[スポンサーリンク]

一般的な話題

コーヒーブレイク

[スポンサーリンク]

家に置いてあるコーヒーパックが一つ空になりました。ただ、知り合いから日本からのお土産にコーヒー豆のパックをたくさんいただいたのでまだまだうちにはたくさんのコーヒーがあります。なぜか日本で買っていただいたコーヒーであるのに、こちらが本場のスターバックスコーヒーですが(苦笑)。こちらでは、名前のとおりほとんどがアメリカンコーヒー。つまりうすくてがぶがぶ飲むコーヒーです。研究所にはコーヒースタンドがあり、私はコーヒーが大好きなので、毎日そこでコーヒーを買いコーヒーブレイクをしています。値段は一番大きいもので$1.75。量と味を考えると非常に安いと思います。 正直言ってコンビニやガスステーションのものはあまりおいしくありません。

ところで、コーヒーにはどのような成分が入っているかしっていますか?

caffeine.gif

おそらくこの1つは誰でもご存じでしょう。化合物で1,2を争うぐらい一般的にも有名なカフェイン(caffeine)です。プリン環(上に示す基本骨格のこと)を有するアルカロイドで、コーヒー豆の他にお茶の葉やカカオの種子などに含まれているといわれています。とはいってもここで含まれているといわれているカフェインはメチルキサンチン類と呼ばれるカフェインのような骨格を有するカフェインの類縁体でここに示す構造式のカフェインはコーヒー豆に含まれているものがほとんどです。 その類縁隊として例えばお茶に含まれるテオフィリン(theophylline)、カカオに含まれるテオブロミン (theobromine)などがあります(下図参照)。

coffee2.gif

話をもとに戻して、確かにコーヒーにはカフェインが含まれていますが、こんなものがガボッっとコーヒーにいっぱい入っているわけではなく、1杯のコーヒーに含まれるカフェインの量はせいぜい100mg程度で、99%近くが水分です。カフェインよりも多く含まれているのがクロロゲン酸(chlorogenic acid)。コーヒー豆には10%程度含まれています。クロロゲン酸は焙煎や抽出などの過程でキナ酸(青い部分)が加水分解されカフェ酸(caffeic acid)になります。コーヒーの香り成分の主成分がこのカフェ酸です。

caffeic_acid.gif

もちろん主成分といっても、量的な主成分であり、ごく微量成分でも非常に強い香りを出す成分があれば、香りの主成分はその物質になります。香り成分はコーヒーの中に300種類以上あり、それらがうまい割合でブレンドされているとコーヒーの良い香りを引き出します。

trigonelline.gif

さらに、コーヒーの褐色色素であるトリゴネリン、ニコチン酸も主成分です。 その他にはポリフェノール類がいくつか含まれています。

というわけでいくつかコーヒーに含まれている化合物を、コーヒーブレイクの間に紹介させていただきました。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4799314807″ locale=”JP” title=”スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?”]

 

外部リンク

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ホウ素の力で空気が酸化に参加!?
  2. 酵素触媒によるアルケンのアンチマルコフニコフ酸化
  3. Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!
  4. 窒素原子の導入がスイッチング分子の新たな機能を切り拓く!?
  5. ケトンをエステルに変えてぶった斬る!脱アシル型カップリング反応の…
  6. 化学者のためのエレクトロニクス講座~次世代の通信技術編~
  7. 「さくら、さくら」劇場鑑賞券プレゼント結果発表!
  8. 冬虫夏草由来の画期的新薬がこん平さんを救う?ーFTY720

注目情報

ピックアップ記事

  1. 超原子価臭素試薬を用いた脂肪族C-Hアミノ化反応
  2. クラレ 新たに水溶性「ミントバール」
  3. サムライ化学者高峰譲吉「さくら、さくら」劇場鑑賞券プレゼント!
  4. 連続フロー水素化反応に適したポリシラン担持パラジウム触媒
  5. 光で2-AGの量を制御する
  6. 新規化合物データチェックリストとWord整形プログラムver2
  7. 木曽 良明 Yoshiaki Kiso
  8. 「未来博士3分間コンペティション2020」の挑戦者を募集
  9. 試験管内選択法(SELEX法) / Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment
  10. 第一製薬、仏サノフィに脳梗塞予防薬の営業権を返還

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年7月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP