[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

Pure science

先日、ある教授の講演を聴く機会がありました。
その教授は「これでもかっ!!」ってくらいのpure scienceを展開されていました。
普段、我々が実験室レベルで行っている研究も”pure”ちゃ”pure”なんですが、やはり
「何かの役に立つ。やる意味がある」というものであると思います。

しかし、その教授は「こんなの何の役に立つの?」というような素朴な疑問の答えを追っていました。

その教授の講演を聴いて日々の実験生活の中で忘れていた何かを取り戻せた気がしました。

というのも、近年では日本を含め世界中で、「こんなの何の役に立つの?」なんていう研究はやりにくくなっているのが現状であります。もちろん、そーいった研究を遂行されている方や、基礎研究を大事にする研究者が数多くおられることも分かっています。しかし、論文数などから判断すると応用研究の数が圧倒的に多いということは紛れも無い事実であります。
(単純に結果が出にくいということも関連しているのかも知れませんが)

筆者も化学者の端くれとして、素朴な疑問を追う研究というものを大事にしたいと思いますし
それがやりにくくなっている現状そのものを残念に思います。

かくいう筆者も、今現在携わっているテーマは素朴な疑問を追うというものではありません。しかし、そんな中でも、日々の実験結果に対して常に「なんでなんだろう」という姿勢を忘れずにやっていきたいと感じた講演でした。

The following two tabs change content below.
carbene

carbene

博士見習い。専門は分子触媒化学。化学史や反応や現象の成り立ちに興味がある。夢は化学を熱く語ることができるサイエンスライター。

関連記事

  1. プロペランの真ん中
  2. 2017年(第33回)日本国際賞受賞者 講演会
  3. ホウ素と窒素で何を運ぶ?
  4. 今年の光学活性化合物シンポジウム
  5. 化学研究ライフハック:縦置きマルチディスプレイに挑戦!
  6. ウッドワード・ホフマン則を打ち破る『力学的活性化』
  7. 酸素を使った触媒的Dess–Martin型酸化
  8. 光触媒反応用途の青色LED光源を比較してみた

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. PdとTiがVECsの反応性をひっくり返す?!
  2. 田辺製薬と三菱ウェルファーマが10月1日に合併へ‐新社名は「田辺三菱製薬」
  3. バリー・シャープレス Karl Barry Sharpless
  4. タミフルの新規合成法・その2
  5. 有機薄膜太陽電池の”最新”開発動向
  6. リチャード・シュロック Richard R. Schrock
  7. エーザイ、アルツハイマー治療薬でスウェーデン企業と提携
  8. NHPI触媒によるC-H酸化 C-H Oxidation with NHPI Catalyst
  9. アルミニウム Aluminium 最も多い金属元素であり、一円玉やアルミホイルの原料
  10. ジャン=マリー・レーン Jean-Marie Lehn

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

工程フローからみた「どんな会社が?」~タイヤ編 その1

Tshozoです。今回の主役はゴムで出来ている車両用タイヤ。通勤時に道路で毎日目にするわりに…

感染制御ー薬剤耐性(AMR)ーChemical Times特集より

関東化学が発行する化学情報誌「ケミカルタイムズ」。年4回発行のこの無料雑誌の紹介をしています。…

有機合成化学協会誌2019年1月号:大環状芳香族分子・多環性芳香族ポリケチド天然物・りん光性デンドリマー・キャビタンド・金属カルベノイド・水素化ジイソブチルアルミニウム

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2019年1月号がオンライン公開されました。今…

リチウムイオンバッテリーの容量を最大70%まで向上させる技術が開発されている

スマートフォンや電気自動車の普及によって、エネルギー密度が高く充電効率も良いリチウムイオンバッテリー…

学部4年間の教育を振り返る

皆様、いかがお過ごしでしょうか。学部4年生の筆者は院試験も終わり、卒論作成が本格的に始まるまでの束の…

ダイセルが開発した新しいカラム: DCpak PTZ

ダイセルといえば「キラルカラムの雄」として知られており、光学活性化合物を分離するキラルカラム「CHI…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP