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化学書籍レビュー

【著者インタビュー動画あり!】有機化学1000本ノック スペクトル解析編

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今年4月に発売された書籍で、発売記念著者インタビュー動画も発売前に撮影したのですが、書籍の到着を待っていたら完全に失念していて、そして忙しさを言い訳にいまさら公開となってしまいました。

待望の1000本ノックシリーズ第5弾 スペクトル解析編です!

まずはお時間のあるときに、撮影したインタビュー動画を御覧ください。著者の矢野先生(関西大学)と盛り上がってしまい、インタビューに1時間半も費やしてしましました(編集後30分)

以下の内容について、謎の格好をして矢野先生とたっぷりとお話しています。

チャプターもつけていて、質問をクリックするとその話に飛べるので、お時間のない方はそちらでどうぞ。

概要

大好評「有機化学1000本ノック」シリーズに待望の新刊が登場.シリーズ5作目は,スペクトル解析を取り上げた.水素不足指数の計算に始まり,IR,MS,NMRを習得し,最後はそれらの知識を総動員して構造を予測できるようにトレーニングする.もちろん問題数は1000問.有機化合物の構造が解析できるようになるまで,解いて解いて解きまくれ!(引用:化学同人

目次

1.IHD(水素不足指数)
2.IR(赤外吸収スペクトル)
3.MS(質量スペクトル)
4.13C NMR(炭素13 核磁気共鳴スペクトル)
5.1H NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)
6.総合問題

内容

さて、今回の書籍の内容です。この有機化学1000本ノックシリーズはご存知でしょうか?

まさにタイトル通り体で身につける問題集です。名前に嘘偽り無く、本当に1000問問題が収録されており、今回のスペクトル解析シリーズも例外ではありません。

この問題集の特徴を言えば、同じところにしばらくノックしたと思いきや、たまーに少しだけ球筋を変えてノックしてくれること。何を言っているのかわからないかもしれませんが、実際やってみるとわかります。

目次の通り、まずは水素不足指数から。え?スペクトルと関係あるの?と思うんですが、スペクトルの問題は分子式が与えられていることが多いので、その分子式の水素不足指数がすぐにわかれば化合物を予測しやすくなります。

続いてはIR。基本的には官能基ぐらいしかわからないですね。覚えてほしいところは一部、あとはこのあたりに〇〇の伸縮振動が….ぐらいです。スペクトルも小さいですが多数収録されています。

お次は、意外にセンスが問われるMSスペクトル。親マスと言われる分子イオンだけがでるんじゃないんですね。かなり強い条件でイオン化するので、化合物がぶちぶち切れるんです。それをフラグメントイオンといって、それから分子イオンを予測することもあります。わかってしまえば簡単ですね。

メインは、13C NMRと1H NMR。これでもかというぐらい問題が収録されています。内容的にはそんなに難しい問題はなく、わかるひとはひと目でわかってしまうんじゃないかという感じです。もちろん実際のスペクトルが所狭しに掲載されています。よくぞこんなに収録したなと思います。

最後は、総合問題。難解問題があるのかと思いきや、実は結構簡単です。ただ、これが解けるようになると実践でも使えることでしょう。

実際にスペクトルを見る場合は、基本的には原料と生成物を見比べて、どこが反応してどのように変わるのか予測しながら構造式を予想しますね。一方で、スペクトルの問題はいきなり問題を与えられます。そう、つまり実際にスペクトルを読むときよりも難しいんです。ですので、これをしっかり解ければ免許皆伝

この1000本ノックシゴキに耐えきって、やりきったとき、

これまで単なる画像にしか見えなかったスペクトルが構造式にみえてくるでしょう!

おすすめです。

関連動画

化学同人から先行して出された動画です。こちらは短いのですぐに見ることができます。

関連書籍

有機化学1000本ノック反応機構編

有機化学1000本ノック反応機構編

矢野将文
Release date: 2019/08/25
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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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