誕生

第715回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 工学系研究科(植村研究室)に所属されていた亀谷…

2026年「有機溶媒危機」へのアンサー。北大発・メカノクロスが挑む、溶媒に依存しない新たな合成法 = “メカノケミカル有機合成”の社会実装

株式会社メカノクロスは、メカノケミカル有機合成技術の社会実装に挑む北海道大学発の…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP