[スポンサーリンク]

一般的な話題

DOIって何?

[スポンサーリンク]

論文の隅っこに必ず書かれている、上のような番号、一度は見たことがあるかと思います。これは、DOI(Digital Object Identifier)と呼ばれるコードです。どういうものか、知っておくとちょっとだけ得できます。

DOIは、Web上の電子文献と一対一に対応しているコードです。商品に対するバーコードや、書籍に対するISBNコードと同類、と考えれば分かりやすいでしょうか。

 

doi_2.gif

 一旦与えられたDOIコードは恒久的に使われます。電子ジャーナル配布サイトのURLが変わっても、DOIは変わりません。Web上の電子文献を、DOIを使って管理すれば、常に同じURLで論文にアクセスできる仕組みが作れます。既にそれは実現されており、ジャーナル読者に便利なシステムが構築されています。

さて、具体的な活用の仕方ですが、意外とカンタンです。

特定の電子論文が欲しいときには、ブラウザのURL欄に以下のように入力します。

 

https://doi.org/(DOIコード)

すると、その論文を配布しているページにダイレクトに移動できます。

例えば冒頭のDOIをもつ論文が欲しければ、https://doi.org/10.1021/ja803370x と入力すればOKです。
筆者は、日本語変換ソフト(ATOK)に前半部を単語登録しています。つまり、“どい”と打って変換すると“https://doi.org/”と表示されるように設定しています。引き続いてDOIコードをコピペすれば、即座にサイトへ移動でき、とても便利です。ちょっとしたテクニックですが、論文探索が若干速くなります。一度試してみてはいかがでしょうか。

また、ブログ・掲示板・メールなどで、他人に論文配布先を知らせるときも、DOIで記述されたURLを教えるほうがベターです。後々のリンク切れが防げるからです。

変更: 旧アドレス http://dx.doi.org/ はまだリダイレクトしますが、HTTPS化され、短縮化された https://doi.org/ が主流ですので、それに伴い記事を変更しました (2018年3月11日)

関連動画

 

関連リンク

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 5-ヒドロキシトリプトファン選択的な生体共役反応
  2. サリンを検出可能な有機化合物
  3. ペプチド修飾グラフェン電界効果トランジスタを用いた匂い分子の高感…
  4. TEtraQuinoline (TEQ)
  5. 有機合成化学総合講演会@静岡県立大
  6. アルメニア初の化学系国際学会に行ってきた!①
  7. カルボン酸β位のC–Hをベターに臭素化できる配位子さん!
  8. 資金洗浄のススメ~化学的な意味で~

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. Name Reactions: A Collection of Detailed Mechanisms and Synthetic Applications Fifth Edition
  2. BASF International Summer Courses 2017  BASFワークショップ2017
  3. ケムステ海外研究記 まとめ【地域別/目的別】
  4. シクロカサオドリン:鳥取の新しい名物が有機合成された?
  5. 元素周期 萌えて覚える化学の基本
  6. 越野 広雪 Hiroyuki Koshino
  7. 革新的なオンライン会場!「第53回若手ペプチド夏の勉強会」参加体験記
  8. さあ分子模型を取り出して
  9. 鉄の新たな可能性!?鉄を用いたWacker型酸化
  10. Reaxys PhD Prize 2016ファイナリスト発表!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP