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但馬 敬介 Keisuke TAJIMA

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但馬 敬介(TAJIMA Keisuke, 1974年7月23日 – )は、日本の高分子化学者である。半導体高分子を用いた有機太陽電池や様々な有機電子デバイスの研究を行っている。2021年現在、理化学研究所 創発物性科学研究センター チームリーダー。第18回ケムステVシンポ講師。

経歴

1997 東京大学工学部化学生命工学科 卒業
1999 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻修士課程 修了
2002 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻博士後期課程修了, 博士(工学)
2002 米国ノースウェスタン大学 博士研究員
2004 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 助教
2009 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 講師
2011 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 准教授
2012 理化学研究所 基幹研究所 チームリーダー
2013 理化学研究所 創発物性科学研究センター チームリーダー

(兼任)

1999-2002 日本学術振興会特別研究員(DC1)
2011-2017 JST-さきがけ研究者「太陽光と光電変換機能」領域
2017- Associate Editor, ACS Applied Materials & Interfaces

受賞歴

2009 第5回 Honda-Fujishima Prize
2009 東京大学GCOE Lectureship Award
2013 平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞
2018 理研栄峰賞、理研梅峰賞
2018 高分子学会日立化成賞

研究業績

1.有機半導体薄膜での「表面偏析単分子膜」を提唱

低表面エネルギー部位を持つ有機半導体の表面への自発偏析を利用した「表面偏析単分子膜」を提唱し[1-3]、有機太陽電池をはじめとする電子デバイスの性能向上に向けた利用を報告している。最近では表面偏析単分子膜が薄膜の結晶化や分子配向に及ぼす影響について研究を進めており[4-6]、高分子鎖の垂直配向(end-on配向)を表面偏析単分子膜で達成することなどに成功している[7-8]。

2.有機薄膜太陽電池の界面構造モデルの構築

ドナー/アクセプターの界面構造が明確な二層型有機太陽電池をモデルとして、界面ダイポールや絶縁性スペーサー、エネルギーカスケードなどの影響を明らかにした[9-11]。最近では、材料のエネルギーレベルと電荷分離効率の詳細な関係を明らかにした[12]。

3.有機薄膜太陽電池のナノ構造制御

有機薄膜太陽電池のナノ構造を制御する目的で、無機ナノロッドや半導体ブロックコポリマーの合成などを行い、太陽電池性能との相関を研究している[13-16]。最近では、混合薄膜での分子レベルの配置を可能にする分子設計も提唱している[17]。

関連文献

  1. Tajima K.;  Polym. J.201951, 1117-1126. DOI:10.1038/S41428-019-0236-X
  2. Wei, Q. S.; Tajima, K.; Tong, Y. J.; Ye, S.; Hashimoto, K.;  J. Am. Chem. Soc.2009, 131, 19597. DOI:10.1021/ja9057053
  3. Wei, Q. S.; Nishizawa, T.; Tajima, K.; Hashimoto, K.;   Adv. Mater. 2008, 20, 2211. DOI:10.1002/adma.200792876
  4. Wang C.; Hao H.; Hashizume D.; Tajima K.;  Chem. Sci.202011, 4702-4708. DOI:10.1039/D0SC01163K
  5. Izawa S.; Nakano K.; Suzuki K.; Chen Y.J.; Kikitsu T.; Hashizume D.; Koganezawa T.; Nguyen T.-Q. and Tajima K.; Sci. Rep.20188, 481. DOI:10.1038/s41598-017-18881-y
  6. Wang W.-C.; Chen S.-Y.; Yang Y.-W.; Hsu C. S.; Tajima K.;  J. Mater. Chem. A20204, 2070013. DOI:10.1039/D0TA00030B
  7. Ma J.S.; Hashimoto K.; Koganezawa T.; Tajima K.;  J. Am. Chem. Soc.2013135, 9644-9647. DOI:10.1021/ja4051179
  8. Wang F.; Nakano K.; Segawa H.; Tajima K.; ACS Appl. Mater. Interfaces202113, 7510-7516. DOI:10.1021/acsami.0c22099
  9. Tada A.; Geng Y.F.; Wei Q.S.; Hashimoto K.; Tajima K.; Nature Mater.201110, 450–455. DOI:10.1038/nmat3026
  10. Izawa S.; Nakano K.; Suzuki K.; Hashimoto K.; Tajima K.; Adv. Mater.201527, 3025-3031. DOI:10.1002/adma.201500840
  11. Zhong Y.F.; Tada A.; Izawa S.; Hashimoto K.; Tajima K.;  Adv. Energy Mater.20144, 1301332. DOI:10.1002/aenm.201301332
  12. Nakano K.; Chen Y.; Xiao B.; Han W.; Huang J.; Yoshida H.; Zhou E.J.; Tajima K.;  Nature Commun.201910, 2520. DOI:10.1038/s41467-019-10434-3
  13. Chen P.H.; Nakano K.; Suzuki K.; Hashimoto K.; Kikitsu T.; Hashizume D.; Koganezawa T.; Tajima K.; ACS Appl. Mater. Interfaces20179, 4758-4768. DOI:10.1021/acsami.6b14629
  14. Miyanishi S.; Zhang Y.; Hashimoto K.; Tajima K.; Macromolecules201245, 6424−6437.  DOI:10.1021/ma300376m
  15. Zhang, Y.; Tajima, K.; Hirota, K.; Hashimoto, K.;  J. Am. Chem. Soc. 2008,130, 7812. DOI:10.1021/ja8023516
  16. Takanezawa, K.; Hirota, K.; Wei, Q. S.; Tajima, K.; Hashimoto, K.; J. Phys. Chem. C 2007,111, 7218. DOI:10.1021/jp071418n
  17. Wang C.; Nakano K.; Lee H. F.; Chen Y.; Hong Y.-L.; Nishiyama Y.; Tajima K.;  Angew. Chem. Int. Ed.201857, 7034-7039. DOI:10.1002/anie.201801173

関連リンク

理化学研究所創発機能高分子研究チームHP

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ニューヨークでポスドクやってました。今は旧帝大JK。専門は超高速レーザー分光で、分子集合体の電子ダイナミクスや、有機固体と無機固体の境界、化学反応の実時間観測に特に興味を持っています。

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