[スポンサーリンク]

一般的な話題

2008年イグノーベル賞決定!

[スポンサーリンク]

いよいよノーベル賞シーズンの到来です。その前哨(?)として毎年発表される、イグノーベル賞(Ig nobel prize)。ありていに言えば「ノーベル賞のジョーク版」ですが、至ってまともな賞(とされています)。

イグノーベル賞の授与対象となるのは、“first make people LAUGH, and then make them THINK”、まず笑わせ、そして考えさせてくれる研究になります。賞に関する詳細は、以前の記事「2007年度イグノーベル賞決定」もしくはWikipediaの記事をなどを参照していただきたいのですが、ぶっちゃけやりたい放題な賞です。超優秀な方々が大まじめにやってるバカ騒ぎほど、面白いモノはないですね。

さて、このブログは化学のブログなので、イグノーベル化学賞に絞って紹介したいと思います。今年の受賞は前年度とは異なり、日本人ではありませんでした。(しかし、今年は「粘菌に迷路を解かせる研究」で、邦人研究者が認知科学賞を受賞しています。)

<2008年イグノーベル化学賞>

Sharee A. Umpierre(米プエルトリコ大学)、Joseph A. Hill(米ニューイングランド不妊治療センター)、Deborah J. Anderson(米ボストン大/ハーバード大)
コカ・コーラが効果的な殺精子剤であることを発見したこと。
Chuang-Ye Hong(台湾医科大学)
C.C. Shieh、P. Wu、B.N. Chiang(台湾)
コカ・コーラが効果的な殺精子剤でないことを発見したこと。

コーラで膣内を洗うという避妊法は、かなり昔から俗説として流布していました。それを確かめてみた、というものなのでしょう。研究自体、いずれも20年前のものです。

実際、コーラに殺精子効果はあるらしいです。ただ、膣内洗浄を行ったとしても、精子が死ぬより早く子宮に到達してしまうため、あまり効果はない、というのが本当のところのようです。

「コーラは歯や骨を溶かす」なんて俗説も流れてたぐらいですし、私の知人も「コーラはpH試験紙で確かめたら強酸性だったよ!」とか言ってたぐらいなので、殺精子作用ぐらいあってもなんの不思議もないとは思えますが・・・。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”448404109X” locale=”JP” title=”イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手!”][amazonjs asin=”4484082225″ locale=”JP” title=”めざせイグ・ノーベル賞 傾向と対策 「世間を笑わせ、考えさせた」人に与えられる、それがイグ・ノーベル賞。”][amazonjs asin=”4270000910″ locale=”JP” title=”もっと!イグ・ノーベル賞”]

関連リンク

 

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 大川原化工機株式会社のはなし
  2. ライトケミカル工業株式会社ってどんな会社?
  3. 結晶世界のウェイトリフティング
  4. 【環境・化学分野/ウェビナー】マイクロ波による次世代製造 (プラ…
  5. ちょっとキレイにサンプル撮影
  6. SNS予想で盛り上がれ!2024年ノーベル化学賞は誰の手に?
  7. Nazarov環化を利用した全合成研究
  8. 有機フッ素化合物の新しいビルドアップ構築法 ~硫黄官能基が導く逐…

注目情報

ピックアップ記事

  1. アダム・コーエン Adam E. Cohen
  2. 基礎から学ぶ機器分析化学
  3. 分子1つがレバースイッチとして働いた!
  4. 触媒化学との「掛け算」によって展開される広範な研究
  5. セメントから超電導物質 絶縁体のはずなのに
  6. アルカロイド骨格を活用した円偏光発光性8の字型分子の開発 ~天然物化学と光材料化学の融合~
  7. ヴィ·ドン Vy M. Dong
  8. ベシャンプ還元 Bechamp Reduction
  9. PACIFICHEM2010に参加してきました!②
  10. C70の中に水分子を閉じ込める

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

早稲田大学各務記念材料技術研究所「材研オープンセミナー」

早稲田大学各務記念材料技術研究所(以下材研)では、12月13日(金)に材研オープンセミナーを実施しま…

カーボンナノベルトを結晶溶媒で一直線に整列! – 超分子2層カーボンナノチューブの新しいボトムアップ合成へ –

第633回のスポットライトリサーチは、名古屋大学理学研究科有機化学グループで行われた成果で、井本 大…

第67回「1分子レベルの酵素活性を網羅的に解析し,疾患と関わる異常を見つける」小松徹 准教授

第67回目の研究者インタビューです! 今回は第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化す…

四置換アルケンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化反応

四置換アルケンの位置選択的かつ立体選択的な触媒的ヒドロホウ素化が報告された。電子豊富なロジウム錯体と…

【12月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスのエステル化、エステル交換触媒としての利用

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

化学CMアップデート

いろいろ忙しくてケムステからほぼ一年離れておりましたが、少しだけ復活しました。その復活第一弾は化学企…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP