[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

有機機能材料 基礎から応用まで

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4061568027″ locale=”JP” title=”有機機能材料 基礎から応用まで (エキスパート応用化学テキストシリーズ)”]

内容

研究者養成のための先進的なテキスト。色素、高分子、液晶から生体材料、有機無機ハイブリッドまで幅広く解説し、最新の研究についても紹介します。1冊で材料の基礎から応用、材料設計のコンセプトまでわかります。

1章 序論
2章 有機材料の機能
3章 有機材料における分子間相互作用
4章 有機色素
5章 高分子材料
6章 液晶材料
7章 有機半導体材料
8章 界面活性剤
9章 生体分子
10章 生体材料
11章 炭素材料
12章 有機-無機ハイブリッド材料 (引用:講談社 Book倶楽部

対象

  • 大学生、大学院生以上

 

解説

有機機能材料に関する書籍。2014年3月に発売されたものなので、最新刊ではないが、類似のタイトルではかなり新しい書籍である。

講談社がだしている「エキスパート応用化学テキストシリーズ」からの一冊。有機材料関連の若手研究者9名によって執筆されている。ケムステでもインタビューを掲載させていただいている、矢貝博士中西博士も執筆者の一人である。著者らは全員、日本化学会の新領域グループ「エキゾチック自己組織化材料」に属しており、各章を分担執筆して書籍として出版するに至っている。

本書は非常に基本的なところから丁寧に記載しており、分野外でも分子構造に抵抗がない人は大変読みやすい。焦点は個々の材料の歴史的背景、基礎的な原理から最新研究までを紹介する内容で、コストや製造プロセスなどはあまり取り上げていない。個々の有機材料に関する書籍に比べると、1つの有機材料で一章なので、少し物足りなく感じるかもしれない。

逆に言えば、多くの有機材料の基礎について学ぶことができる格好の書籍であろう。大学上級生や大学院生の参考図書としても利用できそうだ。有機化学的な観点が強い内容なので、深く化学を学んでいない材料系の研究者にもオススメしたい。

また、いくつか掲載されているコラムがよい。話題の有機材料について1-2ページで述べている。片手に収まる大きさ、ページ数も250ページ弱とコンパクトなので、時間のあるときに1章ずつ読んでいってもよいだろう。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4807906100″ locale=”JP” title=”有機機能材料”][amazonjs asin=”4782705573″ locale=”JP” title=”有機機能性材料化学―基本原理から応用原理まで”][amazonjs asin=”4781310141″ locale=”JP” title=”電子共役系有機材料の創製・機能開発・応用 《普及版》 (新材料・新素材シリーズ)”][amazonjs asin=”4759813721″ locale=”JP” title=”未来材料を創出するπ電子系の科学―新しい合成・構造・機能化に向けて (CSJカレントレビュー)”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 生体分子反応を制御する: 化学的手法による機構と反応場の解明
  2. 化学するアタマ―論理的思考力を鍛える本
  3. 【書評】続続 実験を安全に行うために –失敗事例集–
  4. 背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?
  5. 有機化学1000本ノック【反応機構編】
  6. Greene’s Protective Groups…
  7. 天才プログラマー タンメイが教えるJulia超入門
  8. できる研究者の論文生産術―どうすれば『たくさん』書けるのか

注目情報

ピックアップ記事

  1. やっぱりリンが好き
  2. 天然階段状分子の人工合成に成功
  3. パラジウム光触媒が促進するHAT過程:アルコールの脱水素反応への展開
  4. リピンスキーの「ルール・オブ・ファイブ」 Lipinski’s “Rule of Five”
  5. 密度汎関数法の基礎
  6. DNAに人工塩基対を組み入れる
  7. 耐薬品性デジタルマノメーター:バキューブランド VACUU・VIEW
  8. 日本にノーベル賞が来る理由
  9. 有機合成化学協会誌3月号:鉄-インジウム錯体・酸化的ハロゲン化反応・両親媒性ジアリールエテン会合体・アミロイド選択的光酸素化・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー
  10. カルベンで挟む!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年4月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP